照りつける太陽の熱が肌をジリジリと焼いていく。額から汗が滲み出てきて、零れた一粒が地面に小さな滲みを作った。どう考えても外に出るのに適した気温じゃない。フィンだって、補習でなければこんな日に草むしりをしようとは思わなかっただろう。…いや、どちらかといえばさせられていると言った方が正しいが。
どうしてこんな炎天下の中、フィン・エイムズは一人で草むしりをしているのか。話は少し前に遡る。
一学期最期の体力育成の実技テストの日、フィンは風邪をひいて休んでしまった。今日は本来であればその再試験の予定だったが、担当の先生が急用で来られなくなり、代わりに学校の雑用をすることで単位がもらえることになったのだ。
そりゃあ、再試験よりは雑用の方がマシだけどさ…。
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