薬は身の毒「ただいま藍湛。俺は弟子達と食ってきたがお前はちゃんと食べたか? 」
「うん。後は湯に浸かるだけ」
「そっか。じゃあお前が先に入ってくれ」
「君の方が先に入った方が良いだろう」
夜狩で汗もかいただろうからと髪の毛に絡まった木の葉を取ってやりながら勧める。
「俺が先に入ったら湯を汲み直さなきゃいけなくなるしお前が出てくる前に寝ちゃうよ。待ってる間俺は酒でも飲んでる」
「分かった」
そう言うと藍忘機は湯を用意しはじめる。その様子を横目で眺めつつ魏無羨は天子笑を飲む。
(よしよし。藍湛を先に入らせることに成功したぞ。後はあいつが入ってる時にこれを使うだけだ)
彼は懐に入れているものを服の上からそっと抑えた。
湯を汲み終えた藍忘機が服を脱ぎ湯船に浸かる。そこにそっと近付き懐に入れていた袋を逆さにし中身を藍忘機の上から降らせる。
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