本編③ ここにいたい目を覚ますと部屋の中がずいぶん明るく、しばらく目が慣れなかった。
カーテンを開けてみると朝日ではない、すでに高い位置に太陽が。
かなり寝てしまったようだ。
床でそのまま寝てしまったような気がするのに、ちゃんとベッドに寝ている。
枕元に耳飾りがきちんとあるのを確認して、慌てて部屋を出る。
階段を降りると、お昼でにぎわった店内を見下ろすことができた。
焚火のそばに座って休む者、窓際で陽を浴びながら談笑する者、各々がなごやかに楽しんでいる。
ぱたぱたと、軽やかに小鳥のように席のあいだを行きかうのは昨日の雀さんたち。
カウンターで客と話していた紺碧が俺に気づいて手を振る。
「おはよう」
今日はきちんと髪を結び、白いシャツ姿、ケープはつけていない。
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