今日も残暑とやらが続く。時計人形はあまり暑さを感じないので、その暑いというやらがわからないが。
そんな中、私のそばに抱き着いてくる形で涼む少女が一人。
「あっつーい……」
「暑いというのなら、何故抱き着く」
「それとこれとは別です」
朝火はさっきから私に抱き着いては離れる気配がない。だが彼女の頬や首筋からは大量の汗が流れている。
「熱中症とやらになっては困る。水分を適度に取って――」
「傍に冷えた麦茶置いてあるんで大丈夫です~」
彼女の横を見ると、そこにはきんきんに冷えた麦茶が置いてあった。飲みますか?と聞かれたので、一応もらうことにした。グラスはすでに私の分まで用意してあったらしく、手際よくグラスに茶を注いでいた。
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