パロの話2 さとるが人間の姿になったその日、建人は殆ど眠れずに朝を迎えた。
目を閉じると昨夜の人間のさとるの姿が浮かんでしまい、あの美しい顔や長いまつ毛、滑らかな白い肌に体が熱くなって心の臓はドクドクと早く脈打って眠るどころでは無かったのだ。結局一刻程しか寝られなかった。
日の光に目を開けて隣に眠るさとるを見ると猫の姿で丸まって寝ていたので安心した。また人間になっていたらどうすればいいか建人には分からない。
にゃ、にゃ〜とさとるはなんだかよく分からない寝言を言っている。朝日を反射してさとるの真っ白い毛はキラキラと輝いている。思わず撫でようと手を伸ばすが、昨夜の事を思い出しなんだか恥ずかしくなり触れる事は出来なかった。
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