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    えぐ

    AonoAster

    PROGRESS脱走被検体IF『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分には信頼するMAVがいたこと以外何も覚えていない。肉体年齢21歳)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(イズマ単独捜査中)が一蓮托生になって数日にわたりドタバタする話。クランバトル編だ! 

    中佐とコモリもいます。どこもCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第4話『クランバトルのレッド・コメット』クランバトル出場にあたってエグザベは一つだけ条件をつけた。『降参あるいは逃走のタイミングはエグザベが決定し、それを決めた場合はエグザベより先に逃げること』である。本当は頭部以外狙うなとか指示に従えとか色々条件をつけたかったのだが、相手が本気で命を狙ってこない保証ももうないのだ。その上にこちらが乗る機体も未知の借り物で、挙句スバルはニュータイプとはいえ記憶がないのだ。すべてが未知数である以上、あまり細かい事を言ってもしょうがない。

    どうにか約束を飲み込ませて、自分たちが代打で乗る機体を見せてもらう。倉庫に隠されたMSは、端的に言うとかなり古いザクだった。赤くてV字のアンテナがついている。赤いガンダムに外見だけでも寄せようとしたのだろう。ビットはもちろん、頭部バルカンらしきものも見当たらない。正真正銘角付きの赤いザクである。
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    AonoAster

    PROGRESS『MAVでなくても手は取れる』第3話『灰と緑の星標』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分には信頼するMAVがいたこと以外何も覚えていない。肉体年齢21歳)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(イズマ単独捜査中)が一蓮托生になって数日にわたりドタバタする話。ランドムーバーも出たぞ!

    CPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』第3話『灰と緑の星標』「なるほど、それで死んだ事になったのか。君も、そして私も」
    「そうなんだよ……」

    連絡がすぐに取れない以上、手持ちの情報を整理して何とかするしかない。そう思ってスバルと話し込んでいたのだが、結局のところ得られた情報よりはエグゼべから与えた情報のほうがはるかに多かった。彼は妙に勘が鋭くてあっという間にクリティカルな機密以外の情報──つまり、軍警がエグザベについて把握している程度の情報──を把握してしまったのだ。途中から、どうせ一蓮托生なのだからと教えてしまった部分もないではなかったが。

    そして彼から聞き出せた情報といえば、およそ半年以上前の記憶を喪失していて、そしてその覚えている半年の大半をあの施設で過ごしていたという事だった。それより前に自分が何をしていたかもあの施設が何なのかも知らないようだった。それでも収穫がなかった訳ではない。彼は施設に身柄を抑えられる前に赤いガンダムを目撃していた。半年前に見たのなら、サイド6でグラフィティアートを描く赤いMSの目撃情報が報告される前という事だ。彼の過去がわかれば、あのガンダムがゼクノヴァ以降どうしていたのかが掴めるかもしれない。
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    AonoAster

    PROGRESS『MAVでなくても手は取れる』 第2話『エグザべ・オリベ死亡説』

    記憶喪失のシャア・アズナブル(自分には信頼するMAVがいたこと以外何も覚えていない)と相手がシャアだと気づいてないエグザべ・オリベ(イズマ単独捜査中)が一蓮托生になって数日にわたりドタバタする話。シャリア中佐たちも出たぞ!

    シャアとエグザべの距離が近いですがCPではないつもりです。
    『MAVでなくても手は取れる』 第2話『エグザべ・オリベ死亡説』水をたっぷり吸った布は重たくまとわりついて動きを妨げる。布の中身、つまり意識を失った人間の体はさらに重い。つまるところ、入院着を着て気絶している成人男性というのは水中で抱えるには最悪の荷物の一つであった。それでもエグザべは一度掴んだ体を手放しはしなかった。川岸へとどうにか辿り着いた時には随分と流されてしまっていたし、体力も殆ど使い果たしていたが、どうにか橋の下の暗がりへと身を隠すことに成功した。きっと、最後のほうは溺死体が流されているようにしか見えなかっただろう。

    夜の闇に紛れて身を潜めて、引きずるようにして川から引き揚げてきた金髪の男の身体を横たえる。長く水中にいた体は冷え切っていて、かろうじて生きているという有様で浅い呼吸を繰り返していた。その入院着は今や見落としようがないほど赤く染まっている。そっと脱がせてみれば、そこにあったのはやはり複数の銃創であった。運がいいのか勘がいいのか掠める程度のものが多かったようだが、いかんせん出血量が馬鹿にならない。加えてほとんど溺れかけの状態だったのだ。放っておけばこのニュータイプの同胞は今夜ここで死ぬだろう。それは勘を使うまでもなく明らかな事実だった。
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