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    しばいぬ

    あぷ🍎

    DONEしばいぬ先生のメイドの五夏の三次創作。
    傑が高校生の時のハロウィン近くの話。季節感とは?
    傑がどうでもよくなったところで、私もどうでもよくなった。
    星の金貨 その日傑はイライラしていた。義務教育を終え、最低限の出席日数を得るために通っている高校から帰宅した日は大抵イライラしていたが、もちろんご主人様やご当主様の前でそんな態度をとる愚か者ではない、この日はいつもの比ではなかった。原因は一つ。ハロウィンが近いからである。
     五条家に関わる者として、五条家の息のかかったそれなりの身分の人間のみが通う高校に通わせてもらっているが、どこにでも猿というものは一定数いるらしい。世がハロウィンに浮き立つ中、久しぶりに登校すれば、傑を待ち受けていたのは大量のお菓子であった。基本的にエスカレーターの私立高だが、外部からの編入がないわけではなく、学年が上がる度に傑を新しく知った人間がこうして無謀にも近付いてくるのだった。正確にははっきりと近付けないからお菓子だ手紙だと回りくどいことをしてくる。しかし傑も自分のどんな行動が巡り巡って五条家の傷となるか分からないため、ありがとう、と人好きのする笑顔で応えるしかなかった。それがまた噂を呼び人を惹きつけ、と悪循環である。早く卒業したい。これが傑の口癖であった。
    1906