しょわん
sayuta38
DONEしょしょワンドロ6回目お題「やきもち」現パロのやきもち
やきもち(現パロ)「鍾離先生! 卒論このままじゃ終わらなくて、助けて欲しいの!」
「それは……この場に来ている場合ではないのではないか? しかし、俺であれば助言しよう」
「ずるい! 私も今日先生に聞きたいことがあったのに!」
「順番に聞くので、まとめておいてもらえないか?」
魈は何故この場に来てしまったのかと、色々な香水の匂いが混ざり漂う空間に頭を痛めながら、早くも後悔していた。
授業を受け持っている子達がどうしてもというので、一度夜に食事に行くことになった。と告げられたのは数日前のことだ。断れなくてすまない。という鍾離に、別に構いません。と返した。鍾離のことだ。さぞ人気の教授なのだろう。
「女性も来るのだが、お前は気にならないのか?」
3610「それは……この場に来ている場合ではないのではないか? しかし、俺であれば助言しよう」
「ずるい! 私も今日先生に聞きたいことがあったのに!」
「順番に聞くので、まとめておいてもらえないか?」
魈は何故この場に来てしまったのかと、色々な香水の匂いが混ざり漂う空間に頭を痛めながら、早くも後悔していた。
授業を受け持っている子達がどうしてもというので、一度夜に食事に行くことになった。と告げられたのは数日前のことだ。断れなくてすまない。という鍾離に、別に構いません。と返した。鍾離のことだ。さぞ人気の教授なのだろう。
「女性も来るのだが、お前は気にならないのか?」
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DONEしょしょワンドロ2回目写真撮影 鍾離様はいつも、我を試す。
我が断らないことを知っていながら、いつも「どうだろうか?」と我に判断を委ねてくる。
今日もそうだ。民衆の間で流行っているという、風景の写真撮影イベントに行くべくカメラを持ってきたが、一緒にどうだ? と望舒旅館へ訪ねてこられた。わざわざそのようなことで道具まで持っていらしているところを断れるはずがない。風景にも写真にも興味はないが、それが鍾離様の誘いとあらば話は別だ。返事はいつも「我で良ければ。お供します」である。
出掛ける際にヴェル・ゴレットに声を掛けているので、そろそろ彼女には鍾離様と頻繁に出掛けていることを勘付かれてしまっているかもしれない。
今回の撮影イベントのお題が出るのはフォンテーヌからだが、撮影対象はフォンテーヌ内でなくても良いそうだ。今日は青い野生生物が指定されていた、と鍾離様が話をしていらした。
3978我が断らないことを知っていながら、いつも「どうだろうか?」と我に判断を委ねてくる。
今日もそうだ。民衆の間で流行っているという、風景の写真撮影イベントに行くべくカメラを持ってきたが、一緒にどうだ? と望舒旅館へ訪ねてこられた。わざわざそのようなことで道具まで持っていらしているところを断れるはずがない。風景にも写真にも興味はないが、それが鍾離様の誘いとあらば話は別だ。返事はいつも「我で良ければ。お供します」である。
出掛ける際にヴェル・ゴレットに声を掛けているので、そろそろ彼女には鍾離様と頻繁に出掛けていることを勘付かれてしまっているかもしれない。
今回の撮影イベントのお題が出るのはフォンテーヌからだが、撮影対象はフォンテーヌ内でなくても良いそうだ。今日は青い野生生物が指定されていた、と鍾離様が話をしていらした。
sayuta38
DONEしょしょワンドロ1回目背中合わせ 俺の名は鍾離。またの名を岩神モラクス。契約の神だ。
一度契約を交わした内容は、それを反故にすることは絶対しない。それは当たり前のことではあるのだが……。
俺には今、どうしても破棄したい契約がある。
「魈……」
「いけません。そういう契約をしたのですから」
「しょう……」
縋り付くような声色で名を呼んでみたのだが、ぴしゃりと拒絶の声音で返ってきた。さすがは俺に長年仕えているだけのことはある。融通が効かない。契約は絶対的である為に、二の句が告げなくなってしまった。
ここは俺の寝台であり、俺が横になっている後ろ側の、拳一つ分くらい空間を空けた先に魈が横になっている。こんなに近くにいるのに、背中合わせで眠ることになってしまったのは、魈とそのような契約を交わしたからである。
2196一度契約を交わした内容は、それを反故にすることは絶対しない。それは当たり前のことではあるのだが……。
俺には今、どうしても破棄したい契約がある。
「魈……」
「いけません。そういう契約をしたのですから」
「しょう……」
縋り付くような声色で名を呼んでみたのだが、ぴしゃりと拒絶の声音で返ってきた。さすがは俺に長年仕えているだけのことはある。融通が効かない。契約は絶対的である為に、二の句が告げなくなってしまった。
ここは俺の寝台であり、俺が横になっている後ろ側の、拳一つ分くらい空間を空けた先に魈が横になっている。こんなに近くにいるのに、背中合わせで眠ることになってしまったのは、魈とそのような契約を交わしたからである。