たまひよ
つつ(しょしょ垢)
DONEある方の蜜柑話(ある方にしかわからない)のリプを見て、触発されて作った話。たまひよ話が好きな方におすすめ。
迷子 遠くから幼子が泣く声がした。
正確には鳴き声というべきかもしれない。ヒトのそれと雛鳥のそれが絶妙に混ざり合った音だ。
本来このような街中ではまず聞こえることのない、鍾離自身数百年と立ち会っていない…仙鳥の雛鳥独特の鳴き声にまさかと背筋が泡立つ心地がした。
「あ、しょぉぉぉぉりぃぃぃぃぃーーーー」
鳴き声を上回る友人の相棒…パイモンの絶叫に通りすがりの人々さえも振り返る。その後ろをぱたぱたと…予測に違わず子どもを抱えた旅人が姿を見せた。
「パイモン、それに旅人…それから……」
自然と鍾離の視線が旅人の腕の中へと移る。
いまだ鳴き止まぬ稚児は手足と、そして羽をばたつかせて旅人の腕の中から抜け出す勢いだ。
3034正確には鳴き声というべきかもしれない。ヒトのそれと雛鳥のそれが絶妙に混ざり合った音だ。
本来このような街中ではまず聞こえることのない、鍾離自身数百年と立ち会っていない…仙鳥の雛鳥独特の鳴き声にまさかと背筋が泡立つ心地がした。
「あ、しょぉぉぉぉりぃぃぃぃぃーーーー」
鳴き声を上回る友人の相棒…パイモンの絶叫に通りすがりの人々さえも振り返る。その後ろをぱたぱたと…予測に違わず子どもを抱えた旅人が姿を見せた。
「パイモン、それに旅人…それから……」
自然と鍾離の視線が旅人の腕の中へと移る。
いまだ鳴き止まぬ稚児は手足と、そして羽をばたつかせて旅人の腕の中から抜け出す勢いだ。
SSS
DOODLEたまひよ灯りをともせるのはなんだこれは
なんなんだいったい
自分は、資料室から、自分の机のあるイチトクへ戻ろうとしていたのだ。それなのに、ふと、振り返るとソレはいた。
黒い塊だ。5本の指が揃った人間の手が無数に生えている、それのどれもがどす黒く、放置された死体を連想させた。うねうねと軟体動物のように宙を漂うソレは、こちらを掴まんと、頬を這う。
ぬるっとした感覚と、タールのような耐え難い匂いに、腰が抜ける、そのまま、バケモノは自分の腰を掴んで、どこに隠していていたのか、大きな、大きな口を開けた。
足に力がはいらず倒れ込む。すると、相手も予想外の動きだったのか、無数の手からずるりと体が抜け落ちた。
再度、黒い塊がこちらに迫ってくるのが視界の端に見えた。
2674なんなんだいったい
自分は、資料室から、自分の机のあるイチトクへ戻ろうとしていたのだ。それなのに、ふと、振り返るとソレはいた。
黒い塊だ。5本の指が揃った人間の手が無数に生えている、それのどれもがどす黒く、放置された死体を連想させた。うねうねと軟体動物のように宙を漂うソレは、こちらを掴まんと、頬を這う。
ぬるっとした感覚と、タールのような耐え難い匂いに、腰が抜ける、そのまま、バケモノは自分の腰を掴んで、どこに隠していていたのか、大きな、大きな口を開けた。
足に力がはいらず倒れ込む。すると、相手も予想外の動きだったのか、無数の手からずるりと体が抜け落ちた。
再度、黒い塊がこちらに迫ってくるのが視界の端に見えた。
SSS
DOODLEたまひよ#リプ来たCP及びコンビでSSを書く
【たまひよ】今日はずいぶんと風が強い。天気予報は雨が降るとも言っていた。 野々宮は、空に重々しく横たわる雲に目をやると、早々に洗濯物を部屋の中にひっこめた。自分と彼の、2人分の洗濯物を処理するのにも、ずいぶん慣れてきた。薄手のもの乾いているが、厚いものはもう少し時間がかかりそうだ。乾いているものだけを床に置き、湿っているものは乾燥機のある部屋に干す。またベランダに通じる部屋に戻って、乾いたものを畳み始める。 今日は、久しぶりに一人での休日だ。今畳んでいる下着の持ち主は、現在仕事中。上司に引き留められて、何かの研究の手伝いをしているらしい。 本当は、二人でのんびり過ごそうと思っていたが、仕事に盗られたのであればしかたない。洗濯物を必要以上に丁寧に畳み、タンスにしまう。それで、今日やらなければいけないことは終わってしまった。 また薄暗くなっていく外を見ながら、彼は傘を持っているだろうか、とか、お昼は何を食べたのだろうか、とか、彼のことばかりを考える自分にきずき、苦笑いしてしまう。昔はこの家で一人、幻覚におびえて生きていたような気がする。その頃とは打って変わって、穏やかな生活になったのも、彼のおかげだ。彼が自分の全てをいい方向に変えてしまったようだった。それゆえに、この先のことを考えると、以前より一層、今の空模様のような気持が胸に広がるのであった。 ぼーっと窓越しに空をながめていると、ぽたり、ぽたりと雨粒が落ちてくる。それはすぐに土砂降りの雨に変わった。あぁ、この雨はどれくらい続くのだろうか。彼が駅に着くころまで続いてくれれば、迎えに行く口実になるのに。 そんなことが頭に過ったとき、スマホから軽快な音が響き、画面が点灯する。スマホを手に取り、通知を見ると、彼の名前の下に『今終わったので帰ります』の文字。それを確認すると同時に、通知内容は『画像が送信されました』となる。スマホのロックを外し、アプリを開くと、車に乗ったかわいらしい犬のキャラクターのスタンプが送信されていた。『了解です。こっちは雨が降ってるけど、傘は持ってる?』とトグル入力でぽちぽちと返信を打ち込む。そして、犬のキャラクター一覧から、傘を模したものを選択した瞬間、『傘持ってないです。降る前に帰ろうと思ってたのに~』の通知。傘のスタンプは、その下に表示された。『わかった。迎えに行くね。食材の買い出しも行こうと思っ
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