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    ところ

    みずまわり

    DOODLEエイプリル主従フール記念 ノァレォ原稿をいいところまで晒す会
     エージェントの朝は早いかと聞かれると、そうとは限らない。ノアはいつもレオンよりも遅くに起きている。というよりも、レオンが起こしに来るから起きることができている。
    「おはようございます」
    「おはよう、レオン……」
    「電気、つけますよ」
     もごもごと口を動かすノアに一言断りを入れてからレオンはぱちりとスイッチを入れた。
    「まぶし……」
    「さっ、朝ごはんの支度はできておりますゆえ、わたくしと向かいましょうね」
    「はぁい……」
     ゆっくり起き上がるノアは眩しさに薄目で抵抗する。時計を見ればまだ七時。もっと寝ていたい。目が開ききらないノアにレオンはカーディガンを差し出した。
    「ありがとう」
     微笑んで会釈をするレオンは朝からスーパー執事全開である。例を一つ挙げるとすれば──ノアは朝食は軽い方が好きだ。レオンはそれを知っている。だから朝に用意するのは、さらりとしたスープと小さなバゲットがふたつ。スープには見た目の軽やかさからは信じられないほどありとあらゆる栄養が詰まっている。こんなにシンプルに見えるのに何故か元気になるんだよね、とまじまじとスープを眺めるノアを見ながら、レオンは内心ガッツポーズを浮かべている。
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    okomeittoai

    PROGRESSこの話は子供との絡みが好きな作者が、おずおずと子供に向き合っているrnisがみたいと書いたもだもだ家族形成パロです。rnを好きになってしまったisgが、引退後に喪失感に襲われて子供を養子を取るところから不器用にも家族になろうと三人が集まる話です。ちょうどいいところまで終わったので、誕生日もあるし試しに一話として挙げてみようと思います。全年齢です。
    推敲していません。深夜なので許してください。
    祝祭 ♯1その箱の中にいる男が、ひどく楽しそうで羨ましかった。

    「ミヒャエル・カイザー選手と糸師凛選手がボールを奪い合っていた裏を書いて、ゴールを決めたのは、バスタードミュンヘンの双剣の一人、11番の潔世一だ!」
    「そしてなんと、ここで試合終了のホイッスルが鳴り、3-4でバスタードミュンヘン、逆転勝利が確定しました!」

    無機物なテレビが不思議にも動を生み、割れんばかりの歓声で蠢く。暗がりの部屋の中、瞳の中で青が揺れると、自分で導いた勝利を噛み締めるように、箱の中の自分よりも遥かに年上の赤いユニフォームが流れ星のように流れた。その選手はまるで自分がゴール入れたのが当然なのだと、その傲慢さを隠そうともせずに汗を飛ばしながら芝生の真ん中で雄叫びを上げている。こちらが耳を塞いでしまいそうな痺れる声を合図に、彼と同じチームメイトらしい、同じユニフォームの選手が集まってあっという間にもみくちゃにされ、その様子を興奮して解説している実況席と、嬉々とした声援が囃し立てていた。周りの選手と喜びを分かち合っている熱を表す画面は、今少年がいる暗い現実世界とは対照的にその選手を祝福しているように煌めいている。
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