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    アイテム

    山椒魚

    DONEさはんドロライの1周年に初参加で参入させていただこうと書いた話です。
    周年記念の特別企画として色々選べるお題の中から「再会 」をテーマに書き始めましたが、果たして読んでくださった方にそう思っていただけるか自信が・・・・・・。

    捏造設定とチートアイテムが堂々と幅をきかせています。何でも許せる方向けです。
    扇子の行方「また妙な物を欲しがるものだ」

     扇子が欲しいと洛冰河が言い出した。
     少し意外だったが、得心がいかないでもない。
     では、揃いで誂えようかと沈清秋が提案すると、それも嬉しいのですが・・・と冰河は少し言い淀んでから、できれば使い古しがよいのです と言う。
     「師尊が新しいものを誂える折に、今使われているものをいただければ」などと。
     「それでは[[rb:襤褸 > ボロ]]ではないか、遠慮はいらぬよ」
     師に出費させるのを良しとせずに辞しているのか、と沈清秋は思ったのだが。
     「新しいものではなく、師尊が愛用されていたものをご下賜いただきたいのです」と冰河が更に言うので、なるほど形見のようなものかと納得はした。形見とは会えぬ者を偲ぶ物。魔界の統治に絡み遠征を余儀なくされることもあるゆえ、何か師の物を持っておきたいということだろうか・・・・と。
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    朧船倭寇

    DOODLEストーリーとアイテム
    リアムストーリーストーリー1
    ベテラン冒険者のウィリアムは秘境内で仲間と逸れてからずっと1人で探索を続けていたが、ついに数千メートルもあるであろう大樹の元へ辿り着いた。それは普段彼らが経験を積む為に足を運ぶ秘境の最奥にある石化古樹よりもはるかに大きく、その根は地脈のように遥か先まで這っているようだった。大樹を見上げていると、その根本から膝丈ほどある大きな一匹の蜘蛛がウィリアムの元へ近付いて来た。蜘蛛はそれ以上大樹に近寄らないよう立ち塞がりながらも、現れるはずのない人間の対処に困ったのかそのまま黙り込んだ。声帯のない蜘蛛が黙っているのは元からなのだが、ウィリアムにはその蜘蛛が何かを言いたげに視線を彷徨わせこちらの装備を観察し、答えを導き出せず沈黙したように見え、自己紹介してみることにした。「私は冒険者協会のウィリアム。秘境の探索中に見えない壁の隙間から落ちてここまで来てしまった。興味はあるが、君たちの住処やあの樹を荒らすつもりはないから安心してくれと仲間にも伝えてくれるか?」すると蜘蛛は言葉が分かるかのように大樹の根元へ戻り、遠くからこちらを監視していた蜘蛛達の警戒を解いてまたウィリアムの足元へ戻ってくると、地面に一枚の葉を置いた。ウィリアムがその葉を手に取るとこの神聖な場所がテイワットのどこに位置するのか、そして地上との元素濃度や地脈構成の大きな違いなどが頭の中に流れ込んできた。この蜘蛛が今ウィリアムに必要な情報のみを小さな葉として持って来てくれたのだろうか、あるいは、大樹そのものの意思によるものかはわからない。意思が通じたことと蜘蛛が言葉を信用し警戒を解いてくれたことに安堵すると同時に、今受け取った情報からウィリアムは自分にはもう地上に戻る術がないことを粛々と受け止めていた。
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