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    in_my_heart1547

    INFO9/1発行予定のシンキラ現パロ本のサンプルで、前半部分の高校生編を掲載しています。後半部分は大学生編でR-18描写も盛り込む予定です。
    文庫サイズ/~100P(予定)/~800円(予定)
    【!】金額、ページ数については、後半を書ききってないので目安になってます。
    申し訳ございませんが、予めご了承ください。

    部数アンケートをやってます。
    詳しくは、Xのアカウントをご覧ください。
    【シンキラ】恋の向こう側へ【サンプル】「シン、付き合ってくれない? 夏休みの間だけでいいから」
    茹だるような暑さの中、けたたましく鳴くセミの声すら世界から消えてしまったんじゃないかと思うぐらいに、その言葉だけが浮き彫りにされて、シンの耳に入った。
    え、と短い言葉にもなっていない音だけが口から転げ落ちた。
    午前中に終業式を終えて、殆どの者が下校した夏休みの前日。この学園に通う、高校二年のシン・アスカと、高校三年のキラ・ヤマトは学園の隅にある、道場練の裏手にいた。
    日陰に横並びで座ったシンを見ることもなく、目線の先にある青空を見るキラの表情は普段と代わり映えもしない。思わず、自分の聞き間違いじゃないかと思ってしまう。もしくは、連日の暑さでやられてしまったのか。とにもかくにも、自分の聞き間違いだ。そうに決まっている、とシンは口を開いた。
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    乾燥きくらげ

    PAST※六章前に書いたものになります
    イデアと、とある呪われた少女のお話です

    このお話は、ichico様(@sistpen)のイラストとツイートに大変感銘を受け、わがままを言って書かせていただいたものになります。ご快諾くださり、本当にありがとうございました。
    (再公開するにあたり、アカウント記載の御許可を頂いております)

    【含まれる成分】
    オリジナルキャラクター、not監督生、捏造その他もろもろ
    恋を患い猛毒を呑む 彼女となんて、出会わなければよかった。

     首元の煩わしいループタイを取り、それでも抜けない息苦しさからフリルブラウスのボタンも外す。
     ベッドに倒れ込んだ拍子に、握っていた水仙の花束が散らばった。
     青く燃える炎の髪に黄色い花弁が沈んでいるのを、彼は愛おしそうに目を細めて見つめる。

    「そのまま燃えちゃえばいいのに」

     鼻で笑いながら、まだ手に残る花の束をギュッと握った。

     大きな窓の外にはまだ日が差していて、彼はそれから顔を背ける。わざわざ陽当たりのいいこの場所を寝室にと選んだのは自分だというのに、いまはその眩しさが恨めしい。

     その気持ちを汲んでか、わずかに空が翳る。

     青白い腕が何かを探すようにシーツの上を滑った。そこにあるはずだった温もりはなく、手触りの良い冷たい布がただただ彼の指の熱を奪う。
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