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    カップル

    suno_kabeuchi

    TRAININGi7/八乙女楽の誕生日動画を見たモブカップルのはなし
    朱夏に延焼 なにこれ。
     午前0時丁度のこと。彼氏が推しだというアイドルの誕生日動画の衝撃に私は動作らしい動作を忘却した。あまりのことに脳が語彙力を落としてしまったらしい。ついでに認知機能をすべて遮断したらしく目の前の映像を理解することができなかった。情報量がおかしい。疑問符がポーズをキメては脳内で踊り狂っている。ミーム汚染じゃないんだからやめてほしい。
    「ありがとうございますありがとうございます!! 楽さんカッコ良すぎて俺百万回生きたわ」
    「猫かな?」
     動画を最後まで見届けた後に床に突っ伏した彼氏はびくびくと震えて幸せそうである。よかったね。ところでとても人様に見せられない顔してる自覚はあるかな?
     余韻に浸っている彼氏からそっと目を離す。しかし『最強』×『王子様』で筋肉ポーズを取るという発想に至るのはどういうことなのだろう。ムキムキの王子様は存在するだろうし筋肉はカッコいいとも思うが、なぜアイドルにやらせた。この彼氏から聞いている感じ、八乙女楽というかTRIGGERはギャグ路線のキャラではなかったような気がするのだが。少なくとも同じグループの九条天の誕生日動画はひたすらに可愛かったのを覚えている。サポートメンバーという四葉環と御堂虎於がノリノリでやっているところも面白さにジェットパックを搭載して駄目だった。アイドルは詳しくないけど、この三人が抱かれたい男上位勢なのは知っている。そんな男たちに何をやらせていると言うのか。かと思えば王道の『王子様』を突然差し込んでくるので笑えばいいのかときめけばいいのかわからなかった。ひたすらに情報量が多すぎる動画だった。数多の感情が出口で犇めき合っている。推しに押され、最終的に出力されるのは困惑だった模様。残当。そういえば八乙女楽は以前棗巳波の誕生日動画でオタ芸を打っていたことを唐突に思い出した。あれも脳味噌をレンチで殴られたような衝撃だった。その時もこの彼氏は興奮でどうにかなっていた。
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    85_yako_p

    DONE鋭百ワンスアウィーク第45回「ふわふわ」
    バカップルの話なのでなにも考えずに読んでください。(2023/7/23)
    お高いところのポテチはうまい「すごい、ふわふわだ」
     百々人が手に取ったパジャマは柔らかなレモンイエローをした手触りのよいものだった。飼ったこともない愛玩動物を想起させるような温かみのある生地はふわふわとしていて、顔を埋めると気持ちがいい。
     以前秀が仕事でパジャマパーティをしたことがあるのだがそれが思いの外好評だったらしく、プロデューサーから新たに選ばれたメンバーでまたパジャマパーティをすることが決まっていた。百々人はまた年の近い、さらに言えば高校生のメンバーが選ばれると思っていたのだが、メンバーには輝もいるらしい。夜更かしをするなら、と彼がコーヒーを淹れてくれる約束をしたので百々人は楽しみにしているが、苦笑いをする春名と興味のなさそうな漣には輝がひいきにしているセレクトショップでコーラを買ってきてくるそうだ。俺が好きでやることだからと言い張る天道さんにぴぃちゃんが必死に経費で落とすように説得していたっけ。そんなやりとりを思い出しながら、そういえば自分もお菓子を買うなら経費で落とすように言われていたことを百々人は思い出す。若里くんがドーナツを買うなら自分はしょっぱいものがいいか、と自然に決まった役割の中で何もしないつもりの漣のことを考えると何も思わないわけではないが、彼の性格上しっかりと領収書をもらってちゃんと手続きをするとは考えにくいので、ぴぃちゃんや周りの人間の手間暇を考えたらいまのままでいいとも思う。
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライさまよりお題:「バカップル」「たばこ」お借りしました!闇バもでてくる。ルクアロだけどBOND諸君がみんなで仲良く?しています。
    お題:「バカップル」「たばこ」7/16「キスしたときにたばこの味がすると、オトナのキスだな、て感じがするってむかし同級生の女の子が言っていたんだけど」
    「……女とそういう話するのか、意外だな」
    「ハイスクールのときだよ。隣の席の子が付き合いはじめたばかりの年上の彼氏の話をはじめると止まらなくて……それでさ、アーロンはどんな味がした」
    「何」
    「僕とキスをしたとき」
     午后の気怠さのなか、どうでもいい話をしながら、なんとなく唇がふれあって、舌先でつつくように唇を舐めたり、歯で唇をかるく喰んだり、唇と唇をすり合わせて、まるで小鳥が花の蜜を吸うように戯れていた二人は、だんだんとじれったくなってどちらからともなくそのまま深く口吻けをした。そうして白昼堂々、リビングのソファで長い々キスをして、ようやく唇を離したが、離れがたいとばかりに追いかける唇と、舌をのばしてその唇をむかえようとする唇は、いつ果てるともわからぬ情動のまま口吻けをくりかえした。このままではキスだけではすまなくなると思った二人はようやく唇を解いて呼吸を整えた。身体の疼きがおさまってきたそのとき、ルークが意味不明な問答を仕掛けてきた。アーロンは、まだ冷めやらぬ肉体の熱を無理矢理に抑込みながら寝起きでも元気に庭を走りまわる犬のような顔をしたルークの顔をまじまじと見た。
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