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    カリフラワー

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    カリフラワー

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    ルスマヴェ結婚アンソロ寄稿作品その2
    結婚後アンソロに寄稿したものです。
    新婚カップルの惚気に虚無顔になっているフェニをご想像してご覧ください。

    #TGM
    #ルスマヴェ
    rousmavet
    #roosmav

    Interview With The Newlyweds「結婚して変わったこと? なんだろ……」
    「特に何も変わらないよ。ブラッドリーは相変わらずお寝坊さんだし」
    「〝お寝坊さん〟は恥ずかしいからやめて」
    「だってそうだろう? ブラッドリーは変わらず寝るのが好きで、ほんのちょっとだらしない。シャワーを浴びずにベッドに入ろうしたり、なんなら着替えすらしないこともある。明日やればいいでしょ、なんて言うんだよ。電気もつけっぱなしで、だけど注意するとちゃんと反省するから怒れない。……フェニックス、ここだけの話、この子は一人の時も休日には少し気を抜くとこんな感じだったの? 気になってたんだけど、本人がなかなか答えてくれなくてね」
    「ねえ、結婚して変わったことを聞かれてるんだよ」
    「わかってるさ。ちゃんと思い出そうとしてるよ」
    「本当かなぁ」
    「だけど実際、生活は何も変わらないじゃないか。朝は僕の方が起きるのが早いし、身支度も僕が先に終わる。朝ご飯はブラッドリーの方がよく食べる。……朝食だけじゃなく毎回だな。それにお互い一人暮らしが長いから、同棲を始めても家事の分担では揉めなかったし。少し楽にはなったけど、基本やることは変わらないから。ワークアウトも結婚前から二人でやってたよね。この子の方がバテるのが早くて、体力はいつまで経っても僕に追いつかないんだ。いつか追い抜かれると思っていたけど、ブラッドリーの体力も変わらないね」
    「そんなこと言ったらマーヴも変わらないでしょ? 相変わらず俺を坊や扱いしたり、おじさん扱いしたり。都合に合わせて俺を困らせるよね。その姿が可愛いのも付き合ってる間だけだと思ってたけど、結婚しても可愛いまま。だから何も言えない。生活面でもマーヴはずっと同じ。ルーティンに沿った生活が好きで、でもたまにそれを俺に乱されて」
    「覚悟はしてたさ」
    「結婚しても同じを服を着て、同じように車やバイクを愛でて同じ場所をオイルで汚して。手伝ってって言うからガレージに行ったのに、結局全部マーヴがやっちゃったりして。その後マーヴは何も手伝ってない俺に感謝してキス。これも付き合ってた時から変わってない。……おいフェニックス、聞いてんの? 質問したのはそっちだろ」
    「ブラッドリー、彼女だって僕たちの惚気話だけを聞きに我が家に来たわけじゃないさ。ごめんね、フェニックス」
    「でも新婚の俺らに〝結婚して変わったことは?〟なんて聞いたら、そりゃあ惚気話しか出てこないでしょ」
    「生活での変化を話せばいいんだよ」
    「わかってる、それをいきなり〝変化しないこと〟の話題に変えたのはマーヴだよ」
    「……とにかく、変わったことだよね? なんだろうなぁ。結婚した次の日からいきなり変わることって、案外ないのかもね。年の差が縮まるわけでもないし、生活習慣だって良くも悪くも同じだし……。ああ、お互いの性格も相変わらずだよ、二人とも頑固で譲らない。……あれ、荷物が届いたみたい。ちょっと席外すね」
    「フェニックス、コーヒーおかわりいる? ああ、冷めた分は気にしなくていいから。それにしても荷物って何だろな、俺もマーヴも特に何か注文した覚えはないんだけど」
    「ブラッドリー、ちょっと見てくれ!」
    「え? なに?」
    「〝マーヴの優秀な生徒たちより〟……みんなからの結婚のお祝いだよ!〝ミスター・ピート・ミッチェル=ブラッドショー&ミスター・ブラッドリー・ミッチェル=ブラッドショーへ、永遠の絆を願って〟だって。フェニックス、今日届くって知ってたのか」
    「さすがフェニックス、ありがと」
    「ありがとう、すごく嬉しいよ」
    「マーヴ、そのメッセージカードちょっと見せて。……ねえ、あったよ、結婚して変わったこと。ほらここに」
    「ああ……ふふ、本当だ。〝ミッチェル=ブラッドショー〟……大好きな名前を名乗れるようになったんだ。こんな大きな変化を忘れていたなんてね」
    「そんな簡単に忘れないで、一生を共にするものなんだから」
    「今の僕ではブラッドショーと呼ばれても自分のことだと気づけないかも」
    「フェニックス、しばらくマーヴのことは〝ミスター・ブラッドショー〟って呼んでやって」
    「ならブラッドリーのことは〝ミスター・ミッチェル〟と」
    「俺はミッチェルが自分の名前になった自覚あるよ。ずっとその名前が欲しかったからね」
    「ブラッドリー、またフェニックスを置いて喋り始めてるよ」
    「あーごめん、まあとにかくその、結局惚気しか喋ってないけど、」
    「これからも末長く、僕たちをよろしく」
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    Replies from the creator

    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「歌声」
    わかりづらいですが、段落ごとに時間が進んでます。本当にわかりづらいです。反省してます。
    Sing for me 幸せだと感じる時、聞こえてくるのはいつも彼の歌声だった。
     ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。

     繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
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    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/ルスマヴェ/お題「歌声」
    わかりづらいですが、段落ごとに時間が進んでます。本当にわかりづらいです。反省してます。
    Sing for me 幸せだと感じる時、聞こえてくるのはいつも彼の歌声だった。
     ブラッドリーは歌が上手い。ピアノも弾ける。彼の父親もそうだった。二人揃って音楽の才能があった。だけどそれをブラッドリーに伝えると、彼はこう答えた。「俺が親父と違うのは、俺はマーヴを惹きつけるために歌ってるってこと。俺の歌声はマーヴのためにあるの」だから同じにしないで、と彼は笑った。

     繋ぎっぱなしのビデオ通話で、かつて僕たちは会話もせず黙って時間を過ごした。ブラッドリーは料理をして、僕は洗濯物を片付けて。お互い画面なんてあまり見ていなかったと思う。自分が映っているかどうかも気にしていなかった。ただ画面上で繋がってさえいれば、二人の時差も距離も忘れてしまった。時々思い出したように画面を見ると、ブラッドリーはナイフや缶切りを持ったまま、同じタイミングで僕の様子を確認しに来る。そして安心したように微笑み、また画面の前から消える。それを何度か繰り返していると、そのうち彼の歌声が聞こえてくる。
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    カリフラワー

    DONEマ右ワンライ/お題「いい子」「悪い子」
    たまらんくらい最高のお題だったのでどちらも使いました
    帰り支度 思えばブラッドリーは、僕の知る限りずっといい子だった。
     大人の助けが必要なほど幼い頃から、ブラッドリーは他者を助けることに躊躇いがなかった。家の中では着替えを手伝ってもらっていた子が、外では道端でひっくり返った虫を草木がある場所まで戻してやり、公園では転んだ子に駆け寄り、大丈夫かと声をかけた。小さい頃は家族や僕以外には少し内気だった坊やは、転んで落ち込んだその子を控えめな態度で誘い、一緒に遊んで回った。そのうちその子は坊やの友達になり、名前と住所を教え合った。
     学校に通い始めてからも、ブラッドリーは何も変わらなかった。忙しいキャロルに代わって保護者面談に出席すると、先生からは驚くほどよく坊やを褒められた。「クラスメイト同士の喧嘩を止めて、仲直りまでさせたんですよ」また、意地悪されている子がいれば常に一緒に行動し、いじめっ子にも怯むことはなかったという。優しくて強い心を持ち、それを家族や僕以外にも分け与えられる子。先生の話を聞きながら、僕は誇らしさで胸がいっぱいだった。僕が坊やを育てたわけでもないのに、すぐにでも彼をハグしたくてたまらなかった。帰宅してキャロルに報告する間、僕の隣で話を聞いていたブラッドリーは嬉しそうに小さな鼻を膨らませていた。褒められるためにしているわけではなかっただろうが、それでも大人2人に口々に讃えられることは、彼にとっても大きな喜びだったろうと思う。
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