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    ガラ

    調@大人向け他

    PASTご要望いただきながら再々版できなかった一冊目、『とける、ほどける、むすばれる』を期間限定でこちらに再録してみました。
    急ぎ仕事でダーシ等ポイピクに合わせて修正出来ていませんが、このたびはお試しということでご寛恕くださいませ。
    『know,don`t know』『our sleeves,always』(再録)
    『傘ひとつ』(書き下ろし)
    の三本を収録しておりました。お求めありがとうございました!
    とける、ほどける、むすばれる know,don't know
     

     その町は、古い城に見下ろされていた。いつの時代のものとも知れぬ。様式はごた混ぜで、壁は堅牢だが塔は高く天を貫き、大きな窓にステンドグラスは嵌っていない。誰が何のために建てたかも、町民達は知らなかった。
     町にはまた、いわゆる吸血鬼伝説があった。これもいつから囁かれたか、分かるものはいないだろう。生気を喰らい永きを生きる化け物が、城に住まうと言われて久しい。
     国は城を遺跡とし、一切の立ち入りを禁止している。本当のところは誰も知らない。
     
     城の全貌が見晴らせる位置に、大きな親水公園があった。河川や湖の近くにあるようなものではなく、幾多の水路が縦横無尽に走りつくり出されたものだ。町のものには、お堀公園と呼ばれている。
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    Renri_NED

    DONE今更ながらにバレンタインお話。
    現パロかつ大学生設定割に、卿とか言っちゃってます。
    ロイは本来一学年上ですが、一年の時に長期の停学処分を受け留年して、翌年入ってきたミッタマと同学年に。
    パパエンタールは生きておるけれど、ロイは一人暮らし。ミッタマは実家暮し。
    ざっくりそんな設定です。

    恋愛初心者ミッタマと、ミッタマにだけ甘いロイです。
    それでも大丈夫な方は、どうぞ。
    初恋の途中 バレンタインを終えたばかりの冬のある日。冬の冷たい澄んだ空気と、まだ幾許か残る午後のやわらかな日差しの中、俺とロイエンタールは校門までの石畳の並木道を二人で歩いていた。
    四限目の授業が終わり、バイトに向かう生徒やサークル活動に勤しむ生徒が行き交う道は俄に活気づき、見知った顔にも幾度となくすれ違う。
    そんな慌ただしい喧騒の中、俺が声を掛けられないのは隣にいる男のせいだろう。
    オスカー・フォン・ロイエンタール。成績優秀、眉目秀麗で名を馳せ、大学のミスターコンテストでも毎年優勝している美丈夫だ。加えて運動神経もよく、読んで字の通り貴族様でもある。
    本人は名ばかりの下級貴族だというものの、父親はこの国でもそこそこ名の知れた有名投資家で、その財産と言えばかなりのものだ。
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