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    キョン

    オルト

    TRAINING626文字
    ちゃいなのタイカケ
    例によってガチキョンシー
    「お、おー」
    「ん? どうした、カケル」
     川の中を覗き込んで声を上げているカケルに声を掛けるが、カケルは川に夢中でこちらを向こうともしない。手を伸ばそうとしているから、俺は当てて止めに入ろうとした。が、全然間に合わず、カケルの服の袖はぼちゃんと川に入った。
     川の中に何かあるのか?
     カズオは手を突っ込んで、ゆらゆらと動かしている。すぐ近くまで来て俺も池を覗いてみる。
    「あぁ……」
     メダカだ。カケルは一生懸命に手を動かしてメダカに触れようとしている。でも、このまま触ったりしたらダメだ。
    「カケル、だめ」
    「う?」
    「メダカ、掴んだら死んじまう。捕まえたいんなら、そっとやらなきゃ」
    「おー……?」
     わかってるのかわかってないのか、カケルはぽかんとした顔で頷いた。
    「ま……だ、か?」
    「め、だ、か」
    「め……ぇ、も、も、かえ、う」
    「メダカ、持って帰りたいのか?」
    「あー!」
     言いたいことが伝わったのが嬉しいのか、カケルは笑顔で頷いた。まぁ、鉢に入れて買うのはこれからの季節涼し気でいいけど、どうすっかなぁ。捕まえるものも、持って帰る器も何もない。
    「カケル、いったん帰って、捕まえる 658