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    キラキラ

    hico2号

    MOURNING轟出/去年のクリスマス話としてpixiv掲載中の『追ったきらきら、のみこんだ』の直後の時間軸、緑谷君視点ver.です。あちらの話からでないとイミフです💦
    12/17のそばそばで発行した個人誌に書き下ろしとして掲載しています。通販ご利用頂いた方には、お手元に届くより早いweb公開となり、すみません…。奥付ページに入れた、更にその後のオチ?については本のみの掲載なので、併せて見て頂けたら嬉しいです。
    見上げたきらきら、とりこんだ■side: lovers ver. I

     轟くんがかっこいい。
     誰にともなく胸中でそんな惚気を叫んで、出久は両手で顔を覆うとずるずると自室の床に座り込んだ。
     母が夕飯を作ってくれているのは分かっているが、余韻がすごくてまだ顔を出せそうにない。
     目を閉じれば容易に瞼の裏に描ける街のライティング、隣を歩く好きな人の優しい表情。人の視線を気にする出久を慮ってか身体の間で隠すように握られた手のひらの温度。それから、はじめての———
    「—――ッ‼」
     ぼぼっと耳まで赤くして、顔を覆っていた手のひらを口元にずらした。心臓がとび出そうだ。かさついた自分の手が、まだあの感触をありありと思い出せる唇を辿る。
     考え込む時のいつもの癖のように、むに、とそこを指先でつまんで少し落ち込んだ。
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    himmel_blumen

    PAST◆きらきら、金のほしの降る
    3/17春コミの無配だった話です。
    しばらく姿を見せなかった帝統が、久しぶりに幻太郎と顔を合わせて、ある提案をする話。
    過去作「やわくてぬくい、橙の」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21076654)の後の話ですが単独でも読めます。
    きらきら、金のほしの降る 最近、帝統の付き合いが悪い。最初にそう感じたのは、カレンダーを一枚捲って、最後の一枚が日の目を見た頃だった。
     仕事も一区切りつき、午後に少し入った頃。昼食でも取ろうかと思いつつ、一人の食卓を想像するとどうにもしっくりこなくて、よく我が家で食卓についている男にメッセージを送った。
     普段なら、食事をご馳走すると言えば一も二もなく飛んでくる。返事がない時は、ひたすらギャンブルに夢中で連絡に気付いていない時か、ごくごくまれにアルバイトをしている時くらいだ。でもその日は、すぐに返事が来たにもかかわらず、いつもの迷いない同意ではなかった。
    『今ちょっとそっち行けねえから、悪いけどまた今度行く』
     どういう理由でその場を離れられないのか、短い文章からは読み取れない。パチンコかスロットで大当たりの波でも来ているのか。そんな想像をするがどうしても引っかかる。そういう時は大抵素直に状況報告をしてくれていたのに。
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