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    クロル

    緑肌トロール

    MAIKINGコクヨウさんの話。捏造奥さんとの結構な愛の話がある。クロルリ要素がある。コハクちゃんもいる。
    奇跡をそれでも待っていた 酷く惚れた女がいた。強く美しい人だった。

     その人は生きる役目を負っていた。伝統の継承、百物語を永く未来に繋げる。その為に一生、巫女として居続ける。
     子供の頃私はそれを酷く馬鹿らしいと思った。そんな事をする理由が一つも分からなかった。あの人がどうしてそんなものに縛られなければならないのだろう。どうして他のひとの様に、俺の様に生きているだけで良しとされないのだろう。それが許せなかった。そのひとに何故だと問うた。その重荷を奪いたかった。この女の為なら、このひとの幸せの為なら俺はなんでもするつもりだった。
    「それでも、遥か昔から時を超えて今に繋がって来たこの物語を私が終わらせる事は出来ません。それに、私自身もこの物語を繋げて行きたいのです。いつか必ず、この物語は明確な意味を持つ。それは明日かも数千年後かも分からないけれど、それでもその時まで、私も今まで沢山のご先祖様がここまで繋げて来た様に、未来に繋げたい。確かに私の生きる道の選択肢は無かったかもしれないけれど、それでも巫女である事は私にとって幸福な事です」
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