シドニー
abyssdweller_UR
REHABILIシドニー本丸アーモンドカフェ 則宗が庭に降りると重い羽音をたてて白い鳥たちが寄ってきた。きれいとは言えない鳴き声はまるで耳をつんざく絶叫のようで、黄色い冠羽を逆立たせ遠くの街まで届くような音量だった。則宗はそんな騒音に慣れたもので、何事もないように庭に置かれた椅子に座る。すると鳥たちは黒い足を不器用に動かしてヨチヨチ寄ってくるのだ。そのなかでも良く馴れたものは則宗の肩や足などに乗ってくる。それらは則宗の気を引くように、黒く大きな嘴で服を引っ張ったり、器用に動く指で則宗の指などを握っては催促するのだ。目的は則宗が持っているアーモンド。それが欲しくて彼らは人を模した刀にも愛嬌を振りまいている。
この騒がしい本丸にやってきた当初は、則宗もこの状況に驚いた。なにせ見たこともない大きな白い鳥や、派手な色合いの鳥たちが集まってこの世の終わりのように鳴いているのだ。耳を塞いでも突き抜ける声量は到底我慢できるものではないのに、本丸を案内してくれた加州清光などは何も聞こえていないかのように涼しい顔をして、「あんたもそのうち慣れるよ」と笑って言った。慣れるはずないだろうと腹の底で思って数ヶ月、騒がしいことには変わりはないが不思議と気にはならなくなっていた。その頃には短刀たちの真似をして果物や水などをあげるようになり、庭に専用の椅子まで置いたのはつい最近のことだ。
1534この騒がしい本丸にやってきた当初は、則宗もこの状況に驚いた。なにせ見たこともない大きな白い鳥や、派手な色合いの鳥たちが集まってこの世の終わりのように鳴いているのだ。耳を塞いでも突き抜ける声量は到底我慢できるものではないのに、本丸を案内してくれた加州清光などは何も聞こえていないかのように涼しい顔をして、「あんたもそのうち慣れるよ」と笑って言った。慣れるはずないだろうと腹の底で思って数ヶ月、騒がしいことには変わりはないが不思議と気にはならなくなっていた。その頃には短刀たちの真似をして果物や水などをあげるようになり、庭に専用の椅子まで置いたのはつい最近のことだ。
おまち
DONE #1FSシドニー大会の数日前のまこはる。日本を発つ前に欲しいものがあると真琴くんにおねだりするハルちゃんのお話。
※2021年11月イベント配布したノベルティ
※閲覧パスワードはWEBオンリー「24/7」当スペース(う3|shk+)のお品書きをご確認下さい。
#1【まこはる】翔する鳶が鳴くころに.
「本当に良いの、ハル…」
「ああ」
シドニーにへと発つ前の日の夜。
遙は自室のベッドの上で真琴と向かい合っていた。
………そう、パンツ一丁の姿で。
【翔する鳶が鳴くころに】
いや…、正確に言えば、真琴はきちんとパジャマ代わりのスウェットを着込んでいるので、パンツ一丁なのは遙の方だけなのだが…そこはまぁ割とどうでも良いのだ。
来るべきシドニー大会前、日本で過ごす最後の日。
遙は真琴と二人で過ごしていた。
真琴も今日はこのまま遙の部屋に泊まり、明日は遙たちの見送りのために一緒に空港まで来てくれることになっている。
暫く会えなくなる恋人同士が過ごす夜、当然そういうこともする……………ということにはならず、今日はこのまま抱き締めあって眠る予定だ。
3200「本当に良いの、ハル…」
「ああ」
シドニーにへと発つ前の日の夜。
遙は自室のベッドの上で真琴と向かい合っていた。
………そう、パンツ一丁の姿で。
【翔する鳶が鳴くころに】
いや…、正確に言えば、真琴はきちんとパジャマ代わりのスウェットを着込んでいるので、パンツ一丁なのは遙の方だけなのだが…そこはまぁ割とどうでも良いのだ。
来るべきシドニー大会前、日本で過ごす最後の日。
遙は真琴と二人で過ごしていた。
真琴も今日はこのまま遙の部屋に泊まり、明日は遙たちの見送りのために一緒に空港まで来てくれることになっている。
暫く会えなくなる恋人同士が過ごす夜、当然そういうこともする……………ということにはならず、今日はこのまま抱き締めあって眠る予定だ。