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    シャリタツ

    zeppei27

    DONEpkmnハサアオ、ハッサクにもらったカジッチュに途方に暮れるアオキと、二人の馴れ初めの思い出のお話。続きます。

    前作↓の続きですので、まずは前作からどうぞ🙌

    >寿司よ、寿き司れ
    https://formicam.ciao.jp/novel/sushiomoi.html
    寿司と間違えてシャリタツを拾ったアオキがハッサクからカジッチュをもらってしまった話
    リンゴ甘いか酸っぱいか #1 絶望とは、希望をして初めて訪れる。希望に基づく未来への展望が期待を孕み、前を向いたその瞬間に背後から殴りかかってくる代物だ。希望も絶望も、繰り返される既定路線を逸れた場所に存在する。物分かりがいいフリをするのであれば、そもそも余計な希望など持たずに予想範囲内で普通を享受するに越したことはない。別段、それで不幸になるというわけではないし、生きることへの満足は得られるのだから。

     大人になり、社会人生活を長く営むようになったアオキにとって、期待は何よりも自分を裏切るものだった。だから、そもそも期待なんて自他ともにしない。特に人間相手は不確定要素が多く絡みすぎるので要注意だ。普通が一番良い。自分もずいぶん大人になったものだ――そう満足する日々を過ごしていたのは、どうやらただの慢心に過ぎなかったようだ。
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    zeppei27

    DONEシャリタツを拾う話の、ハッサク目線のものです。
    >前作 https://poipiku.com/271957/8081383
     アオキの話の後について考えたことを書こうか迷っていたのですが、ハッサク先生について考えることが多すぎて書きました。そう、ハサアオ、好きなんですよね……情熱と虚無のぶつかり合いと、なんやかや頑固な二人が本気で勝負するところは是非見たいと思っています。人生の勝負はこれから!
    これは寿司ではありません。「小生は猛烈に感゛動゛し゛て゛す゛!!」
    「……違います」

    ポケモンリーグの会議室で、ハッサクは心底感動していた。冷静な声が聞こえたような気がしたが、そんなことよりも目の前の事象を処理することで頭も胸もいっぱいだった。チリ曰くは感情がドラゴン並に激しく揺れやすいという評価であり、美術教師である本職を鑑みても申し分ない性質と言えるだろう。ハッサクは今猛烈に感動していた。この感情の荒波を、キャンバスに描いてコルサに共有したい。

     例えて言うならば、長く丹精込めて育ててきた植物がようやっと蕾を膨らませてくれた、そんな瞬間である。アオキの弁当箱にひっそりと可愛らしく鎮座しているシャリタツのつぶらな瞳が告げている。これは天の啓示だ、祝福だ、自分が教師としてもポケモントレーナーとしても情熱を注いできた結果が実ったのだ!植物をこよなく愛し、芸術として昇華させるコルサも大いに同意するだろう。今すぐにでも写真を撮って送ってやりたい。
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