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    ジラ

    ミトコンドリア

    DONE『心臓の場所が違っただけだった』

    政略結婚して信じられないくらいすれ違う👹🦊(※バドエン)
    鶯は梅に帰らない ア、無理だ。
     遠くを見つめてミスタはスコンと表情を落っことした。その青い視線の先にいるのはひとりの女。彼の夫たるヴォックス・アクマの、数えて三人目の妻になる女である。濡羽色の髪と瞳の美しい人…。
     くるりと踵を返して、部屋まで早足で戻る。苛烈なまでに叩き込まれた礼儀作法と少しの理性でなんとか走ることはしなかったが、それでも脚に絡みつく朱色の着物の裾が バサバサ揺れるのが煩わしかった。裸足の足裏に汗が滲み、板張りの廊下によく滑る。襖を震える手で締めて、ペタンと畳に膝を折った。毒を太い注射針で流し込まれているように脳の奥がジクジク痛んだ。もう駄目だ。
     ミスタとヴォックスの結婚は、いわゆる政略結婚だった。ミスタの父親は出世のためにアクマ家の歴史が、ヴォックスは一族の再興のためリアス家の資金力が欲しかった。しかし、リアス家にはヴォックスと釣り合う年齢の娘はいない。ヴォックスはただリアス家の人間との縁故があればいい。それが男であり、跡継ぎを産めないミスタがヴォックスに嫁いだ理由だ。至極簡単かつありふれた話である。が、アクマ家は、資金という最後のピースを得てヴォックスの悪魔的な手腕によって、この五年足らずで大きく成長した。…三年前にはすでにリアス家の助力を必要としない程度には。なれば、形ばかりの男の嫁など邪魔くさいばかりだ。
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    fjd_94

    PROGRESS去年(⁉︎)のロ誕開催のソファ棺9で公開した話の続きを買いてますが、書いていくうちにネタがもりもり増えてって終わる気配が感じられないので、一旦ここまで。
    「来年の8/7までは誕生日」と唱えながらやってますが、終わるのか…?(自分が一番信じられない
    ロ誕ネタ「我が名は吸血鬼・がっかりプレゼント!」
    「吸血鬼・がっかりプレゼント」
     ロナルドとショットとサテツ、三人の驚いた声が見事に重なった。その大きさに畏怖を感じたのか、目の前の吸血鬼は高らかに笑う。そして、ロナルドを指さして言った。
    「お前は退治人ロナルドだな! ここで会ったが百年目、お前みたいな奴はファンにプレゼントもらいまくってんだろう、くっそ羨ましい! っじゃなくて、くらえっ俺の催眠波!」
    「うるせえっ」
    「ベホァッ」
     ロナルドの怒声と拳を同時にお見舞いされた吸血鬼・がっかりプレゼントはその場で倒れ、即お縄となった。
     殴られた頬を盛大に腫らしながら吸血鬼・がっかりプレゼントは、あっと言う間に捕まったことで開き直ったのか、後ろ手に縛られたまま地面にあぐらをかき、VRCからの搬送車が到着するのを待つ三人の退治人相手に自身の能力を勝手に説明し始めた。
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