スト子
hetarekoala3
PROGRESS自称ジャーナリストの旅人・ラムレスが、ひょんなことからレインコートを着た不気味な子どもと出会う。「ひとを、探してるの」
「……そんで、誰を探してほしいんだ?」
「このこ」
指差したのは、自身の顔。果たしてラムレスと子どもは、子どもの『そっくりさん』を見つけることが出来るのか。そもそも、この子どもは誰なのだろうか。放置する訳にもいかず、ラムレスはこの『人探し』を手伝うことになる。っていう話の冒頭
【新聞記者とかげほうし】(仮タイトル)1
しとどに濡れる街の中。傘を忘れた一人の男が、屋根を探して走っている。
年齢は二十代前半。薄茶のシャツに紺のズボン、ぼろきれのようなコートを羽織っている。貴重品を入れているのだろうか、革製の丈夫なリュックを庇うように抱いていた。
ふと声をかけられる。見ると、街頭の一角に灯った明かりの中から、店員らしき人物が男を呼んでいた。走る様子を見ていたのか、手にバスタオルを持っている。
男は会釈してタオルを受け取り、ぽんぽんと身体中の水分を拭っていく。雨に潰れた帽子からは、薄い紫色の髪がこぼれていた。
「やー参った参った、びしょ濡れだ。宿を探す前だってのに」
つばを上げ、男は店員にウィンクする。
その目は深く鋭い、夜空の色をしていた。
466しとどに濡れる街の中。傘を忘れた一人の男が、屋根を探して走っている。
年齢は二十代前半。薄茶のシャツに紺のズボン、ぼろきれのようなコートを羽織っている。貴重品を入れているのだろうか、革製の丈夫なリュックを庇うように抱いていた。
ふと声をかけられる。見ると、街頭の一角に灯った明かりの中から、店員らしき人物が男を呼んでいた。走る様子を見ていたのか、手にバスタオルを持っている。
男は会釈してタオルを受け取り、ぽんぽんと身体中の水分を拭っていく。雨に潰れた帽子からは、薄い紫色の髪がこぼれていた。
「やー参った参った、びしょ濡れだ。宿を探す前だってのに」
つばを上げ、男は店員にウィンクする。
その目は深く鋭い、夜空の色をしていた。