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    チョコ

    みなも。

    DONE遅刻 バレンタイン学パロ西葡 腐

    恋人らしいことがちょっぴり恥ずかしい西と、チョコを渡したかった葡のはなし。

    だいぶぐちゃぐちゃに終わった(主観)のですが、これはこれで味わい深いか…ということで載せます。
    ノスタルジアと、青と愛。 ――怒らせた。その事実が重く心にのしかかって、体の芯が凍ってしまったように冷たい。必死に息を吸い込んだが、みっともなく喉が震えて、自分の不甲斐なさがひしひしと感じられるだけだった。


     
     
     きっかけは午前のこと。
     
     今日は俗に言うバレンタインデーで、生徒たちは皆多かれ少なかれ浮き足立っていた。楽しそうな彼らにつられて、俺もおどけて「靴箱見たけどスッカラカンやで!張り紙でも貼っとこかな」と言ってみせたりしていたが、正直他人からのチョコなんてどうでもよかった。貰えるとしたら、ただ1人、彼からのそれを期待していた。
     
     同じ教室、友人と談笑する彼のふわふわした笑い声が、やけに鮮明に聞こえる。恋人である彼との関係はあけすけに言いふらしているわけではないので、あまり大っぴらに見せつけるようなことはしないけれど、でも2人仲がいいのは周知の事実だと思う。それはともかく、楽しそうな様子の彼がしている会話が純粋に気になって、それとなく話題に入ると、友人と恋人はどうやらバレンタインデーの話をしていたようで。
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    ruicaonedrow

    PASTグラブルくんで「媚薬入りチョコレート」なるものが公式になったと聞いて
    メイズオブルージュ はっと目を開けたら、そこは、いつもの場所だった。
     いつもの――あぁそれは、例えば、くるくる回るシーリングファンであったり、染みの一つ一つが模様に見えるような木目であったりする見慣れた天井の景色。そうして少しばかり目を横へ遣ったのなら、ベッドの横、ちょうど僕の目線の位置に当たる大きな窓の向こうは、紺色のグラデーションが橙色の世界を連れて、今まさに、世界の果てに沈もうとしているところであった。
     ――あれ……?
     起き上がり、目を擦る……けれど、ぱちぱちと瞬いたところで世界は変わらない。その風景は、やはり、僕の中のそれとは全く噛み合わない。
     確か。それは、朝だったはずだ。柔らかな光が差し込む朝。いつも通りに起き上がった僕は、ぐーっと伸びをして……窓の外を、蒼の世界を流れていく雲と、島々の向こうに見える大きな太陽と、その合間を飛んでいく雁の群れにしばし見とれていたはずだ。遙か向こうにはごま粒のような騎空艇の影が幾つも見えて、……あぁ今日もいつも通りの日が始まるなと、欠伸をかみ殺しながらそう思ったんだ。
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