ドンキホーテ・ドフラミンゴ
mokutanso
TRAINING選定子どもはそんなに好きでもないとディアマンテはつくづく思う。嫌いという程ではないが、相手が年若いだけで庇護心が湧くような生温い情感とは無縁の性質だ。
癇癪玉と鉄砲玉をブレンドしたかのごとき気性の激しい子どもをドフラミンゴが拾い、なし崩しに年少者の入団も認められるようになった当初は困った。
なにせ噂を聞きつけた素質もない子どもが絶え間なくやってくる。上背のあるディアマンテは足元でちょろちょろと動く子どもをゴム毬のように蹴飛ばす事故をよく起こしていた(実際には半分以上が故意だったが)。
ドフラミンゴが博愛主義者でなかったのは幸いと言える。子どもが三日と経たず泣いて逃げようが、不躾な行為のケジメとして大人連中から私刑を受けようが構いやしない。
619癇癪玉と鉄砲玉をブレンドしたかのごとき気性の激しい子どもをドフラミンゴが拾い、なし崩しに年少者の入団も認められるようになった当初は困った。
なにせ噂を聞きつけた素質もない子どもが絶え間なくやってくる。上背のあるディアマンテは足元でちょろちょろと動く子どもをゴム毬のように蹴飛ばす事故をよく起こしていた(実際には半分以上が故意だったが)。
ドフラミンゴが博愛主義者でなかったのは幸いと言える。子どもが三日と経たず泣いて逃げようが、不躾な行為のケジメとして大人連中から私刑を受けようが構いやしない。
mokutanso
TRAINING若の部屋を掃除する幼グラディウスの話です。失態合わせた手と手の間で爆発が起きた。衝撃と痛みにグラディウスは目を白黒させたが、小さな手を決して解かない。
第一に、ここが敬愛する若の部屋だから。掃除の役を任されている身なのに金属の破片をばら撒くわけにはいかない。第二に手の中で四散したイヤリングは、昨夜、若のもとへ訪れた女のものであるのが明白だからだ。
ソファの足元で光ったそれを拾って、眺め、持ち主に思い至ったときにはもう止まらなかった。無意識に発動したパムパムの能力でイヤリングがぷくりと膨れ上がり、反射的に両の掌で包み込んだのである。
やってしまった!
焦りと羞恥、痛みと混乱。能力の制御を難しくさせる感情ばかりが身体の内側で爆ぜる。箒やバケツも放ったらかしのまま、次に取るべき行動を考えつく間も無く、手の中で破片のひとつひとつが再び膨張していく。
510第一に、ここが敬愛する若の部屋だから。掃除の役を任されている身なのに金属の破片をばら撒くわけにはいかない。第二に手の中で四散したイヤリングは、昨夜、若のもとへ訪れた女のものであるのが明白だからだ。
ソファの足元で光ったそれを拾って、眺め、持ち主に思い至ったときにはもう止まらなかった。無意識に発動したパムパムの能力でイヤリングがぷくりと膨れ上がり、反射的に両の掌で包み込んだのである。
やってしまった!
焦りと羞恥、痛みと混乱。能力の制御を難しくさせる感情ばかりが身体の内側で爆ぜる。箒やバケツも放ったらかしのまま、次に取るべき行動を考えつく間も無く、手の中で破片のひとつひとつが再び膨張していく。