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    プチ

    はなねこ

    PROGRESSシャミプチオンリー新刊のおまけ本のサンプルです。ミオリネに生えちゃった猫耳を引っ込めようとするシャディクのおはなしです。
    成人向けですがサンプルは健全パートです(スレちゃんとサビ先生のパートです)
    キャラメリゼキティ 窓から見える空は雲ひとつなく、『天高く』という言葉の通りどこまでも青く澄みきっています。ソアリングをする鳥達さながらに、学校全体が祭りに向かって上昇していくような――ロッカーの内側からも立ち込める熱気とざわめきに、肌がちりちりします。段ボールや模造紙やスプレー缶で埋め尽くされた廊下をえっちらおっちら駆け抜けて、たどりついた保健室。失礼しますと入室の言葉をそえるのも忘れて、わたしはガラリと戸を開けました。
    「サビーナ先生! サビーナ先生、たいへんですっ!」
     保健室の中ほどに置かれた丸テーブルに腰を下ろして、何やら難しそうな書類をまとめていたサビーナ先生が、顔を上げてわたしに視線を向けました。
    「二年三組出席番号三十一番スレッタ・マーキュリー、廊下を走るな……と言いたいところだが、どうやら緊急事態のようだな。君の背中で眠っているのは同年同組出席番号三十六番ミオリネ・レンブランに見えるが……」
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    とらのめ

    DONE番外編後、プチ遠距離恋愛中のハルスグ。スグリ視点。ハルト君は今回出てきません。
    暖かくなる前に出さねばと思ったお正月ネタ。
     つけっぱなしの居間のテレビで、正月番組の合間に天気予報が始まった。ここんとこずっと降ってた雪は今朝には降り止んで、明日の予報は快晴。
     よかった。ほっとして、それから、楽しみだーって気持ちがどんどん湧いてきて、こたつの反対側に入ってるねーちゃんにバレないようにこっそり、足の先っぽのほうだけ揺らしてみる。
     半月くらい前に長い冬休みが始まって、俺はねーちゃんと一緒に、ブルーベリー学園からこのスイリョクタウンに帰省してきた。
     実家に着いて何日か経ったあと、俺たちと同じようにパルデアの実家に帰ってるハルトから、手紙が一通、届いた。ちょっと丸っこくてめんこい形の手書きの文字で、うちの住所と、宛名のところに俺の名前が書かれてて。ハルトってこんな字書くんだなあってなんだか新鮮な気分になりながら、できるだけきれいに封を開けてみたら、中に入ってた便箋いっぱいに、さっきのハルトの字がびっしり並んで書いてあった。丁寧な挨拶から始まって、俺やねーちゃんたちが元気でいるか、風邪ひいたりしてないか心配してくれて、ハルトがパルデアでどんな冬休みを過ごしてるのか、細かく書いてあって。『年が明けたら、スイリョクタウンに遊びに行ってもいいですか? あけましておめでとうって、スグリに会って直接言いたいです』……なんてことも、書いてあった。
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