護り手目覚めているような、夢の中にいるような。意識が不鮮明に揺蕩う不可思議な感覚の中にある。暗黒の血が制御を無くした時も、丁度同じような気分だった。はて、自分は眠っていたのだったか。記憶を探ろうとしてみても、鈍い頭痛が思考の邪魔をしてままならない。
「ロック？」
真横で衣擦れの音がした。名を呼ばれた気がして目線を動かすと視界がぐらぐらと揺れ動き、一気に気分が悪くなる。う、と低く呻いたのは間違いなく自分の声なのだろうが、酷く掠れたそれは誰か他人のもののようだ。
「……ロック、俺がわかる？」
唐突な吐き気を眼を瞑ってやりすごしていると、優しく頬を叩かれた。うっすら瞼を持ち上げると、坊主頭と視線がかち合う。ボックスだ。いつもの勝気な瞳はどこへやら、薄緑の鋭い視線は不安と恐れをないまぜにした見たことのない混乱を浮かべている。

ボクオーンが何かを飲んでいるところにやってきたダンターグ。
変わった香りの茶葉らしく、珍しく気になりまだあるかと尋ねると。

｢お気の毒ですが、これが最後の一杯です｣

残念でしたねと軽めに嘲笑するボクオーンに、ダンターグは彼に近づき身を屈め……

顎に手をやりクイッと持ち上げキスをぶちかました。

｢これで充分だ｣

すぐに解放して、あんま美味くないなとか言いながら立ち去るダンターグ。
しばしの間が空き。
ガタンッと席を立ち、無礼者の後頭部を叩き割る為に棍棒を握り締めダッシュするボクオーンの姿があった。




っていうのを考えた後、ボクオーンの方から｢これで我慢なされよ｣と口づけしてくれるパターンもありかなーとか思っちゃいましてねどっちでも私にはヒャッホーな展開なんですわヒャッホー！！！！！！(うるさい)