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    マーリン

    _yxme

    SPUR MEずっとかきて~と思ってるダヴィンチちゃんとマーリンの比較論文書き出し
    ダヴィンチちゃんとマーリン 星が降ってきた────いや、そう表現するのはあまりに美しすぎる。星といっても凶兆の星だ。それも割りと人類史的には大したことないやつ。

     カルデア最下層の動力炉──プロメテウスの火に異物の感触が流れ込む。
     万能の人レオナルド・ダヴィンチはモナリザには似ても似つかない意地の悪い笑顔を浮かべて望遠鏡を再び覗き込む。そこに降りてきたのは彼の欲情の対象から外れた浮ついた風の男で、これもまた意地の悪い笑顔を浮かべながらプロメテウスの火に薪をくべている。
     それはまるで、仕事に疲れたサラリーマンが週末に妻と子に隠れながら慣れない日曜大工に勤しんでいるみたいだ。

    (怪しい、怪しい、ほんっとに怪しい)

     そして、観測者に気づいたのか、その男(イヤらしいことにこの世のものとは思えない程、顔がいい)はあろうことにか完璧な美に向かって手を振って、ひとさし指を唇に当てた。黙っていろってことか。観測対象をダヴィンチちゃんが選ぶイケメン♡コレクション対象外から、いけ好かない男にランクダウンさせながら頬杖をついた。いけ好かない男は嘲笑うように笑みを深くして更に薪をくべていく。そこに、悪意の類は全く感じられない。どちらかといえば日曜大工が妻に見つかってしまったけれどワンチャン褒めてもらえるのでは? これ娘に作ってるけど今は娘には内緒にしててね、みたいな、なんというか。
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