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    MOURNING服部悪夢合同誌用に書いてたものの伊未の味が強くなってやめた話。ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのパロディ。伊未や、二人の結末に言及あり。こんなの合同誌に載せようと思うな(ほんとうにそう)
    地獄への扉を叩くな 男はタバコに火をつけた。上がる煙の向こうには、鼻筋と唇のはっきりとした女が目をつむったまま横たわっている。
    (見覚えがあり過ぎる) 
     いつか。もう遠い、濃い思い出と自分の名前の重さの隙間。日常、と呼べるものだったかもしれない。男は親友や後輩と予定のない日は、たまにこうやって仕事の疲れか死んだように眠る女を見下ろしながらタバコを吸っていた。
     理由はもう思い出せない。単純に職場から近い女の家を寝床として利用していただけかもしれないし、彼女の子と一緒にニチアサを見るのが楽しかったのかもしれないし、一流のレシピからショートカットしまくった結果形になったもののイマイチ物足りない素人料理を彼女の息子と微妙な顔をしながら食べるのがクセになっていたのかもしれないし、酒の勢いで寝たこの女が思いの外良かったのかもしれないし、単なるきまぐれが長引いただけかもしれない。でも気まぐれというにはあまりに頻繁に女の家に足を運んでいた。男にとっても、女にとっても、子にとっても、男は家を形作る一員だった。
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    SPUR MEずっとかきて~と思ってるダヴィンチちゃんとマーリンの比較論文書き出し
    ダヴィンチちゃんとマーリン 星が降ってきた────いや、そう表現するのはあまりに美しすぎる。星といっても凶兆の星だ。それも割りと人類史的には大したことないやつ。

     カルデア最下層の動力炉──プロメテウスの火に異物の感触が流れ込む。
     万能の人レオナルド・ダヴィンチはモナリザには似ても似つかない意地の悪い笑顔を浮かべて望遠鏡を再び覗き込む。そこに降りてきたのは彼の欲情の対象から外れた浮ついた風の男で、これもまた意地の悪い笑顔を浮かべながらプロメテウスの火に薪をくべている。
     それはまるで、仕事に疲れたサラリーマンが週末に妻と子に隠れながら慣れない日曜大工に勤しんでいるみたいだ。

    (怪しい、怪しい、ほんっとに怪しい)

     そして、観測者に気づいたのか、その男(イヤらしいことにこの世のものとは思えない程、顔がいい)はあろうことにか完璧な美に向かって手を振って、ひとさし指を唇に当てた。黙っていろってことか。観測対象をダヴィンチちゃんが選ぶイケメン♡コレクション対象外から、いけ好かない男にランクダウンさせながら頬杖をついた。いけ好かない男は嘲笑うように笑みを深くして更に薪をくべていく。そこに、悪意の類は全く感じられない。どちらかといえば日曜大工が妻に見つかってしまったけれどワンチャン褒めてもらえるのでは? これ娘に作ってるけど今は娘には内緒にしててね、みたいな、なんというか。
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