Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    一問一答

    karehari

    DONE前作キスディノ(一問一答~)のすき間のフェイスとジュニアの話です
    ※前作中盤の「キースの算段」の話
    ※変なことは書いてないつもりですが、人によっては蛇足かも
    ※CPはキスディノのみ
    ※フェイス19歳
    夜の守り人九つ歳上のメンターが慌ただしく駆けていくのを、リビングでまったりと過ごしていたフェイスはちょっと驚いた様子で見送った。行き先はどうやらバスルームで、顔色は妙に赤い。いつもは持って入らないスマートフォンが防水バッグに詰められ連れていかれているのがフェイスのマゼンタの目に映る。
    推測出来る理由はいくつかある。うち、この場合は急ぐ必要はないだろう、あれならフェイスを見つけて声を掛ける余裕はあるだろう、と頭の中で考えて省いていくと一つが残る。

    「やっとかぁ」

    間延びした声で、隅に箔柄の入った黒い小箱から気に入りのショコラをつまんだ名探偵フェイスがもごもごと呟いた。
    俗な言葉で言ってしまえば、同室に住まうメンター二人、キースとディノはデキている。公言はされていないものの、最近の空気感が明らかにこれまでと違うのだ。距離感はもともと狂っているのであれだが、どうにもこう、ふんわりとした幸せそうな雰囲気が二人を包んでいるようにフェイスには見えていた。分別のある彼らは業務に支障をきたさず、自分やジュニアの前で恋人の振る舞いをすることもない。大人なのだな、と感心するほど。
    7500