Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    勿体無い

    しめさばくん

    MOURNING以前コッソリ書いた綱立 勿体無いので供養「そういえば、綱海さんって煙草吸うんですね」
    「おー。……吸ってみるか?

    手に持っていた一本を差し出されたので、おずおずと口をつけてみる。吸い込んでみた途端にむせ返ってしまった。

    「ゲホ…ッ…!こんなの吸ってて何がいいんですか…?」

    笑いを堪え切れない様子の綱海さんを煙がしみた涙目で睨みつければ、余計に面白がって笑いだした。俺もつられて二人で笑い合う。

    「俺も最初に吸った時はそんな感じだったなあ」
    「最初に吸ったのっていつなんですか?」
    「うーん…高校ん時?」
    「ダメじゃないですか……」

    苦笑した綱海さんは続ける。

    「いやあ、卒業した先輩に吸ってみろって無理矢理持たされてさあ……、そん時は毎日吸うようになるとは思ってなかったな〜。あ、もちろん一日二本ぐらいに抑えてるぜ?タバコのせいでサッカー出来なくなったら嫌だし?」

    ぜひそうしてください、なんて言いながら自分から口付けてみる。舌も入れない学生みたいなキス。抱きついたTシャツからさっきと同じ匂いがする。

    「俺、辛いのは好きですけど苦いのは好きじゃないので」

    そう言うと綱海さんは子供にするみたいな手つきで俺の頭を撫でた。 596