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    国道

    sakikuryo

    REHABILI高杉社長について書きたい咲紅さんはあの川の土手にいっせいに彼岸花が咲く頃、国道にかかるしろい歩道橋の上で認めざるを得なかった変容についての話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943
    社長+ぐだ謎の時空の謎のレイシフトだと思ってふわっと読むことを推奨
    社長+ぐだ
    ぐだの性別はふわっと不問

    ==
     股の下をくぐって大型車が何台も行き来するというのは、ことによると吹っ飛ばされそうな心許無さを感ずるものらしいが、その点、高杉は状況をいくらでも楽しむ度量があった。酔狂と言い換えてもいい。直接触れたわけでもないのに、アスファルトの振動が柱を伝って、片側二車線道路を大きく跨いだ歩行者用の橋を震わせる。
     歩道橋のさびた手摺を掴み、うわあ、と小さく呟いたマスターはと言えば、ワイバーンに追われている時よりも、ともすると、危機感めいたものを横顔に湛えている。おかしなやつだ。高杉はそう思って、しかしふと、よく知っているからこそ怖いこともあるのだろうと思い直した。ピストルを不用意にべたべた触るのはピストルが何なのか知らないからだ。絵巻の中の妖怪にできることだってたかが知れている。高杉にとっては呪いの類よりも刀のほうが、生々しく死を感じさせるものだったし、あるいは畳に敷かれた布団のほうがおぞましく生を鈍らせるものだった。自分より百年か二百年、後の世に生まれたマスターなら、巨大なイソギンチャク以上にお四トントラックが恐ろしいことだってあるのだろう。
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    MAIKING行天とハイシーについて 晩夏の国道ハイシーは四車線の国道沿いを歩いていた。
    とんでもない夏日だ。晩夏の趣きにガソリンをぶちまけ火をつけたような、野蛮な日差しがまほろ市の全てを焦がしていた。
    九月半ばの午後三時半、防災放送が遠くから聞こえる。光化学スモッグ注意報の発令を知らせるそれは熱い空気に溶けて消えていく。
    熱中症に注意を呼びかけるとかじゃないんだな…
    ぼんやり思う間にも汗は流れ落ちてくる。まだすっぴんの目に入りかけたそれを瞬きで弾き飛ばした。
    シルバーの日傘にはデコラティブな刺繍が施されている。ルルの持ち物の中では比較的大人しい色合いをしており、機能性が良いためハイシーも気に入りなのだ。
    今日は借りてきて本当に良かった…
    ルルはまだハナと一緒に部屋で伸びてるのかなあ…帰ったらハナに水浴びさせてあげよう。ついでにルルと私もさっぱりしよう。
    日傘の下で蒸されつつ赤信号の道向こうを眺めると、揺らめく逃げ水の中に見覚えのある背中がある。
    便利屋の多田…の相棒の方だ。もう少し先に多田もいて二人で除草作業中らしい。広い歩道の一部に設えられた花壇は、確かまほろの商店街か何かの組合が管理しているような話を聞いた覚えがあった。
    しか 3023