スズヤのハーブティに睡眠薬を盛った。
理由はひとつ、次の断罪裁判でリツキを勝たせるため。スズヤに証拠品を集めさせないため。
許されることじゃない、スズヤを、友達を裏切るなんて。それでもこの人の、リツキの才能をこんなとこで潰したくなかった。俺以外にもこの人の曲を待ってる人はたくさんいる。
リツキは今だいぶメンタルがやられてる。ここで一人生き残ったとしても、きっとしばらく引きずる。しばらくやめていたリストカットも、寝れないと言って飲んでた睡眠薬も、きっとまた再開してしまう。せっかく最近、落ち着いてきたと思ってたのに。どうして、なんで、リツキがこんな目にあわなきゃいけないんだ。
でも、それでも、この人はどこか図太いから、忘れっぽいとこも多いから、数ヶ月、いや数年かもしれないけど、きっと立ち直れる。もしくは、すぐに気持ちを曲にしてしまう可能性だってある。

あるピアノの過去注意
100%妄想
謎視点
独自設定？
最後の方に神が出てくる&ちょっと喋る


その昔、ヨーロッパのとある国に1人の少年がいたらしい。

少年は母親の弾くピアノの音を聴きながら育った。そして、いつかは自分も母親のように素晴らしい演奏をできるようになりたいと願いながらピアノの練習に励んでいた。

その少年は金持ちな家の生まれだったらしい。10歳の誕生日、少年は親戚からグランドピアノをプレゼントされた。

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そのピアノはイタリア北部のとある工場で造られた。
鍵盤の蓋を開けると、小さめのヒゲが生えているように見えるピアノだった。

一般的なグランドピアノは黒く塗られているが、それは青、というよりかは紺に近い色をしていた。どうやら特注品だったらしい。