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    忸怩くん

    DONE【鋭百】眉見の微体調不良
     乗換を調べてくれているのも、生徒会の議事録に目を通しLINKで修正指示を送っているのも、まっすぐに伸びた背中もいつも通りだ。駅のホームには北風が強く吹き込み耳を切るように過ぎていくため百々人は首をすくめマフラーに埋もれていたが、眉見は意に介さず少し緩めたマフラーから素肌を晒してまっすぐに前を見つめていた。その視線はいつも通りよりももう少し固くて、仕事中の気を張った眉見のままになってしまっているようだ。
     アナウンスが流れると遠く闇の中に眩い光が見え、風と共に電車がホームに滑り込んでくる。ほとんどの座席が空いている中、角席を眉見に譲ると一瞬の躊躇を挟んで小さく礼を言って座り、百々人もその隣にリュックを抱えて座った。こんな時間に都心へ向かう人は少ないのか車内は閑散としており、自分たちの他にははす向かいの角に座った仕事中といったふうの年配の男性だけだ。外とあまり変わらない程度の冷えた車内には、それに抗うよう熱すぎるくらいに足元の暖房ごうごうと音を出しながら膝の裏を熱する。一日ロケをこなしてきた体にはさすがに疲労がたまっているのか、それだけで瞼が落ちて無理やりにでも寝かしつけられてしまいそうだった。隣を見ると夏前の草木を思い起こさせる鮮やかな緑は変わらず揺れることなく据えられている。けれど腿同士くっついたところからは布越しでもわかるほどの熱が伝わってきていた。
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    koko88hoho

    DOODLE自分用に数年前に書いた奴を微妙に手直しして供養
    FG〇のヘ……ールさんとマン………ルドくんがプロレスしてるだけの話   続いての試合は、ヘクトール選手対マンドリカルド選手の試合になります。
    マンドリカルド氏はヘクトール氏の猛烈なファンということで、普段は観客席の最前列から応援を行っているのですが、何でも今回はヘクトール氏側からの指名でマッチングが成立したとのことですね 言うなれば先輩からのかわいがり、といったところでしょうか トロイアの大将軍に対して、マンドリカルド選手がどこまで対抗できるかが見ものです さて、選手の準備も整ったようなので、入場をしていただきましょう 
     ――赤コーナー、180cm、85kg、ヘクトール 
     アナウンスと共に、ヘクトールが入場してくる。観客席に軽く手を振りながら、軽い調子で進む姿には、強ばりや緊張といった雰囲気は全く窺えない。あるがままの自然体である。そのままリングのロープをくぐると、静かにコーナーにもたれ、緩い笑みを浮かべている。下半身はゆったりとした黒緑のロングパンツで隠れているため分からないものの、上半身はゴツゴツとした堅い筋肉で覆われていた。仕上がりは十分、といったところだろうか。
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