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    DONE購買の話その8。 漆間恒の青春。不良にからまれる六田を助ける漆間を助ける水上、海の作った名刺を配る水上、同級生としゃべる漆間。急~に世界観がマガ◯ン。ガラの悪いモブががっつり話す。【漆間さんが突き飛ばされる&馬乗りになられる程度の暴力描写あり】

    次回はとうとうアレを手に入れる水上、カゲとモブ店員、海&天羽の購買訪問。
    よろしくお願いします~。
    六月のパン食い競争 その8清掃活動にご協力ください 放課後のことである。漆間が自転車置き場に向かっていると、裏庭ではしゃぐ男子生徒たちの姿が目にとまる。ボウリングのマネごとをしているようで、金髪男の足元にはピラミッド状に缶が並んでいる。10メートルほど離れた場所から、坊主頭の男が缶めがけて野球ボールを放った。
     ストライク。缶を倒した勢いそのままに、豪速球は花壇にぶつかり宙を舞う。最終的にいくつかの花が下敷きになったが、2人は気にするそぶりもなく、そろって喜びの声を上げた。

    「あ~、遊んだ遊んだ」

     人を見た目で判断してはいけない。判断してはいけないが、彼らが次に取った行動はおおむね漆間の予想通りだった。缶を置き去りにしたまま、トンズラここうとしているではないか。
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    天晴れさん

    DONE小話アーカイブその2。

    カップリング未満の、多分カテゴリー的には新生ひろラハ。推しにラッキースケベをプレゼントしたかったけど余りにも色気がないのでいっそ中学生男子のノリで存分に堪能して貰いました。

    こんなんでも漆黒ひろしになる頃には少しは色気が出てると思う。

    多分。
    ラッキーなんとか紫色の霧がゆらゆらと漂う。妖霧の日のモードゥナは昼間からほの暗く、肌を滑る空気はどこか生々しい冷たさだ。
    こういう日は用事が無ければ出歩くもんじゃない。グ・ラハは二の腕を擦りながら赤色の耳を小刻みに震えさせた。
    「グ・ラハ。ほらよ」
    「んっ?」
    ぱさりと布状の何かを投げて寄越したのは、珍しく出掛けずに天幕で寛いでいる冒険者だ。反射的に空中で掴んだそれを広げてみると、手触りの良い織物で出来た上着だった。
    「余分に作ったは良いんだけど、俺は着なそうでなぁ。良かったらやるよ」
    「え、これあんたが作ったのか」
    グ・ラハが驚きながら見返せば冒険者は「おうよ」と笑ってみせた。そういえば、少し暇ができたから色々と職人ギルドの依頼も受け始めたのだと言っていたか。薄手だが丁寧に仕立て上げられた上着は軽く、なるほどコートやジャケットと違い室内着にも丁度良い。
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    wtiaiiaio

    DONE購買の話その6。王子・当真・水上のパン屋紀行。和気あいあいな3人。宿題に取り組む当真に奇跡が起きる──? またまたしんみり。ボーダーと弁当と家族関係・水上の過去などやっぱり捏造多数。王子→当真の呼び方も捏造しています。

    次回は3-Cに謝罪する水上と漆間関係を書く予定です。よろしくお願いします~。
    六月のパン食い競争 その6店の名は「獲物がかからないなら、こちらから狩りに行こうじゃないか」

     放課後、王子の発案で購買運営元のパン屋へおもむくことになった。学校で春巻きパンが買えないなら店まで行って買えばいい。そういうことである。
     宿題を教わりたいという当真を昇降口で拾い、自転車をこぐこと20分。飲食店街から続く道を一本曲がった先に、その店はある。
     点在するアイボリーの家々に混じってたたずむ、薄茶色の二階建て。店舗兼住宅と思われるそれは、どちらかといえば一般住宅に似たデザインだ。入り口横には『焼きたて』ののぼり旗が立っており、手前の小さなブラックボードにはパンとコーヒーの絵が描いてある。

     それにしても、商売をするにはいささか主張が乏しいのではないか。要は地味、それが商いの町で育った水上の感想だった。だが、周囲の建物と調和した淡いレンガの壁を見つめていると、昼に見た女性店員のおだやかな笑顔を思い出す。これはこれであの人らしい店やなと、水上は考え直した。
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