長屋
まぐろ
DOODLE新刊の表紙が終わりましたが、口吸いは超ド変態行為だと思い込んでいる文が口吸いばっかりの艶本を長屋の屋根裏に隠していてそれがもっと文と口吸いしたい仙に見付かった話(ラブラブえっち)が描きたくなってしまい…mitsu_ame
DOODLE猫を飼っている(またはこれから飼う)人だけが入居できる長屋でひとりといっぴき暮らしをしているくりとんばがだんだん仲良くなる話のどこかです。前後はない。まだぎこちない二人。
猫長屋.
四日間の地方出張を終えて夜、帰宅後靴も脱がずネクタイも解かずキャリーケースを放り、先程入って来たばかりの玄関扉を今度は出て行く。自宅のみっつ隣、外灯の点いた部屋のインターホンを押す。
少々間があって、扉は開いた。
「こ、っんばんわ」
「あぁ。……上がってくれ」
声のひっくり返った挨拶に変な顔ひとつせず(いいひとだ)出迎えてくれたご近所さん――大俱利伽羅は、室内へと国広を促した。自室と同じ、僅かな玄関の土間スペースと、居住スペースへと繋がる階段。「お邪魔します」と小さく言って、先を行く大俱利伽羅の後に続いた。
「ミケ」
愛猫の名前が挙がる。
「いいこにしてたぞ」
やわらかい声。お世辞というか、建前というか、そういうものだとしても有り難かった。
1533四日間の地方出張を終えて夜、帰宅後靴も脱がずネクタイも解かずキャリーケースを放り、先程入って来たばかりの玄関扉を今度は出て行く。自宅のみっつ隣、外灯の点いた部屋のインターホンを押す。
少々間があって、扉は開いた。
「こ、っんばんわ」
「あぁ。……上がってくれ」
声のひっくり返った挨拶に変な顔ひとつせず(いいひとだ)出迎えてくれたご近所さん――大俱利伽羅は、室内へと国広を促した。自室と同じ、僅かな玄関の土間スペースと、居住スペースへと繋がる階段。「お邪魔します」と小さく言って、先を行く大俱利伽羅の後に続いた。
「ミケ」
愛猫の名前が挙がる。
「いいこにしてたぞ」
やわらかい声。お世辞というか、建前というか、そういうものだとしても有り難かった。
爆死人間
DONE一のい・山姥切国広(特)ウェブ小説アンソロジー「長屋で暮らす刀剣男士」企画開催おめでとうございます!
戦場と羊 休暇だからと自堕落な生活をすることにも飽きてしまった山姥切国広は、甚だ不本意なことに、近頃はもっぱら健康を志向した暮らしをしている。
朝の八時には勝手に目が覚めて起床し、おもむろに身を起こすと二回まばたきをする。込み上げるあくびを勢いのままに口から吐き出し、軽く身を捩ってこきりと骨を鳴らす。それから布団を出ると、きちんと三つ折りにして押入れに仕舞い、着替えを済ませて階段を降りる。これらが彼の日常である。ルーティンと言っても過言ではない。
一階に降りて床のフローリングを踏むと、晴れた日には顔を上げた先々で朝日がひどく眩しい。それもそのはず、カーテンがひとつも無いのだ。ここへ入った当初に買いそびれてそのままだった。そういう点では、未だに彼は非常にものぐさであると言える。ただ、玄関横の窓にだけは覆いがあった。なんとなくで始めたグリーンカーテンだ。外に置いたプランターから、日々、にょきりにょきりとヘチマが伸びて絡まって、今や立派なカーテンとなっている。
1734朝の八時には勝手に目が覚めて起床し、おもむろに身を起こすと二回まばたきをする。込み上げるあくびを勢いのままに口から吐き出し、軽く身を捩ってこきりと骨を鳴らす。それから布団を出ると、きちんと三つ折りにして押入れに仕舞い、着替えを済ませて階段を降りる。これらが彼の日常である。ルーティンと言っても過言ではない。
一階に降りて床のフローリングを踏むと、晴れた日には顔を上げた先々で朝日がひどく眩しい。それもそのはず、カーテンがひとつも無いのだ。ここへ入った当初に買いそびれてそのままだった。そういう点では、未だに彼は非常にものぐさであると言える。ただ、玄関横の窓にだけは覆いがあった。なんとなくで始めたグリーンカーテンだ。外に置いたプランターから、日々、にょきりにょきりとヘチマが伸びて絡まって、今や立派なカーテンとなっている。