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    黒猫

    nbsk_pk

    DOODLE転生現パロ記憶あり。博が黒猫で花屋の炎さんに飼われている。博猫さんは毛づくろいが下手すぎてもしゃもしゃにされたのを自力で戻せないので、原因にブラッシングを要求しました
    ねことのせいかつ いくら朝から店を閉めているとはいえ、生花という生き物相手の職業であるためやらなければならない作業は多い。ましてや今回の臨時休業の理由は台風、取引先各所への連絡から店舗周辺の点検と補強までひと通り終わらせたときには、すでに窓の外にはどんよりとした黒い雲が広がり始めていた。


    「ドクター?」
     店の奥にある居住スペースの扉を開けても、いつものようにのたのたと走り来る小さな姿はない。しん、とした家の気配に嫌な予感を募らせたエンカクがやや乱暴な足取りでリビングへと駆け込んだとして、一体誰が笑うというのだろう。なにせあのちっぽけな黒猫はその運動神経の悪さに反して脱走だけは得手ときている。植物や薬剤をかじらないだけの聡明さはあるというのに、頑として水仕事で荒れた手のひらで撫でられねば一歩も動かないと主張する小さな生き物に、どれだけエンカクが手を焼いたことか。だがエンカクの心配をよそに、雨戸を閉めた仄暗い部屋の中で黒猫はあっさりと見つかった。キッチンの出窓、はめ殺しの小さな窓には雨戸もカーテンもないため、今にも落ちてきそうなほどの暗雲がよく見て取れた。自身が抱いているものを安堵とは決して認めないものの、やや歩調を緩めたエンカクは窓の外をじっと見つめたまま動かない黒猫の背にそっと立つ。
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    うたこ

    DONE異層の魔法使いたちと黒猫のカーニバル展示その2
    アポ兄とヴァカ隊長がデートするお話です。それだけの話です。オペレーション・ホリデーの後らへん。
    Just a little monopolize 兄が取材を受けたという話は聞いていたのでエリュマでヴァッカリオは酒を買うついでにその雑誌も買った。これは、兄とは絶縁状態にあった頃からの習慣だ。職場で開くのはちょっと抵抗のある雑誌だが、店長(あだ名)相手なら気にせず買える。彼とはいろいろお互い様の関係なので。
     店内のイートインコーナーに腰掛けて、買ったばかりの缶のプルトップを開ける。雑誌を開くと女性向けのファッション誌で、アポロンⅥ以外に載っている男性は若手の俳優ばかりだった。
    「なんでこれで浮かないのかねぇ」
     パラパラと雑誌をめくっていく。
     一日密着取材、と銘打ったその記事は確かに兄の一日を追ったものだった。決まった時間に起きてトレーニングをし、栄養面を考慮した食事を短時間で済ませて、始業開始時間より早めに出勤して、ヴィランが出れば陣頭指揮をとって自らも出動。紙面を飾る写真はどれも凜々しく、キラキラと輝いている。意外にもポーズをとったような写真はなく、本当に仕事中を撮っている写真ばかり。きっとこのカメラマンはアポロンⅥのファンだ。どの写真も良い。
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