2018
mctk2kamo10
DOODLE今は亡きえむすての恒常SSRたけるチェ前これもどーせ2018年とかだよ何年前?考えたくない
兄弟を思い出すタケルの話 彼がこちらを見ていないときがある。どこか遠くを、目で追いかけて、そしてふっと伏せる。次に顔を上げればその顔はいつも通りの「大河タケル」で、自分たちは、深く尋ねることができないまま、もう何年も隣にいる。
例えば、買い出しの途中の商店街。
例えば、ロケ先に向かう新幹線の中。
例えば、ライブ中の観客席。
大河タケルが、アイドルではなく、いつかの「お兄ちゃん」に戻る瞬間はいつでも存在して、こちらが声をかけるまでもなく彼はアイドルの大河タケルに帰ってくる。
そうして振り返って、また前を向いたタケルに自分はなんと言っていいのかわからなくて(わかりたくもないのかもしれない)、いつも名前を呼んで、話題を逸らして、おしまいだ。
903例えば、買い出しの途中の商店街。
例えば、ロケ先に向かう新幹線の中。
例えば、ライブ中の観客席。
大河タケルが、アイドルではなく、いつかの「お兄ちゃん」に戻る瞬間はいつでも存在して、こちらが声をかけるまでもなく彼はアイドルの大河タケルに帰ってくる。
そうして振り返って、また前を向いたタケルに自分はなんと言っていいのかわからなくて(わかりたくもないのかもしれない)、いつも名前を呼んで、話題を逸らして、おしまいだ。
mctk2kamo10
DOODLE2018/07/01……2018年?
光へ!注意書き
・エムマスとエムステごちゃまぜ設定(マス中心。ステの設定はタケルの網膜剥離だけ)
・年取るアイドル(開始時点でタケル20、漣21、道流27)
・割とよく喋るプロデューサー
ざっくり言えばくっつかない道タケが牙崎漣に振り回されてる話です。
--- * ---
新曲のジャケットには炎を写し込んで「THE虎牙道らしい」ものにしましょう、とは、プロデューサーの案だった。もうすぐデビューCDの発売日、つまり三周年。その記念日に被せて発売する予定だから、原点に立ち返ろうということだ。確かに獣や炎と言った単語は活動初期に大切にしてきたイメージコンセプトで、二つ返事でタケルと道流は了承し、漣は「なんでもいい、それよりダンスは今までで一番激しいやつを寄越せ」といつも通りの文句を述べた。
68852・エムマスとエムステごちゃまぜ設定(マス中心。ステの設定はタケルの網膜剥離だけ)
・年取るアイドル(開始時点でタケル20、漣21、道流27)
・割とよく喋るプロデューサー
ざっくり言えばくっつかない道タケが牙崎漣に振り回されてる話です。
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新曲のジャケットには炎を写し込んで「THE虎牙道らしい」ものにしましょう、とは、プロデューサーの案だった。もうすぐデビューCDの発売日、つまり三周年。その記念日に被せて発売する予定だから、原点に立ち返ろうということだ。確かに獣や炎と言った単語は活動初期に大切にしてきたイメージコンセプトで、二つ返事でタケルと道流は了承し、漣は「なんでもいい、それよりダンスは今までで一番激しいやつを寄越せ」といつも通りの文句を述べた。
tobiuobito
PAST「きみのとなりで」2018年に発行しましたクミバル本のweb再録です。奥付等は省いています。
お手に取って下さった皆様ありがとうございました。
なお在庫をboothにて通販しておりますので、気になった方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。→https://mizutamarib.booth.pm/items/1017490 16
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MEMO【簡易設定資料】(四コマ作画:2018年)オリジナルロボ娘
ピサンとブルーベル
の簡易設定資料です。
特にピサンはメインでストーリー漫画とスピンオフ四コマを描いたこともあるので、思い入れが深くて気に入っているロボ娘ちゃんです。後すこぶる描きやすい。初期はもうちょっと脚が長かったんですが最近では2頭身と化しています。
2、3枚目はロボ娘達の生い立ち、
5枚目からはピサンが組織脱出後のお話 7
akarizaki
DONETOB ライフィセットエアスケブありがとうございました!
私の知るライフィセットはレイズやテイフェスぐらいなのですが、
可愛らしいけど聡明で冒険好きというイメージです。
テイフェス2018のジーニアスとのインディグネイションがかっこいい…
kou1146
DONE虎伏が出会って仲良くなって別れた2018年の夏と、死滅回游後の2019年の夏の話。2022年夏時点の本誌の情報で描いております故、原作の内容と齟齬がありますが、何卒ご容赦ください。
順次更新します…完成版は支部に掲載予定です。
4/30→22~31P追加 おわり! 31
シフォン
MOURNING端末内最古の弟(デジタル初描き?)恐らく2018年頃のイラスト。
2020/3/7 かべうち投稿分。
この絵は元々アナログの絵をデジタルで描き直したものです(この頃はアイビス未使用)。体歪んでるし、影はしっかり塗れてない&薄いし、首は長いし、顔は四角いし…もう泣きたくなるくらい下手ですね。供養としてUP。
kuroto
MENU【サンプル】君と過ごす日 その3初代アイラチェの小説本です。
2018年~2022年に書いてWEBに上げた小話を集めた再録本です。(一部書きおろしあり)
日常や甘めや切なめなど、全21話。
★2022/7/24 21時ごろ 頒布予定
https://pictspace.net/cloudchaser15
※金額は予定です。
※画像内で目次はカラー表示していますが、実際の本は表紙以外モノクロ印 7
kuroto
MENU【サンプル】午後十時にベランダで初代ブリサンの小説本です。
2018年~2022年に書いてWEBに上げた小話を集めた再録本です。(一部書きおろしあり)
ほのぼのからそこそこシリアスめまで、全12話。
★2022/7/24 21時ごろ 頒布予定
https://pictspace.net/cloudchaser15
※金額は予定です。
※画像内で目次はカラー表示していますが、実際の本は表紙以外 5
JitoOkami
DOODLEハンクとコナーで海外ドラマ風デトロイトを書こうとした形跡を発掘しました。肝心なところ書いてない上、殆ど台詞だけですが、良ろしければ雰囲気だけでもお楽しみください。
…メモ帳更新日、2018年7月4日だって。
プレイして結構すぐのネタだったっぽいです。
レッドアイス特別捜査官鈍い打撃音
飛び散るブルーブラッド
「ストレートだ」
「残念。フルハウス」
「っだぁ嘘だろ行けただろ今のは!!」
「そんなこと言われても。でも惜しかったですね」
「結局俺はポーカーでもお前の凄え演算能力には勝てねえってことかよ。データ少佐だって無双じゃなかったってのに」
「僕だってそう変わんないし、計算はあんま関係ないですよ。筋はいいんですけど何か賭けると邪念が入るタイプですよねハンクは」
「慰めにもならん言葉をありがとよポーカーフェイス君」
「じゃあ、僕の勝ちですので約束通り一緒に例のアイスクリーム屋に一緒に行きますよ。ほらさっさと仕度して」
「いくらなんでも却下だ。おっさん2人でいけるかあんなとこ」
「おっさん2人だから良いんだと思いますが」
1925飛び散るブルーブラッド
「ストレートだ」
「残念。フルハウス」
「っだぁ嘘だろ行けただろ今のは!!」
「そんなこと言われても。でも惜しかったですね」
「結局俺はポーカーでもお前の凄え演算能力には勝てねえってことかよ。データ少佐だって無双じゃなかったってのに」
「僕だってそう変わんないし、計算はあんま関係ないですよ。筋はいいんですけど何か賭けると邪念が入るタイプですよねハンクは」
「慰めにもならん言葉をありがとよポーカーフェイス君」
「じゃあ、僕の勝ちですので約束通り一緒に例のアイスクリーム屋に一緒に行きますよ。ほらさっさと仕度して」
「いくらなんでも却下だ。おっさん2人でいけるかあんなとこ」
「おっさん2人だから良いんだと思いますが」
tts_mm_cn
TRAINING背景を頑張ろうと思って描いたやつ。資料の107ページくらいの廊下を元にしてます一枚目は人有り
二枚目は背景のみ
三枚目は頑張って描いたのに結合するときに潰れに潰れた扉の線画です!!!!供養!!!!
資料、買ってよかった。本質的な意味で理解できるかどうかは別として、この作品の事を知りたい欲が強いのです。 3
🥗/swr
DONE2018/09/14 過去作投稿---
7話中盤ごろ。
モルスの断崖へ向かう途中の巨神獣船で会話するレックスとメレフの話です。
※カップリング要素はありません。
Elpis太古の時からアルストの中心にそびえ立つ世界樹は、その日も変わることなく清廉なる翠玉色の光輪を纏っていた。千切れた雲の切れ間から煌々と輝く月は白い。それと共に満天の星が空を彩っていたある真夜中、死の名を持つ断崖へと向け進路を進めるスペルビアの巨神獣船のデッキの上には、黙したまま世界樹を見つめている少年の姿があった。
「――レックス?どうした、こんな時間に」
ぬるい微風に吹かれているその少年の名を呼んだのは、祖国の皇帝から勅命を受け彼の旅に同道していたスペルビア特別執権官、メレフ・ラハットだった。
「メレフ……?」
名を呼ばれたレックスは、声のする方へと体を振り向けた。金の瞳が空を彩る淡い光を映して僅かに煌めいた。
1929「――レックス?どうした、こんな時間に」
ぬるい微風に吹かれているその少年の名を呼んだのは、祖国の皇帝から勅命を受け彼の旅に同道していたスペルビア特別執権官、メレフ・ラハットだった。
「メレフ……?」
名を呼ばれたレックスは、声のする方へと体を振り向けた。金の瞳が空を彩る淡い光を映して僅かに煌めいた。
🥗/swr
DONE2018/06/12 過去作投稿---
エンディング後、一緒に旅行に行く計画を立ているメレフとカグツチの話。
七話、八話のドライバーとブレイドについての会話内容を含みます。
夢の話→『傲慢たる揺らめきは』
約束の話→『救恤の極光の下で』
いつかの憧憬「……それで、今度の休暇はどこへ行く?」
メレフは執務用の机上に積まれた書類の束に目を通しながら、少し離れたところでてきぱきと明日の支度をしているカグツチに声をかけた。カグツチは手を止めずにふいとメレフへと顔を向け、軽く微笑みを返す。
「メレフ様の向かわれたい場所でよろしいのでは?」
「それに悩んでいるから尋ねているんだろう」
そのカグツチの返答にメレフは書類から顔を上げ、少し困ったように笑いながらカグツチに返した。そのメレフの表情を見て、カグツチもクスクスと笑う。
「ふふ、失礼致しました」
メレフは手にしていた書類を机上に置いた。長時間酷使していた目を休めるようにその瞳を閉じ、一つため息をつく。
「カグツチはどこか行きたい場所はあるか?」
3944メレフは執務用の机上に積まれた書類の束に目を通しながら、少し離れたところでてきぱきと明日の支度をしているカグツチに声をかけた。カグツチは手を止めずにふいとメレフへと顔を向け、軽く微笑みを返す。
「メレフ様の向かわれたい場所でよろしいのでは?」
「それに悩んでいるから尋ねているんだろう」
そのカグツチの返答にメレフは書類から顔を上げ、少し困ったように笑いながらカグツチに返した。そのメレフの表情を見て、カグツチもクスクスと笑う。
「ふふ、失礼致しました」
メレフは手にしていた書類を机上に置いた。長時間酷使していた目を休めるようにその瞳を閉じ、一つため息をつく。
「カグツチはどこか行きたい場所はあるか?」
🥗/swr
DONE2018/05/06 過去作投稿---
エンディング後、インヴィディアとスペルビア間で祝宴が催されたという設定の話。
カグメレというよりメレカグっぽい話です。
以前書いた『Peafowl』より少し前の時間軸イメージですが、『Peafowl』を読んでなくてもお読みいただけます。
やや後ろ暗いです。(2022/07/07)
あなたにふさわしいひと「……やはりこのような格好は慣れないな」
やや覚束ない足取りで歩いていたメレフが、居心地悪そうにぼやいた。はぁとため息をついて立ち止まり、高いヒールの靴を履いた己の脚先を伸ばして眺めているメレフの元に、カグツチが歩み寄る。
「脚が痛みますか?」
そう言ってメレフの肩にそっと手をかける。伸ばされた脚先に視線をやると、その踵あたりがやや赤くなっているのが見えた。
「そうだな……少し。さっさと着替えてしまいたいよ」
メレフはそう返すと爪先を眺めるのをやめ、一つ苦笑を見せて再び歩き始めた。その彼女をカグツチも追う。
その日はインヴィディアの賓客を招いての盛大な祝宴が催されたのだ。祝宴はインヴィディアとの正式な国交回復を記念して行われたものだった。生まれ変わった世界では以前では考えられなかったようなことが次々と起こっていた。大昔から犬猿の仲で小競り合いばかりを続けてきたインヴィディアとスペルビアも、空前絶後のアルストの危機を乗り越えた今では共に手を取り合い歩み寄る姿勢を持とうという考えが広まりつつあった。
4473やや覚束ない足取りで歩いていたメレフが、居心地悪そうにぼやいた。はぁとため息をついて立ち止まり、高いヒールの靴を履いた己の脚先を伸ばして眺めているメレフの元に、カグツチが歩み寄る。
「脚が痛みますか?」
そう言ってメレフの肩にそっと手をかける。伸ばされた脚先に視線をやると、その踵あたりがやや赤くなっているのが見えた。
「そうだな……少し。さっさと着替えてしまいたいよ」
メレフはそう返すと爪先を眺めるのをやめ、一つ苦笑を見せて再び歩き始めた。その彼女をカグツチも追う。
その日はインヴィディアの賓客を招いての盛大な祝宴が催されたのだ。祝宴はインヴィディアとの正式な国交回復を記念して行われたものだった。生まれ変わった世界では以前では考えられなかったようなことが次々と起こっていた。大昔から犬猿の仲で小競り合いばかりを続けてきたインヴィディアとスペルビアも、空前絶後のアルストの危機を乗り越えた今では共に手を取り合い歩み寄る姿勢を持とうという考えが広まりつつあった。
🥗/swr
DONE2018/04/21 過去作投稿---
第6話でゲンブの頭に向かっていた時のジークとサイカの話。
過去に二人はゲンブの頭に行ったことがあるという捏造があります。(2022/07/07)
嘘の中の真「──たく、何でこないに王都から離れたけったいな場所にあんねん」
銀髪の少年は深い雪に覆われた大地を踏みしめながら不満げにぼやいた。
「そないなことウチに訊かれてもなあ……。ご先祖様に言いや」
その声に返すのは、短い緑髪の少女の姿をしたブレイド。サイカは降り積もった雪に足を取られないよう注意しつつ、ちらりと少年を見やった。少年は慣れた足取りで自分の前をさっさと進んでゆく。肉体を得てまだ一年も経っていないブレイドと、生まれた時から雪と氷に覆われた大地で過ごしてきた少年とでは、さすがに歩む速度が違っていた。
だが少年──ジークは突然くるりと振り返った。
「サイカ」
手のひらを差し出す。サイカがその手を握ると、それをぐいと強く引っ張った。
4543銀髪の少年は深い雪に覆われた大地を踏みしめながら不満げにぼやいた。
「そないなことウチに訊かれてもなあ……。ご先祖様に言いや」
その声に返すのは、短い緑髪の少女の姿をしたブレイド。サイカは降り積もった雪に足を取られないよう注意しつつ、ちらりと少年を見やった。少年は慣れた足取りで自分の前をさっさと進んでゆく。肉体を得てまだ一年も経っていないブレイドと、生まれた時から雪と氷に覆われた大地で過ごしてきた少年とでは、さすがに歩む速度が違っていた。
だが少年──ジークは突然くるりと振り返った。
「サイカ」
手のひらを差し出す。サイカがその手を握ると、それをぐいと強く引っ張った。
🥗/swr
DONE2018/04/02 過去作投稿---
エキスパンションパスの追加クエスト第2弾「星降る夜に」を元にした話です。
選択肢は①メレフ、②カグツチという想定です。(2022/07/07)
救恤の極光の下で「……ただ今戻りました、メレフ様」
リベラリタス島嶼群、イヤサキ村。星空にオーロラの煌きが広がっている、ある夜の事であった。
恋人にプロポーズをするため、レックス一行に手助けを求めた依頼人の様子をレックスと共に見届けて戻ってきたカグツチは、一足先にコルレル宅へ帰っていたうちの一人である主人の名を呼びその扉を開いた。
「ああ、カグツチ。どうだった?」
名を呼ばれたメレフは顔を上げ、己のブレイドへと向き直る。就寝の準備をしていたのだろう、彼女は普段の重厚な軍服から質素なシャツへと着替えていた。帽子の中にきっちりと収められていた黒髪も解かれ、ゆるく背中へと下ろされている。
カグツチは見届けた結末をごく淡々と告げた。
2334リベラリタス島嶼群、イヤサキ村。星空にオーロラの煌きが広がっている、ある夜の事であった。
恋人にプロポーズをするため、レックス一行に手助けを求めた依頼人の様子をレックスと共に見届けて戻ってきたカグツチは、一足先にコルレル宅へ帰っていたうちの一人である主人の名を呼びその扉を開いた。
「ああ、カグツチ。どうだった?」
名を呼ばれたメレフは顔を上げ、己のブレイドへと向き直る。就寝の準備をしていたのだろう、彼女は普段の重厚な軍服から質素なシャツへと着替えていた。帽子の中にきっちりと収められていた黒髪も解かれ、ゆるく背中へと下ろされている。
カグツチは見届けた結末をごく淡々と告げた。
🥗/swr
DONE2018/03/27 過去作投稿---
旅が始まる前のメレフとネフェルの話です。※カップリング要素はありません。(2022/07/07)
従姉と従弟「──はっ!……たあっ!」
日暮れどきの、ハーダシャル訓練場。乾いた空気の広間に、剣戟の音が響いている。
そこにいたのはスペルビア帝国特別執権官──メレフ・ラハットと、スペルビア帝国皇帝──ネフェル・エル・スペルビアであった。
メレフは眼前の細身の少年の振る太刀を、きん、きん、と軽くいなしながら指示を出す。
「陛下、もう少し踏み込んで下さい。動きに迷いがございます」
「っ……はい、──せや!」
ネフェルは先程より少しばかり身体を乗り出し、再び太刀をメレフへと繰り出した。メレフはそれをいとも容易く躱す。ネフェルの息は切れかけていて、少し肩が揺れていた。一方のメレフはというと、武器を振るっていない時とさして変わらぬような風で、疲れなど一欠片も見えていなかった。
2595日暮れどきの、ハーダシャル訓練場。乾いた空気の広間に、剣戟の音が響いている。
そこにいたのはスペルビア帝国特別執権官──メレフ・ラハットと、スペルビア帝国皇帝──ネフェル・エル・スペルビアであった。
メレフは眼前の細身の少年の振る太刀を、きん、きん、と軽くいなしながら指示を出す。
「陛下、もう少し踏み込んで下さい。動きに迷いがございます」
「っ……はい、──せや!」
ネフェルは先程より少しばかり身体を乗り出し、再び太刀をメレフへと繰り出した。メレフはそれをいとも容易く躱す。ネフェルの息は切れかけていて、少し肩が揺れていた。一方のメレフはというと、武器を振るっていない時とさして変わらぬような風で、疲れなど一欠片も見えていなかった。
🥗/swr
DONE2018/03/25 過去作投稿『Peafowl』収録(書き下ろし)
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レックスたちとの冒険を終えて帝国で忙しい日々を送っていたメレフが、とある選択を迫られる話。(2022/07/07)
Peafowlアルストが楽園へと変生して数カ月。
新たなる大地を手にした世界は未だ慌ただしく、アルストの国々では様々な法や制度の導入や整備、また新天地に関する条約締結が進められているところであった。
そんな中、アルストに現存していた内では最も歴史が古く先進国でもあったスペルビアの動きは早く、彼の国は新たなアルストの中で一番に地位と安定を得ようとしつつあった。
そうして帝国軍内にも少しずつ落ち着きが取り戻されかけていた、ある日の早朝のことだった。メレフ・ラハットはとある元老院議員から招集を受け、彼の待つ執務室へと向かった。そして、そこである『未来』を提示された。
「……その件は以前もお断りしたはずですが」
メレフは相手の言葉に僅かな不快の色を示した。だが彼女を呼びつけた初老の議員は、そんな彼女の機嫌取りでもするかのように、宥めすかすような声色で言葉を続けた。
12538新たなる大地を手にした世界は未だ慌ただしく、アルストの国々では様々な法や制度の導入や整備、また新天地に関する条約締結が進められているところであった。
そんな中、アルストに現存していた内では最も歴史が古く先進国でもあったスペルビアの動きは早く、彼の国は新たなアルストの中で一番に地位と安定を得ようとしつつあった。
そうして帝国軍内にも少しずつ落ち着きが取り戻されかけていた、ある日の早朝のことだった。メレフ・ラハットはとある元老院議員から招集を受け、彼の待つ執務室へと向かった。そして、そこである『未来』を提示された。
「……その件は以前もお断りしたはずですが」
メレフは相手の言葉に僅かな不快の色を示した。だが彼女を呼びつけた初老の議員は、そんな彼女の機嫌取りでもするかのように、宥めすかすような声色で言葉を続けた。
🥗/swr
DONE2018/02/04 過去作投稿『Peafowl』収録
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カグツチの短剣の話です。
カグメレです。
9話以降の時間を想定しています。KOS-MOS Re:のクエストに関する内容がほんの少しだけ登場します。(2022/07/07)
鷲獅子の剣スペルビア帝国、皇宮ハーダシャル。KOS-MOS Re:と共に暴走した人工ブレイドを排除するためにその地を訪れたレックス一行は、ジークの従姪であるアステルの要望によりモルスの地へと向かうことになった。
様々な危険が伴うモルスの地へ向かうため、メレフはスペルビア軍の船を手配した。急な手配のためその日すぐに出発とは行かず、モルスの地へ出発するのは明日の朝となることを兵士から伝えられたメレフとカグツチは、皆にその旨を報告するため皇宮の門前に待機していたレックス一行の元へ向かった。
「……ったく、すまんな。アステルの我儘に付き合わせてもうて」
「まあ、気にしないで。とりあえず、今日は皆もう休んで、明日また改めて皇宮の軍港へ向かいましょう」
3429様々な危険が伴うモルスの地へ向かうため、メレフはスペルビア軍の船を手配した。急な手配のためその日すぐに出発とは行かず、モルスの地へ出発するのは明日の朝となることを兵士から伝えられたメレフとカグツチは、皆にその旨を報告するため皇宮の門前に待機していたレックス一行の元へ向かった。
「……ったく、すまんな。アステルの我儘に付き合わせてもうて」
「まあ、気にしないで。とりあえず、今日は皆もう休んで、明日また改めて皇宮の軍港へ向かいましょう」
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DONE2018/02/03 過去作投稿『Peafowl』収録
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8話で分断されていた仲間達の、メレフ側の話です。
カグメレです。「少年の瞳」と同じ頃の話ですが、これだけ読んで頂いても問題ないかと思います。(2022/07/07)
業の地にて「――ねえ皆、ちょっと歩きづめだし、そろそろ休憩しない?」
瓦礫塗れのモルスの地。そこを進む一行の一人であるニアが声を上げた。
モルスの断崖から落下し分断されたメレフ達は、苦心しつつもお互いを探し出し、その半数ほどが合流を果たしたところだった。残り半数の仲間も見つけ出すため歩みを進めていた一行だったが、皆ニアの提案に同意すると、それぞれ思い思いの場所で体を休め始めた。
メレフもまた崩れた壁に身体を預け、ふうと一つため息をついた。休息を取ることで、疲労で回りきっていなかった思考にようやく余裕が生まれてきたメレフは、自分達の現状、そしてひとまずの目標について考えを巡らせた。
自分達はモルスの断崖から落下し、この地に辿り着いた。遠くで吹き上がる気流が幸いしたのか、自分を含めて仲間は皆五体満足であり、命に関わる重傷も負っていない。
6146瓦礫塗れのモルスの地。そこを進む一行の一人であるニアが声を上げた。
モルスの断崖から落下し分断されたメレフ達は、苦心しつつもお互いを探し出し、その半数ほどが合流を果たしたところだった。残り半数の仲間も見つけ出すため歩みを進めていた一行だったが、皆ニアの提案に同意すると、それぞれ思い思いの場所で体を休め始めた。
メレフもまた崩れた壁に身体を預け、ふうと一つため息をついた。休息を取ることで、疲労で回りきっていなかった思考にようやく余裕が生まれてきたメレフは、自分達の現状、そしてひとまずの目標について考えを巡らせた。
自分達はモルスの断崖から落下し、この地に辿り着いた。遠くで吹き上がる気流が幸いしたのか、自分を含めて仲間は皆五体満足であり、命に関わる重傷も負っていない。