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    niesugiyasio

    DONE無配(2025/2/9)の再録です。既刊の音楽家パロ『ヴィルトゥオーゾ』後日談と原作軸のクロスオーバーとなります。指揮者のエルヴィンが道みたいなとこでエレンに遭遇して別世界のリヴァイと会います。別世界のエルリはそれぞれ別CPという想定でそのあたりはクロスオーバーしないです。長生きした兵長と104期たちの話なども含みます。
    From the New Worldそれはまったく突然の事だった。至近に雷でも落ちたかのような光に包まれ、視界からは色も形も失われた。強すぎる光に私自身もまた同化したかのようだった。束の間、すべての感覚を喪い、無に帰す。
    気づけば私は地面に倒れ伏していた。椅子に掛け、机に広げた総譜に書き込みをしていたはずだが、何もない。手にしていたペンも無くなってしまった。着の身着のまま、野外に放り出されている。
    「エルヴィン……団長?」
    団長と呼ばれることはないが、楽団長をそう呼ぶ場合もあるのだろうかと惑いつつ体を起こす。青年が一人立っている。
    「メフィストフェレス?」
    「いや、そんな名前じゃないですけど」
    「すまない。取り組んでいた仕事の影響だ。劇中の登場人物の名を口にしたまでで、決して君を悪魔のようだと言ったわけではない」
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    lyra_m

    DONE2/9猫寵の無配でした!ハッピーバレンタイン🌸🌸
    そうだ、告白をしよう! そうだ、猫殺しくんに告白をしよう。
     山姥切長義がそう決意したのは、修行から帰還して三日が経った日のことだった。何かきっかけがあったわけではない。ただ今日は帰還してから初の非番で、のんびりと自室のこたつに入って寛ぎながら、目の前の該当刃物――南泉一文字を眺めるうちに、そんな気分になったのだ。〝決意した〟というよりは、〝思いついた〟に近いのかもしれない。
     
    「……にゃんだよ。オレの顔になんかついてっかぁ?」
     思案を脳裏で転がしながらじぃと見つめる長義に気づいて、南泉は居心地が悪そうな顔をした。いや別に、と返しながらも考える。……告白をすることで、果たして二人の間に何が訪れるのか。

     実のところ、わざわざ告白などという形を作って行動せずとも、長義は彼への感情を隠したことなど一度もなかった。いつだって言葉でもって好意を表明してきたし、行動にも移してきた。例えば今二人が温まっているこたつだって南泉が部屋に来てくれるよう長義が自費で購入したもので、その際にも〝こたつを買うから俺の部屋に遊びに来るといい〟と、直球で伝えている。その好意が本音だとわかっているからこそ南泉も遠慮せず、長義の部屋に入り浸っているのだろう。……それでも改めて、告白をしようと思いついたのは。
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