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    90

    歩/零

    自主練洋三ワンドロワンライ 5/18「ケーキ/カレンダー/留守電」

    高校生×大学生
    ※水戸の家庭環境および誕生日を3月あたりに捏造しています
    ※90年でも96年でもどちらでも
    Aセクな感じで書こうと思ったはずなのに、ただの初めて恋を知った少年になってしまった
    ※何でも許せる方

    遅ればせながらHBD
    バイトを終えて帰宅した水戸はいつも通り居間の電気をつけた。居間といってもワンルームなので他にあるのは狭い台所と風呂トイレだけだ。高校に上がると同時に始めた一人暮らしは自分だけの城で、バイトへ行く前と何一つ変わらず水戸を迎えた。
    少し前からの癖でちらりと壁にかけられたカレンダーを見やる。どこかの会社の名前が入った貰い物のシンプルなそれは色味も物も少ない部屋に馴染んでいる。何もかもが見慣れたいつも通りの自室の中、カレンダーにつけられた赤丸だけが浮いていて、視界に捉えるたびにそわそわとした。



    そもそもこれを書き込んだのは水戸ではない。
    前回水戸の部屋に三井が来ていた時のことだ。進学した大学でもバスケを続けている三井だが、その日は体育館の点検だか学校の何だったかで(要は忘れた)部活が休みになり、突然湘北のバスケ部に顔を出した。習慣で友人たちと見学をしていた水戸は、せっかく休みなのにバスケしてたら休みにならねえじゃん、と心の中だけで笑いながら後輩たちと楽しそうにプレイしている三井を眺めていた。
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    ann

    らくがきしぶにもあげた【90年代、少年み増し、全部ふわふわ捏造、ただの後輩先輩距離感】のよみつ。ちょっと手直しした。こういうのを繰り返して、ここからどうなるのか、というのが好き
      雨が降り出すであろう兆しに、スンッと鼻を鳴らし向かい風を吸い込んだ。雨の匂いというのは、植物の油の匂いだと、昔教えてもらったことがある。それが本当かどうか調べるすべを当時の水戸は持ち得なかったが、小雨の気配を感じる度にふと思い返している。
     バイクを走らせながら、まだ日の高いはずの西の空に目を向けると、どんよりと沈んだ雲が広がっているのが見えた。重い一雨が来そうだ。そんな小さな予感が、今の水戸の心をいっそう憂うつにさせた。

     先ほどまで従事していたバイト先での出来事を思い返す。どうにもうまく立ちいかない日だった。
     水戸がレジでお釣りを手渡していたとき、商品の陳列をしていた新人が酒瓶を割ってしまったのだ。床がアルコールと瓶の破片でひどい有様になっていた。怪我はないか、と尋ねても慌てふためき[[rb:覚束 > おぼつか]]ない返答をする後輩──実際には水戸よりも年上だが──。その狼狽具合に叱責を浴びせる気にもならず、水戸は床の清掃を肩代わりして、レジの仕事を託した。用具入れからモップとちりとり、それから使い古された雑巾を手に取り、酒棚の横に黄色いサインスタンドを立てた。無心でフロアを片付けていく。平日の昼過ぎ、昼食用の弁当などを買いにくる団体がはけ、客の少ない時間帯に入っていたことがせめてもの救いだった。
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    masu_oekaki8810

    できた副題はCrystal Kayです。90年代縛りは無理でした。

    これにてハピエン…!ということでお願いします。
    7回分、3万字以上も読んでいただきありがとうございました。

    エクボを出せなかった…残念…
    (というかエクボ出してみたんですが話がややこしくなったのでやめました。)
    彼は茂夫の親友なので、今回はあえて口出しせず、遠くから見守ってた…ということで。

    左右曖昧、年齢操作、捏造色々。
    君と暮らせたら(恋におちたら) 夢を見た。

     師匠が小学生で、僕は今と同じ大人のままで相談所にいる。
     ドア開けて入ってきた小さい師匠が、初対面の僕に言いにくそうに相談する。

    「俺、ウソつきなんだ。本当のことを言ったら相手が怒ったり傷ついたりするなら、ウソを言ったほうが皆にとって得だと思ってウソつくんだけど、なんでかウソをつくと自分のことがだんだん嫌いになってくし、周りの人も遠くに感じる。俺、それが怖いんだ」

     師匠が悩んでる。この小さな体で、一人で悩みを抱えてるんだと思うとなんとかしてあげなきゃという気持ちで一杯になる。
     でも口を開いても言葉が出てこない。
     師匠が僕に言ってくれたような救いになる言葉をかけてあげたいのに…
     パクパクと口を必死で動かしてると、小さな師匠がため息をついて帰ろうとする。
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