TF
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチのホワイトデーネタ。TF主くんがルチのためにクッキーを作る話。ホワイトデー 端末の画面を点灯させると、僕はキッチンの調理台を見下ろした。生活感のほとんど感じられないその場所には、ズラリとお菓子の材料が並べられている。手元のモニターに映し出されているのは、初心者向けに解説されたクッキーのレシピだった。僕がこれから作ろうとしている、ホワイトデーのお返しになるものである。
大きく深呼吸をすると、僕は端末を台の隅に置いた。上着の袖を二の腕まで上げると、ずり落ちないように輪ゴムで止める。調理器具の収まった棚から引っ張り出したのは、デジタル式の小さなはかりだった。お菓子作りには正確性が重要だと聞いて、奥の方から引っ張り出してきたのである。
はかりの上にボウルを乗せると、一番に薄力粉の袋を手に取った。慎重に袋の口を開けると、少しずつボウルの上に流し込んでいく。一気に入れると出しすぎてしまいそうだから、ここは少しずつ計るのが得策だろう。なんとか粉を量り終えると、今度は砂糖を手に取った。
5694大きく深呼吸をすると、僕は端末を台の隅に置いた。上着の袖を二の腕まで上げると、ずり落ちないように輪ゴムで止める。調理器具の収まった棚から引っ張り出したのは、デジタル式の小さなはかりだった。お菓子作りには正確性が重要だと聞いて、奥の方から引っ張り出してきたのである。
はかりの上にボウルを乗せると、一番に薄力粉の袋を手に取った。慎重に袋の口を開けると、少しずつボウルの上に流し込んでいく。一気に入れると出しすぎてしまいそうだから、ここは少しずつ計るのが得策だろう。なんとか粉を量り終えると、今度は砂糖を手に取った。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。ルチが『虫除け』という言葉の意味を知る話。虫除け「なあ、この『虫除け』ってのは、いったいどういう意味なんだよ」
ある日の夜、僕がシンクで食器を洗っていると、不意にルチアーノがそう言った。手を止めて彼の方へと視線を向けると、ソファに座る後ろ姿が見える。前に向けられた視線の先には、つけっぱなしのテレビが置かれていた。何を言われたのか理解できなくて、僕は間抜けな声を上げてしまった。
「え?」
「だから、言葉の意味を聞いてるんだよ。こいつらが言ってる『虫除け』ってのは、いったいどういう意味なんだ?」
真っ直ぐにテレビを見つめたまま、ルチアーノは淡々と言葉を続ける。彼が向ける視線の先には、ゴールデンタイムのバラエティ番組が映っていた。何かのインタビュー映像らしく、若い男女が話している。食器を置いて水を止めると、僕は彼の近くへと歩み寄った。
6387ある日の夜、僕がシンクで食器を洗っていると、不意にルチアーノがそう言った。手を止めて彼の方へと視線を向けると、ソファに座る後ろ姿が見える。前に向けられた視線の先には、つけっぱなしのテレビが置かれていた。何を言われたのか理解できなくて、僕は間抜けな声を上げてしまった。
「え?」
「だから、言葉の意味を聞いてるんだよ。こいつらが言ってる『虫除け』ってのは、いったいどういう意味なんだ?」
真っ直ぐにテレビを見つめたまま、ルチアーノは淡々と言葉を続ける。彼が向ける視線の先には、ゴールデンタイムのバラエティ番組が映っていた。何かのインタビュー映像らしく、若い男女が話している。食器を置いて水を止めると、僕は彼の近くへと歩み寄った。
Ebinoe2017
DONEきょうの作品()過去に裏垢に放りなげてたので茶を濁す
じーわん光波とぬいぐるみ 人間というこの生物、特に雌においては触れ合いが重要な意味を持つらしい。現に私が指先で撫でると顔を緩ませて中枢器官の拍動もとても落ち着く。こちらも悪い気持ちはしないためいつまでもこうしていたいものだがサイバトロンでの仕事が山積みなためそうはいかない。指先を離すと彼女は切なげに目を瞬かせるが引き留めようとはしなかった。彼女は私の立場を理解しているのだ。なんといじらしい。
「...何か欲しいものはあるか」
いつも私を待ち続けるこの人間の健気さを労ってやろうと聞いてみた。
『この星にあるかわからないけど、紫の布と、綿と針が欲しいかな。裁縫セットがあればもっといいけど。』
「どうしてそんなものを?」
『そ、それは...』
954「...何か欲しいものはあるか」
いつも私を待ち続けるこの人間の健気さを労ってやろうと聞いてみた。
『この星にあるかわからないけど、紫の布と、綿と針が欲しいかな。裁縫セットがあればもっといいけど。』
「どうしてそんなものを?」
『そ、それは...』
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。以前に上げたテキストの続きです。ルチがTF主くんに怒ってるだけの話。待ちぼうけ 続き その夜、手早く風呂を済ませると、僕は青年の待つリビングへと向かった。わざと足音を立てながら近づくと、彼の座るソファの背後で足を止める。少しだけ間を空けるのは、込み上げる怒りを押さえつけるためだ。しかし、そこまでして平静を装おうとしても、僕の声は冷たくなってしまった。
「上がったよ」
「うん…………ありがとう」
ソファの向こうから返ってくる返事も、様子を探るようなぎこちないものだった。僕が本気で怒っているから、どうしていいのか分からなくなっているのだろう。元はと言えば彼に原因があるのに、この男は全く自覚していないのだ。あの時の焦りを思い出して、またしても羞恥と怒りが込み上げてくる。
踵を返してソファに背を向けると、僕は足早にリビングを出た。足音を立てながら移動すると、彼の部屋のベッドに腰を下ろす。僕の様子を窺っているのか、彼は少し間を空けてから部屋に入ってきた。恐る恐る室内を覗き込むと、早足でタンスの引き出しを開ける。
3517「上がったよ」
「うん…………ありがとう」
ソファの向こうから返ってくる返事も、様子を探るようなぎこちないものだった。僕が本気で怒っているから、どうしていいのか分からなくなっているのだろう。元はと言えば彼に原因があるのに、この男は全く自覚していないのだ。あの時の焦りを思い出して、またしても羞恥と怒りが込み上げてくる。
踵を返してソファに背を向けると、僕は足早にリビングを出た。足音を立てながら移動すると、彼の部屋のベッドに腰を下ろす。僕の様子を窺っているのか、彼は少し間を空けてから部屋に入ってきた。恐る恐る室内を覗き込むと、早足でタンスの引き出しを開ける。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチへのお土産にいちご大福を買う話。いちご大福 ショッピングビルの一階に降りると、フロアの隅に人が集まっているのが見えた。通路を通り抜けていく人々が、同じ場所で足を止めている。彼らが視線を向けているのは、机を二つ並べただけの販売スペースだ。隣に立つポールにくくりつけられた旗には、墨で書いたようなフォントで店名が印刷されている。
人の流れに釣られるように、僕はそのスペースへと近づいていった。学校にあるような細長い机には、色とりどりの和菓子が並んでいる。シンプルな白い大福が並べられたトレイもあれば、どら焼きや羊羹が並ぶショーケースも取り付けられている。お花見の季節が近づいているからか、桜餅やお団子のコーナーもあった。
人の間をすり抜けて前に出ると、僕はショーケースの中身を吟味する。せっかく買い物に来ているのだから、お土産を買っていくのもいいと思ったのだ。店内のポップを見る限り、このお店はなかなかに有名店らしい。それに、専門店の和菓子を食べる機会なんて、口実ができたときくらいしかないのだ。
4389人の流れに釣られるように、僕はそのスペースへと近づいていった。学校にあるような細長い机には、色とりどりの和菓子が並んでいる。シンプルな白い大福が並べられたトレイもあれば、どら焼きや羊羹が並ぶショーケースも取り付けられている。お花見の季節が近づいているからか、桜餅やお団子のコーナーもあった。
人の間をすり抜けて前に出ると、僕はショーケースの中身を吟味する。せっかく買い物に来ているのだから、お土産を買っていくのもいいと思ったのだ。店内のポップを見る限り、このお店はなかなかに有名店らしい。それに、専門店の和菓子を食べる機会なんて、口実ができたときくらいしかないのだ。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんの帰りを待つルチが退屈したり心配したりする話。待ちぼうけ「明日から、しばらく家を開けるからな」
部屋の電気を消し、並んで布団の中に潜り込んだ後に、僕は小さな声でそう言った。背後に迫っていた青年の気配が、少しの間だけ動きを止める。僕の身体へと伸ばされていた腕が、ずるずると音を立てながら後ろに下がった。
「そうなんだ。ルチアーノは大変だね」
何気ない態度を装いながら、彼は無難な言葉を返す。声色に探るような仕草が混ざっているのは、どう答えていいのか分からないからだろう。僕が家を開けると告げる時は、大抵が任務に向かう時なのだ。そして、その任務の内容というのは、彼にとって嬉しいことではないはずである。
「僕がいないと、君は寂しくなるだろうね。まあ、今回は二日だけだから、そこまで寂しい思いはさせないよ」
4721部屋の電気を消し、並んで布団の中に潜り込んだ後に、僕は小さな声でそう言った。背後に迫っていた青年の気配が、少しの間だけ動きを止める。僕の身体へと伸ばされていた腕が、ずるずると音を立てながら後ろに下がった。
「そうなんだ。ルチアーノは大変だね」
何気ない態度を装いながら、彼は無難な言葉を返す。声色に探るような仕草が混ざっているのは、どう答えていいのか分からないからだろう。僕が家を開けると告げる時は、大抵が任務に向かう時なのだ。そして、その任務の内容というのは、彼にとって嬉しいことではないはずである。
「僕がいないと、君は寂しくなるだろうね。まあ、今回は二日だけだから、そこまで寂しい思いはさせないよ」
ゆりぺん
PAST2007~2011年頃に描いてた実写TF擬人化絵を発掘して懐かしくなったのでそっとUP🤤拙い&㌢さんのお爺ちゃん度が足りてないけど、今に繋がる性癖をちょっと感じて…毛先に髪飾りとか付けまくってた…そして赤髭…。ツインズはWEB拍手用に置いてた思い出。 2流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチへのファンレターを仲介する話。文使い その日、シティ中央に位置する繁華街は、たくさんの人で溢れていた。歩道にはひっきりなしに人が行き交い、すり抜けられるような隙間もない。ようやく人のまばらな場所を見つけたと思ったら、キッチンカーの列にぶつかったりするのだ。歩道を歩くことを諦めた人々は、車道の隅を歩いているくらいである。僕は特に人込みが苦手だから、何度もぶつかりそうになってしまった。
なんとか人混みを抜けて横道に入ると、僕は大きく息をついた。ずっと人間の気迫に圧倒されていて、息が苦しくなっていたのだ。何のイベントも無い日でさえこのような感じだから、休日の繁華街というものは恐ろしい。ルチアーノを連れてこなくてよかったと、心の底から思ったくらいだ。
3844なんとか人混みを抜けて横道に入ると、僕は大きく息をついた。ずっと人間の気迫に圧倒されていて、息が苦しくなっていたのだ。何のイベントも無い日でさえこのような感じだから、休日の繁華街というものは恐ろしい。ルチアーノを連れてこなくてよかったと、心の底から思ったくらいだ。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチのバレンタイン、TF主くん視点です。バレンタイン TF主 バレンタインの季節が来ると、僕の心は浮き足立つ。恋人たちの祭典とも称されるこの日は、僕にとっても特別なイベントだったのだ。普段は贈り物などほとんどしないルチアーノが、僕のためにチョコレートを用意してくれる。それも、自身の技術力を誇るかのように、手作りのものを持ってきてくれるのだ。
そんなこともあって、毎年二月を過ぎた頃には、僕はお祭り気分になっていた。ルチアーノからチョコをもらうことだけを楽しみに、日々の暮らしを送っているくらいである。もちろん、シティのショッピングビルやデパートで開催される販売イベントも見逃せない。インターネットで配信されるカタログを眺めながら、どんなチョコレートを買おうかと悩んでいた。
4374そんなこともあって、毎年二月を過ぎた頃には、僕はお祭り気分になっていた。ルチアーノからチョコをもらうことだけを楽しみに、日々の暮らしを送っているくらいである。もちろん、シティのショッピングビルやデパートで開催される販売イベントも見逃せない。インターネットで配信されるカタログを眺めながら、どんなチョコレートを買おうかと悩んでいた。
むらきち黎人
DONE250130 バニーのメガさんオプ不在だけど、うちのオプメガの概念なのでオプメガだと言い張ります
擬人化ではなく、巨大ロボそのままバニーコスして巨大人参抱えてます、好きな人だけ見てください 2
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチのバレンタインネタです。ルチがTF主くんにチョコを渡す話。バレンタイン ルチ 正月の喧騒が終わり、売れ残りの品が片付けられると、世間はバレンタインの季節を迎える。町には赤やピンクのポップが貼り出され、スーパーにはチョコレートが並ぶのだ。一月も後半を迎える頃には、ショッピングビルやデパートなどを中心に、チョコレートの販売イベントまで始まる。それは色恋へのアプローチという枠を超えて、人々のちょっとした贅沢へと変わりつつあるらしい。
実を言うと、僕はこの季節が苦手だった。神の代行者として産み出された僕にとって、人間の色恋などどうでもいい事だったのだ。愛だの恋だの語ってはいるものの、結局はただの繁殖欲求である。そんな話を永遠と聞かせられたら、無関係な者は嫌にもなるだろう。
しかし、僕がバレンタインを厭んでいるのは、それだけが理由ではなかった。この浮かれに浮かれた人類の催しは、僕にとっても無関係ではなくなったのである。仮にも人間と恋人関係になったからには、相手に贈り物をするべきだろう。特別な日の贈り物になるのだから、神の代行者としての威厳を保ったものにしなければならない。
4020実を言うと、僕はこの季節が苦手だった。神の代行者として産み出された僕にとって、人間の色恋などどうでもいい事だったのだ。愛だの恋だの語ってはいるものの、結局はただの繁殖欲求である。そんな話を永遠と聞かせられたら、無関係な者は嫌にもなるだろう。
しかし、僕がバレンタインを厭んでいるのは、それだけが理由ではなかった。この浮かれに浮かれた人類の催しは、僕にとっても無関係ではなくなったのである。仮にも人間と恋人関係になったからには、相手に贈り物をするべきだろう。特別な日の贈り物になるのだから、神の代行者としての威厳を保ったものにしなければならない。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんを狙う組織の敵を警戒していたルチが物理で倒す話。油断 商店街の路地裏に足を踏み入れる時、ルチアーノは決まって周囲を警戒する。僕よりも一歩前に出ると、素早く左右を見渡すのだ。そうして周囲の安全を確認すると、再び僕の後ろに戻ってくるのである。
そんなルチアーノの姿を見ていると、僕は疑問に思うことがある。彼は常日頃から、僕の身の安全について気にしすぎているのではないだろうか。いくらイリアステルの宿敵だと言っても、路上で一般人を狙うような真似はしないだろう。僕はそう伝えるのだが、彼は簡単には納得しなかった。
「分かってないな。僕たちを狙ってくるやようなつらは、まともな思考回路なんて持ってないんだよ。人生のどん底まで落とされて、僕たちを始末すれば全てが好転すると思ってるやつらばかりなんだ。君だって丸腰で歩いてたら、後ろから刺されて死ぬかもしれないぜ」
3568そんなルチアーノの姿を見ていると、僕は疑問に思うことがある。彼は常日頃から、僕の身の安全について気にしすぎているのではないだろうか。いくらイリアステルの宿敵だと言っても、路上で一般人を狙うような真似はしないだろう。僕はそう伝えるのだが、彼は簡単には納得しなかった。
「分かってないな。僕たちを狙ってくるやようなつらは、まともな思考回路なんて持ってないんだよ。人生のどん底まで落とされて、僕たちを始末すれば全てが好転すると思ってるやつらばかりなんだ。君だって丸腰で歩いてたら、後ろから刺されて死ぬかもしれないぜ」
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチに不貞を疑われてお仕置きされる話。噂 休日のショッピングモールは、どこも人で溢れていた。流れる人混みをすり抜けながら、僕はエスカレーターの前へと移動する。もちろん、僕が目指しているのは、専門店街にあるおもちゃ屋さんだ。子供が行き交うフロアを横切りながら、隅に配置された店舗へと向かう。
ようやく辿り着いた店内も、子供の姿で溢れていた。ぶつからないように気を付けながら、僕はお店の奥へと向かう。壁を覆うように作られたエリアに、デュエルモンスターズのパックが並べられている。購入用の台紙を手に取ると、僕はレジへと向かった。
「こちらは、いくつ必要ですか?」
「一箱お願いします」
「かしこまりました。購入特典のパックをお付けしますね」
短い会話を交わすと、店員さんはレジの奥に向かった。ボックスの並んだ棚に視線を向けると、一番左にあった箱を手に取る。僕の元に歩み寄ると、手にしたボックスをこちらに見せた。
6053ようやく辿り着いた店内も、子供の姿で溢れていた。ぶつからないように気を付けながら、僕はお店の奥へと向かう。壁を覆うように作られたエリアに、デュエルモンスターズのパックが並べられている。購入用の台紙を手に取ると、僕はレジへと向かった。
「こちらは、いくつ必要ですか?」
「一箱お願いします」
「かしこまりました。購入特典のパックをお付けしますね」
短い会話を交わすと、店員さんはレジの奥に向かった。ボックスの並んだ棚に視線を向けると、一番左にあった箱を手に取る。僕の元に歩み寄ると、手にしたボックスをこちらに見せた。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。アキさんにおすすめされたハンドクリームを買うTF主くんと、ハンドクリームの花の香りを香水と勘違いするルチの話。ハンドクリーム 冬になると、人間の身体は乾燥しやすくなる。関節は皮膚がガサガサになるし、手の甲は皮がひび割れてしまうのだ。指は皮が捲れてささくれができ、ひどい時には出血することもある。予防として毎日ハンドクリームを塗っているが、あまり効果は見られなかった。
そうなってくると、ひとつ困ることがある。手が乾燥してしまうと、デュエルに支障が出てきてしまうのだ。上手くカードを捲れなかったり、プロテクターの入れ換えに手間取ったりする。指から血が出ている時などは、ディスクやプロテクターを汚してしまう危険だってあった。
その日も、僕の手にはささくれができていた。最もよく動かす右手の親指に、長さ数ミリの縦線が入っていたのだ。まだ血が出るほど深くはなかったが、皮の奥が僅かに露出している。気を付けておかないと、すぐに傷が深くなりそうな様子だった。
7405そうなってくると、ひとつ困ることがある。手が乾燥してしまうと、デュエルに支障が出てきてしまうのだ。上手くカードを捲れなかったり、プロテクターの入れ換えに手間取ったりする。指から血が出ている時などは、ディスクやプロテクターを汚してしまう危険だってあった。
その日も、僕の手にはささくれができていた。最もよく動かす右手の親指に、長さ数ミリの縦線が入っていたのだ。まだ血が出るほど深くはなかったが、皮の奥が僅かに露出している。気を付けておかないと、すぐに傷が深くなりそうな様子だった。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチに愛の言葉を囁くだけの話。愛の言葉 布団の中に潜り込むと、僕は隣へと身体を向けた。二人で眠るには狭いベッドの上には、僕よりも頭ひとつ分は小さい男の子が横たわっている。彼も僕と同じ方向を向いているから、視界に映るのは小さな後ろ姿だけだ。少し乱れた赤い髪を眺めながら、僕は布団の中で手を伸ばした。
シーツの上で手首を滑らせると、僕の手のひらは柔らかい布地に触れる。少しもこもこした手触りなのは、それが冬用のパジャマだからだ。中央に手のひらを押し当てると、布に覆われた身体のラインが伝わってくる。優しく左右に撫で付けると、彼は小さく身じろぎをした。
しばらく手のひらを動かしてから、僕はもう片方の手を滑らせた。両手をルチアーノの身体に添えると、そのまま腕の中へと抱き寄せる。身体と身体が密着して、燃えるような体温が伝わってくる。布地を二枚介しているのに、その温もりははっきりと分かった。
2676シーツの上で手首を滑らせると、僕の手のひらは柔らかい布地に触れる。少しもこもこした手触りなのは、それが冬用のパジャマだからだ。中央に手のひらを押し当てると、布に覆われた身体のラインが伝わってくる。優しく左右に撫で付けると、彼は小さく身じろぎをした。
しばらく手のひらを動かしてから、僕はもう片方の手を滑らせた。両手をルチアーノの身体に添えると、そのまま腕の中へと抱き寄せる。身体と身体が密着して、燃えるような体温が伝わってくる。布地を二枚介しているのに、その温もりははっきりと分かった。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。ロボット解説番組を見てルチの中身に興味を持つTF主くんの話。秘め事 夕食の準備を整えると、僕はテレビのリモコンを手に取った。赤外線をセンサーに向けると、電源ボタンに指を伸ばす。状態を示すランプが緑に染まり、画面に薄く灯りが点った。少しの間を開けてから、弾けるような色彩と音が生まれる。
部屋中に響き渡る笑い声が、正面から僕の耳を突き刺した。大音声にびっくりして、慌ててリモコンの音量ボタンを押す。どうやら、この時間に放送されてるのは、ゴールデンタイムのバラエティ番組らしい。画面には饒舌に喋る芸能人の姿が映し出され、色とりどりのテロップが発言を面白おかしく脚色する。番組はそうやって明るい雰囲気を醸し出しているが、その会話に中身らしきものはなかった。
手元のリモコンを前に伸ばすと、僕は番組表を表示させる。横並びに表示された一覧の中から、面白そうな番組を探そうと思ったのだ。しかし、一通り番組名を眺めても、これだと思うタイトルは見つからない。もっと詳しく情報を得ようと、僕は椅子から腰を上げた。
4921部屋中に響き渡る笑い声が、正面から僕の耳を突き刺した。大音声にびっくりして、慌ててリモコンの音量ボタンを押す。どうやら、この時間に放送されてるのは、ゴールデンタイムのバラエティ番組らしい。画面には饒舌に喋る芸能人の姿が映し出され、色とりどりのテロップが発言を面白おかしく脚色する。番組はそうやって明るい雰囲気を醸し出しているが、その会話に中身らしきものはなかった。
手元のリモコンを前に伸ばすと、僕は番組表を表示させる。横並びに表示された一覧の中から、面白そうな番組を探そうと思ったのだ。しかし、一通り番組名を眺めても、これだと思うタイトルは見つからない。もっと詳しく情報を得ようと、僕は椅子から腰を上げた。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。夜中に目が覚めたルチがTF主くんに甘える話。愛という名の絶望 夜中に目が覚めた時、そこがどこなのか分からなくなる時がある。前後の記憶が曖昧で、自分が何をしていたかさえ思い出せなくなるのだ。恐る恐る布団の中から首を出すと、周囲の光景を確認する。そこに映る景色が見慣れた部屋であることを確認して、僕はようやく息をついた。
再び布団の中に潜り込むと、静かに呼吸を整える。まるで多量のエネルギーを消費した後のように、心臓がドクドクと音を立てていた。頬の辺りに違和感があるのは、涙の跡によるものだろう。僕には明確な記憶は無いが、眠っている間に流していたのだ。
こうして悪い夢を見るのも、一度か二度のことではなかった。日々が平和に傾けば傾くほど、悪夢は頻繁に僕の夢を訪れる。内容はオリジナルの両親が死ぬ夢か、タッグパートナーの青年が死ぬ夢だと決まっていた。日々の幸福がまやかしであることを知らしめるように、その夢は何度も僕を苛む。
2625再び布団の中に潜り込むと、静かに呼吸を整える。まるで多量のエネルギーを消費した後のように、心臓がドクドクと音を立てていた。頬の辺りに違和感があるのは、涙の跡によるものだろう。僕には明確な記憶は無いが、眠っている間に流していたのだ。
こうして悪い夢を見るのも、一度か二度のことではなかった。日々が平和に傾けば傾くほど、悪夢は頻繁に僕の夢を訪れる。内容はオリジナルの両親が死ぬ夢か、タッグパートナーの青年が死ぬ夢だと決まっていた。日々の幸福がまやかしであることを知らしめるように、その夢は何度も僕を苛む。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。カードを買うか悩んでいるTF主くんがルチにいたずらされる話。いたずら 商店街のカードショップに入ると、僕は迷わずにショーケースの前へ向かった。アクリルの板の前で足を止めると、向こうに並べられたカードを眺める。一面を埋め尽くすように並んでいるのは、そのお店がおすすめする売れ筋カードだ。どれも黄色の値札が張られていて、高いものではパックが買えそうなほどの額がつけられている。効果が強かったりイラストが良いという理由で、価格が非常に高騰しているのだ。
その中の一枚に視線を向けると、僕は低い唸り声を発した。僕がずっと購入を検討していたカードが、その中には並んでいたのである。価格もお手頃に設定されているようで、これまでに見かけた店舗より少しだけ安い。そこだけを聞けば買い時のようにも思えるが、僕にはすぐに決断ができなかった。
3510その中の一枚に視線を向けると、僕は低い唸り声を発した。僕がずっと購入を検討していたカードが、その中には並んでいたのである。価格もお手頃に設定されているようで、これまでに見かけた店舗より少しだけ安い。そこだけを聞けば買い時のようにも思えるが、僕にはすぐに決断ができなかった。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチの長期不在中に大掃除をする話。大掃除 お互いが入浴を済ませると、そこからは夜の時間だ。布団の中に潜り込むと、僕たちは肌に触れて体温を交わす。ルチアーノの身体は小さいから、僕が腕を伸ばすと簡単に包み込めてしまうのだ。背後から身体を抱えたまま、ゆっくりとお腹を撫でていく。
「あのさ」
しばらくそうしていると、不意にルチアーノが言葉を発した。様子を伺うような、躊躇うような響きをしている。お腹に指先を滑らせながら、僕は彼に言葉を返した。
「どうしたの?」
「…………明日から、任務に出かけるんだ」
少しの間を開けてから、ルチアーノは小さな声でそう言った。彼にしては珍しい、消え入りそうな声色である。いつもはもっとはっきりと告げてくるから、なんだか新鮮だった。
5004「あのさ」
しばらくそうしていると、不意にルチアーノが言葉を発した。様子を伺うような、躊躇うような響きをしている。お腹に指先を滑らせながら、僕は彼に言葉を返した。
「どうしたの?」
「…………明日から、任務に出かけるんだ」
少しの間を開けてから、ルチアーノは小さな声でそう言った。彼にしては珍しい、消え入りそうな声色である。いつもはもっとはっきりと告げてくるから、なんだか新鮮だった。
流菜🍇🐥
DOODLETF主ルチ。TF主くんがルチからもらったぬいぐるみを可愛がってルチを怒らせる話です。ぬいぐるみ「君に、プレゼントを持ってきたぜ」
ある日の夕方、僕の前に姿を現すと、不意にルチアーノはそう言った。何かを見せつけるかのように、僕の前で仁王立ちに構えている。不思議に思って視線を向けると、後ろ手に何かを抱えていた。
「プレゼント?」
いかにも怪しげな仕草を見ながら、僕は小さな声で呟いた。これまで、彼がプレゼントという言葉を使う時には、あまりいいことがなかったのだ。何度もからかわれてきたこともあって、さすがに警戒してしまう。
「なんだよ、その顔は。わざわざ、僕が君のために見繕ってやったんだぞ。もっと喜ぶべきじゃないのか」
そんな僕の様子が気に入らなかったのか、彼は不満そうに唇を尖らせた。細められた瞳でこちらを見ると、拗ねた声で言葉を並べる。
6364ある日の夕方、僕の前に姿を現すと、不意にルチアーノはそう言った。何かを見せつけるかのように、僕の前で仁王立ちに構えている。不思議に思って視線を向けると、後ろ手に何かを抱えていた。
「プレゼント?」
いかにも怪しげな仕草を見ながら、僕は小さな声で呟いた。これまで、彼がプレゼントという言葉を使う時には、あまりいいことがなかったのだ。何度もからかわれてきたこともあって、さすがに警戒してしまう。
「なんだよ、その顔は。わざわざ、僕が君のために見繕ってやったんだぞ。もっと喜ぶべきじゃないのか」
そんな僕の様子が気に入らなかったのか、彼は不満そうに唇を尖らせた。細められた瞳でこちらを見ると、拗ねた声で言葉を並べる。