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    cage

    百舌合(もずり)

    DONE夜の特殊災禍対策本部CAGEにて…
    大人になりたい双子(特にエナガ)が大人しくしないお話。
    時間が戻ったり進んだりするので①(過去)→②(さらに過去)→③(①の時間)→④(③の時間のちょっと前)→⑤(現在)というややこしい時系列になってます。

    この世界、司法が働いてるのかわからないけどお酒は20歳になってから!
    ※当作品には未成年飲酒の場面はございません。
    2人足せば大人(ハタチ)だもん! 鳥も寝静まる深夜のCAGE本部……の共同キッチン。非常灯にあてられた2つの小さな影がそこにあった。彼女たちは自分たちのやっていることに一抹の罪悪感を抱きながら、こそりこそりと何かを漁っている。
    「たぶん、ここにあると思うんだけどなぁ」
    「エナガ!早くしないと見つかっちゃうって!」
    「大丈夫!まだ誰も来ないよ!多分だけどこのあたりに……」
    焦燥を浮かべ、急かすのは双子のツガイのスズメ。対して楽しそうに物色を働いているのは同じく双子のツガイのエナガであった。
    さて、両名がなぜこんなことをしているのか理解していただくには、時計の短針を2目盛りほど戻す必要がある。

     虫も寝静まるCAGE本部……の一画。職員と一部のトリたちによる宴会が開かれようとしていた。賑やかな会場(とは言っても小規模なものだが)の面々がグラスを持った彼女へ視線を向ける。しかし1人は既に吞み始めているようだ。
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    kik082_o

    DONE[昴コ]bird cage of secret
    以前、イベントで頒布したペーパーから再掲しました。
    「はい。はい、そうですね。よろしくお願いします。後ほどご報告いただけると助かります」
    『すまないね』
    「いえ、お気になさらず」
     通話中の携帯を器用に肩と耳で挟んだ沖矢昴はポケットから取り出した預かりものの鍵を玄関の鍵穴に差し込んだ。そのとき、もう一方の手にぶら下げていたスーパーの袋ががさりと鳴る。
    『しかしだね、どうにも慣れないものだよ。本当に別人と話しているようだ』
    「その点は慣れていただくしかないですね。まあ、気持ちは分かりますが」
     電話の向こうにいるジェイムズ・ブラックはおそらく眉間に深いしわを刻んでいる。まだこの声で会話をするのは片手で数えられるほどなので向こうも慣れないのだろう。
     現在、工藤邸に居候している沖矢昴という人物はウィッグや特殊メイクで変装し、変声機で声を変えた赤井秀一だ。組織に潜入していたCIA捜査官である水無怜奈を再び組織へ戻す際、彼女に赤井が射殺されたよう偽装したため、今はこのような姿をとっている。
     水無から呼び出された赤井が来葉峠へ向かう前、ジェイムズが自分と接触しなければこんな厄介な秘密を共有させてしまうことにはならなかっただろう。たられば話をする 2658