アイルランド
yubera
PASTマク石本の没原稿より当時「ガエリオとカルタが目立ちすぎてテーマがぼやけるな…」と思い没にしたのですが、今見るとこれも良いかな…と思えてきました。
「イーファ」はマクギリスと同じくアイルランド系の名前で「エヴァ(イヴ)」と同義です。
もうひとつのバージョンはpixivにて再録していますhttps://www.pixiv.net/artworks/88611583 8
Haruto9000
DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。
【あらすじ】
影の国での修行を終え、アルスター国に戻ってきたクー・フーリン。
ところが、国の内情は穏やかではなかった。上王が殺され、アイルランド中が混乱しているという。
さらに、エメル姫が、タラ王と結婚する話が持ち上がったというのだ。
ミラーリング #11(英雄の結婚編)再会
「上王が死んだ……?」
クー・フーリンは、呆然と幼なじみの言葉を繰り返した。ロイグはうなずく。
「外遊中、ブリテンの賊に襲われたんだ。噂じゃ、身内の仕業って話もあるが……いずれにせよ、上王も側近たちも殺された」
「そんな……」
「次期上王は息子が継ぐことで落ち着くみたいだけど、いかんせんまだ子どもだからな」
ロイグは大きなため息をついた。
「おかげで、今アイルランドは大混乱さ。このアルスター国も、コノート国も、マンスター国もレンスター国も。どの王も、次期上王に忠信を捧げるって言ってるけど、みんな腹の底では何を思っているやら」
「まさか、内乱……」
「いや、そこまではまだ」
ロイグは首を振ったが、その表情は曇っていた。クー・フーリンはおずおずと尋ねる。
42343「上王が死んだ……?」
クー・フーリンは、呆然と幼なじみの言葉を繰り返した。ロイグはうなずく。
「外遊中、ブリテンの賊に襲われたんだ。噂じゃ、身内の仕業って話もあるが……いずれにせよ、上王も側近たちも殺された」
「そんな……」
「次期上王は息子が継ぐことで落ち着くみたいだけど、いかんせんまだ子どもだからな」
ロイグは大きなため息をついた。
「おかげで、今アイルランドは大混乱さ。このアルスター国も、コノート国も、マンスター国もレンスター国も。どの王も、次期上王に忠信を捧げるって言ってるけど、みんな腹の底では何を思っているやら」
「まさか、内乱……」
「いや、そこまではまだ」
ロイグは首を振ったが、その表情は曇っていた。クー・フーリンはおずおずと尋ねる。
Haruto9000
DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第6話。※FGO第1部のみの情報で書いていたので、ご容赦などはご了承ください。
【あらすじ】
古代アイルランドの国・アルスターに、1人の少女がいた。
名はセタンタという。〈赤枝の騎士団〉に憧れる彼女には、偉大な戦士になりたいという夢があった。
周囲に反対されながらも、彼女は戦士を目指して進み始める。
ミラーリング #7(猛犬誕生編)「だから、私と共に来なさいと言ったのに」
ぼんやりと霞む意識の中で、感情のない女の声が虚ろに響く。
「──馬鹿な子ね」
ああ、自分でも本当に、そう思う。
少女セタンタ
はっ、はっ、と息が上がる。廊下をそのまま走り抜けようとして、曲がり角の向こうに気配を感じて立ち止まる。
すばやく周りを見回し、窓の枠に手をかけると、えいやっと身を躍らせた。無事に着地し、その場にしゃがみ込む。
頭上でばたばたと足音がして、「いましたか?」「いいえ!」という苛立ち混じりの会話が交わされるのを、笑いをこらえながら聞いた。
人の気配が遠ざかるまで待つと、勢いよく立ち上がった。
目指すは厩舎だ。石畳の通路を、飛ぶように走っていく。
42077ぼんやりと霞む意識の中で、感情のない女の声が虚ろに響く。
「──馬鹿な子ね」
ああ、自分でも本当に、そう思う。
少女セタンタ
はっ、はっ、と息が上がる。廊下をそのまま走り抜けようとして、曲がり角の向こうに気配を感じて立ち止まる。
すばやく周りを見回し、窓の枠に手をかけると、えいやっと身を躍らせた。無事に着地し、その場にしゃがみ込む。
頭上でばたばたと足音がして、「いましたか?」「いいえ!」という苛立ち混じりの会話が交わされるのを、笑いをこらえながら聞いた。
人の気配が遠ざかるまで待つと、勢いよく立ち上がった。
目指すは厩舎だ。石畳の通路を、飛ぶように走っていく。