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    ちまき

    etc

    DONE酔っ払ってちゅっちゅするちまきちゃん
    バルマー・ピークを信じるか? プログラミングは工程のほとんどが脳内で完結する。少なくともチェ・グソンにとってはそうだった。ひらめきが組み立ってしまえば、残りは打ち込むだけの作業だ。酒が良い供になる。グソンはロック・グラスに手を伸ばした。
    「あ。」からんと氷が鳴る。空になっていることに気づかないまま傾けられたグラスに眼光が反射した。薄まった水にちかい液体を舐めながら、同じく空になったボトルを横目に確認し、ふうと一息つく。
     自分の能力を最大限に発揮できる仕事は嫌いではなかったが、長時間モニターの前で座っているだけでも、中年の身にはなかなかこたえるものだ。グソンは肩と首をならしながら立ち上がった。
     薄暗い部屋から出ると、リビングを照らす内装ホロの夕焼けが義眼に焼きついた。すでに夜は更けているが、このセーフ・ハウスでは、家主である槙島聖護の生活リズムに合った時間が流れている。中央の大きなソファから、銀髪の後頭部が覗いていた。生活空間は共有しているものの、互いに用がなければ声をかけることもあまりない。グソンは気にすることなく通り過ぎ、キッチンの冷蔵庫を開けた。すると見慣れないが見慣れているものが鎮座していた。祖国の伝統酒・マッコリだ。
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