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    たまちん

    DONE大遅刻参加留文ワンライ
    お題「隠し事」
    ※特殊設定あり
    一万年と二千年前から潮江文次郎には奇妙な友人がいる。
    名を食満留三郎。自分含め、揃いも揃いに時代遅れの古臭い名をした友人たちの中でもとりわけ変わったやつである。
    この男、後輩の面倒みもよく、今時珍しい中小エスカレーター式の学校で小学校の後輩が泣きついてきた時には甲斐甲斐しく世話を焼いてやってるし、家が隣同士で生まれた時から付き合いのある共通の友人、伊作にも優しい姿を見て恋に落ちる同世代の女子は決して少なくなかった。が、引く手数多である筈なのにこの男、成人式すら終わり30を目前にした今でも恋人1人出来た試しがなかった。
    半分は「そりゃそうなるだろうな」と思うが、もう半分は全くもって分からない理由故だった。
    留三郎はこの俺が言うのもなんだが気立てはよく、男から見ても付き合いやすいいい奴である…いい奴なのだが何かと互いの癇に触る事多々あり。口を開けば口喧嘩、寄れば触れば小突き合いと自他ともに自覚するほど犬猿の仲なのである。不思議に思われるだろうが、普通に会話したり食事したり、幼馴染連中と宿題をやったりは日常茶飯事の事なのである。なのだが、互いに気付けば諍いに発展しともすれば殴り合いの喧嘩まで発展する。
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    たまちん

    DONE留文ワンライ大遅刻参加
    お題「肉」
    非転生系現パロです(大学生か社会人かは特に決めてない)
    沢山食べる君を見たいじゅうじゅうと脂を滴らせ、網の上で焼かれながら若い胃袋を誘惑に誘うソレを見つめながら、文次郎は「何だかなぁ」と胸の内で独り言ちた。
    芳しい香りを放つ煙の向こう、艶々とした白米に焼き上がったソレをのせ、くわっと大口を開き食われる方も光栄だろうと思えるほどの食べっぷりを見せるのは不倶戴天の犬猿の仲、食満留三郎その人である。
    文次郎の視線に気付いた留三郎が訝しげな顔をしたので、溜息をつきながら目を伏せ食べ頃になった肉を箸でつまみ上げた。
    いや、やっぱり何なんだこの状況はと再度文次郎は頭を悩ませた。


    事の発端は1週間程前、たまには外食でもするかと思いつくまま街に出た日に遡る。
    外食と言っても何を食べるかは特に決めてなかったので、取り敢えず目について気になった店に入ろうと彷徨いていた所、同じ様に身軽な様子でいた留三郎と目が合ってしまった。そのまま予定調和の様に口喧嘩からの小競り合い…からの大食い勝負が始まる事となる。不運にも、偶々2人の側で大食いチャレンジを開催していたラーメンのチェーン店があった故に。
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