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    #狂聡

    madGenius

    isona07_2

    DOODLEタイトル
    【大人げない大人】
    成田狂児の「好き」という言葉は、正直言って重い。どのくらい重いのかと言うと、アニキが頭から日本酒をぶっかけながら真剣な顔で「任せたぞ」と言ったその瞬間の重圧なんかよりも数万倍は重い代物である。いやまぁこの例えでは少々、いや結構かなり分かりにくいのかもしれないが、ようはヤクザの交わす書類なんかでは表せられない仁義的な「契り」などよりも数万倍は重苦しい代物であるということを此処では言い表したいのである。
     ヤクザの約束なんかは、ピンからキリまで様々にあるのだけれども、その中で「任せる」という言葉に関してはそれ相応の『期待』や『信頼』を得ていることから普通に「命」をかけることが大前提だった。約束を守れなければ死、期待に応えられなければ死、それが当たり前の漢の仁義というものが言葉の中には根強く存在していた。
     ヤクザの言葉には重みがある。重圧がある。プレッシャーがある。言葉は正に貴重なものであって、一度言った台詞に責任を持つのが人情を分かる奴にとっては当たり前の教養に違いなかった。自分の言ったこと、自分のしでかしたこと、それに責任を取れないクズなんか漢の風上にも置けやしない。ましてや『代紋』を 8858

    しんや

    MOURNINGTwitterから再掲
    供養なので、切ったとこも入れてます。
    付き合ってない狂聡。
    鍋を食べて、アルコール誤飲する狂児のお話。
    付き合ってないけど、わりと甘い、はずです。
    自室のドアを開けると、顔の強いおっさんのヤクザが、エプロンをつけて鼻歌を歌いながら白菜を刻んでいた。
    (うわぁ、帰ってしょっぱなから、情報量多すぎや…)
    「おっ、聡実くんお帰り~。バイトお疲れさんやね。もうちょいで鍋できるから、手ぇ洗っといで」
    狂児がいるのは、今日鍋をしようと連絡が来ていたので分かっていた。
    廊下まで出汁のいい匂いがしてきたから、ああ、作っているのだのとも分かっていたのに、実際に目にすると、いつも思考がフリーズする。
    ついでに、捲られたワイシャツの袖口から、『聡実』の文字が覗いているのにも慣れなくて、聡実はそっと目をそらした。
    ただいまと返事をしたらいいのか一瞬迷って、手ぇ洗ってきますとだけ言って、バスルームへ入った。
    (たまにしか見んから、慣れんわ…)
    料理をする狂児も、『聡実』も。そんなもの慣れなくてもいい気もするが。
    洗面台でザーッと手を洗っていると、狂児の鼻歌が再開されていた。
    (珍しい…、洋楽や)
    古い曲だがTVなどで度々使われており、聡実でも知っていた。
    低い声で柔らかく歌われるそれは、耳に心地よい。
    (鼻歌の方がずっと上手いで…)
    狂児が聞けばショックを 8478