noraneko_gensui
DOODLE『頼む…逃げないでくれ…』っていう感じの切羽詰まった熊さんが描きたくて…腐ってるかどうかは別としてこの二人は色んなすれ違いも経験したのではなかろうか。すれ違いながらも徐々に隙間を埋め合わせていった結果が2の腐れ縁…だったらいいな…なんてogata
PASTなつかしいビクフリ。優しい歌「おーい。開けてくれー」
部屋の外から熊の声がする。
「ああ、帰ってたのか」
部屋のドアを開けてやると、ビクトールがずかずかと入ってきた。
何やら色々と抱えている。よく見ると、今しがた自分が望んでいたものであることに気づいた。
「ほらよ、土産だ」
右手に持っていた酒瓶3本のうち1本をこちらに寄越した。風呂に入ってきたばかりらしいビクトールは、タオルを首から下げて機嫌よく鼻歌を歌いながら寝台に腰掛けた。
手渡された酒瓶を覗き込んで驚く。
「どうしたんだよこれ。何か高そうじゃないか。蒸留酒……カナカンか?」
ビクトールがにやりと笑った。
「今日の任務の帰りに、リュウが交易でボロ儲けしてな。その場にいた奴全員に特別報償が出たんで貰ってきたんだ」
4153部屋の外から熊の声がする。
「ああ、帰ってたのか」
部屋のドアを開けてやると、ビクトールがずかずかと入ってきた。
何やら色々と抱えている。よく見ると、今しがた自分が望んでいたものであることに気づいた。
「ほらよ、土産だ」
右手に持っていた酒瓶3本のうち1本をこちらに寄越した。風呂に入ってきたばかりらしいビクトールは、タオルを首から下げて機嫌よく鼻歌を歌いながら寝台に腰掛けた。
手渡された酒瓶を覗き込んで驚く。
「どうしたんだよこれ。何か高そうじゃないか。蒸留酒……カナカンか?」
ビクトールがにやりと笑った。
「今日の任務の帰りに、リュウが交易でボロ儲けしてな。その場にいた奴全員に特別報償が出たんで貰ってきたんだ」
ogata
PASTサルベージビクフリ。よいゆめを こいつはいつもほとんど一直線上に足を踏み出すような歩き方をする。
戦闘時ですら、その動きの大きさに比べて不思議なくらいに足音が小さい。
青年の鍛え抜いた身体は、アルコールが入った時でさえ気の抜けた歩き方をすることを許さないのだ。
それはこの男が特殊な訓練を受けていることを意味するものであり、フリックの足付きを見るたび、我流で戦闘を身につけてきた自分との違いを改めて感じる。
だから部屋に戻って来るまでのフリックの足取りは、まったくしっかりとしたものだった。
そういうところは、多少飲んだぐらいでは全然変わらない。
酒場から部屋に戻って、あとはもう寝るだけだなとシャツを脱いでいると、フリックがじっとこちらを注視していたことに気がついた。
3093戦闘時ですら、その動きの大きさに比べて不思議なくらいに足音が小さい。
青年の鍛え抜いた身体は、アルコールが入った時でさえ気の抜けた歩き方をすることを許さないのだ。
それはこの男が特殊な訓練を受けていることを意味するものであり、フリックの足付きを見るたび、我流で戦闘を身につけてきた自分との違いを改めて感じる。
だから部屋に戻って来るまでのフリックの足取りは、まったくしっかりとしたものだった。
そういうところは、多少飲んだぐらいでは全然変わらない。
酒場から部屋に戻って、あとはもう寝るだけだなとシャツを脱いでいると、フリックがじっとこちらを注視していたことに気がついた。
ogata
PASTお話というよりも、書いた当時の私のビクフリ観というかフリック? 改めて読むとあああって12年前に言ってた。
とりあえずとっておく
introduction 黄金時代を過ぎて綻びきしみ始めた赤月帝国の片隅で、重い十字架を背負いながら解放運動を率い始めた一人の女がいた。その戦いで俺は後に無二の相棒と認める男と知り合うことになる。
解放軍のアジトへ、軍の発起人であり、初期リーダーだったオデッサ・シルバーバーグが「今日、この人に助けてもらったの」と連れてきたのは、山賊のような大男だった。
でかい図体には、我流らしい戦闘術によってついたのであろう厚い筋肉を張り付けている。伸びっぱなしの黒い髪に黒い瞳、顎には無精髭。破れ掛かったシャツは長旅の所為か薄汚れている上、袖が引きちぎれたように破れて本来あるべき場所に形を留めていない。男には『風来坊』という二つ名があるのだという。その名に違わぬ怪しい風貌に思わず溜息が漏れた。
1305解放軍のアジトへ、軍の発起人であり、初期リーダーだったオデッサ・シルバーバーグが「今日、この人に助けてもらったの」と連れてきたのは、山賊のような大男だった。
でかい図体には、我流らしい戦闘術によってついたのであろう厚い筋肉を張り付けている。伸びっぱなしの黒い髪に黒い瞳、顎には無精髭。破れ掛かったシャツは長旅の所為か薄汚れている上、袖が引きちぎれたように破れて本来あるべき場所に形を留めていない。男には『風来坊』という二つ名があるのだという。その名に違わぬ怪しい風貌に思わず溜息が漏れた。
Elkidou_love
DONE何番煎じやねんな話無自覚イケメンの青い人はきっとサラッと心の蓋とか重しをヒョイと除けてる
そういうのやるのは熊の方だろうけど、熊に対しては青い人がやれば良い
…って思いながら描いてたら3ページになってた何故 3
sabasavasabasav
PAST腐れ縁(notCP)がグレッグミンスターの城を抜け出すときの話。いいねをくれたフォロワさんに小噺書きます、という企画の名残。フリックお好きな方だったのでこういう話が好きかも、と思いながら書いた。
▽
遠くで、何かが倒れる音が聞こえた。硝子が弾け飛ぶような音だ。
次いで、周囲の空気が熱くなっていくのを感じる。肩で息をしていたフリックの喉を通る異様な空気。
帝国軍にも解放軍にも、城に火を放つメリットはない。開放的ではない城内という空間で派手に戦闘を繰り広げた結果、照明が落ち絨毯かカーテンに燭台の火が移ってしまったのだろう。
長くこの場にいては危険だと、本能が警鐘を鳴らしている。移動したいのは山々だが、既にフリックの体は己では自由に制御できない状態となっていた。
肉を抉る飛び道具。焼け焦げた臭いに混じる、鉄の香。意識しないように努めてはいたものの、それは確実に、フリックの体力を蝕んでいた。
2613遠くで、何かが倒れる音が聞こえた。硝子が弾け飛ぶような音だ。
次いで、周囲の空気が熱くなっていくのを感じる。肩で息をしていたフリックの喉を通る異様な空気。
帝国軍にも解放軍にも、城に火を放つメリットはない。開放的ではない城内という空間で派手に戦闘を繰り広げた結果、照明が落ち絨毯かカーテンに燭台の火が移ってしまったのだろう。
長くこの場にいては危険だと、本能が警鐘を鳴らしている。移動したいのは山々だが、既にフリックの体は己では自由に制御できない状態となっていた。
肉を抉る飛び道具。焼け焦げた臭いに混じる、鉄の香。意識しないように努めてはいたものの、それは確実に、フリックの体力を蝕んでいた。