toromiso
INFOニャートの猫山さん第2巻発売しました!よろしくお願い致します〜kindle(https://www.amazon.co.jp/dp/B0B151M7QS/ref=cm_sw_r_tw_tai_HB29D825W1G91QYC4K0F)
105@海自艦擬人化
DOODLE118+4001+102あのころの、「おおすみさん。ご無沙汰してます」
艦を見上げ、声を張った。それぞれがここ佐世保へ入港することはそれなりにあるものの、母港の違うもの同士が顔を合わせる機会は数少ない。作業にキリを付けて艦を降り姿を探す。当たりを付けた喫煙所、その手前で見付け駆け寄った。
「ん、まだ若いな。元気にしてるか」
振り返った顔はすこし疲れているようにも見える。把握しているわけではないが多忙なのは耳に入っている。自分も決して余裕があるわけではないけれど。
「お陰様で。あの、せっかくなので伺いたいんですが。くまの、はどんな子でしたか」
並んで歩きながらそう問えば苦笑が返ってくる。開口一番で聞くにはなんというか、先走ってしまった気もするが仕方がない。後輩が気になるのは正直なところなのだから。
764艦を見上げ、声を張った。それぞれがここ佐世保へ入港することはそれなりにあるものの、母港の違うもの同士が顔を合わせる機会は数少ない。作業にキリを付けて艦を降り姿を探す。当たりを付けた喫煙所、その手前で見付け駆け寄った。
「ん、まだ若いな。元気にしてるか」
振り返った顔はすこし疲れているようにも見える。把握しているわけではないが多忙なのは耳に入っている。自分も決して余裕があるわけではないけれど。
「お陰様で。あの、せっかくなので伺いたいんですが。くまの、はどんな子でしたか」
並んで歩きながらそう問えば苦笑が返ってくる。開口一番で聞くにはなんというか、先走ってしまった気もするが仕方がない。後輩が気になるのは正直なところなのだから。
toromiso
INFO本日、Amazon他各電子書籍ストアでニャートの猫山さん第2巻の予約が始まりました!(https://www.amazon.co.jp/dp/B0B151M7QS/ref=cm_sw_r_tw_tai_HB29D825W1G91QYC4K0F)※発売日は5/27です。4月に発売したばかりの第1巻も宜しくお願い致します🥺✨
105@海自艦擬人化
DOODLE①+②。いい感じに凹凸が合致しそうな双子だと思っています。いまのところ。二人三脚の第一歩 横付け作業に混ざりながら、自身の艦から小さく手を振るくまのにぎこちなく振り返してやる。顔を会わせるのは嵐のように過ぎ去っていった初日以来だというのに、やたらと懐っこくてどうにも調子が狂ってしまう。
「もがみ、そっち行ってもいい?」
こそこそと呼ぶ声に視線を向けた。いつの間にか掛けられていたタラップを指差しつつ、期待に満ちた顔がある。少し周りを見渡してからいいよ、と返した。
「お邪魔しまーす」
「うん。いらっしゃい」
訓練終わりのはずだけど疲れなど無いのか、ただ嬉しそうに笑うのを見て元気だなぁと思う。自分なんて視察を受けただけで緊張して疲れてしまっているのに。
「このあいだはゆっくり話が出来なかったけど、そっくりな顔が目の前にあるのって変な感じ。でも、もがみはなんかすまし顔してるねぇ」
627「もがみ、そっち行ってもいい?」
こそこそと呼ぶ声に視線を向けた。いつの間にか掛けられていたタラップを指差しつつ、期待に満ちた顔がある。少し周りを見渡してからいいよ、と返した。
「お邪魔しまーす」
「うん。いらっしゃい」
訓練終わりのはずだけど疲れなど無いのか、ただ嬉しそうに笑うのを見て元気だなぁと思う。自分なんて視察を受けただけで緊張して疲れてしまっているのに。
「このあいだはゆっくり話が出来なかったけど、そっくりな顔が目の前にあるのって変な感じ。でも、もがみはなんかすまし顔してるねぇ」
105@海自艦擬人化
DOODLE115+173。173氏はグッズ類がかわいい系統でしてね…お好みは。「かわいい」
「うん、そうだな。撮るか?」
先にテーブルへと置かれたケーキ皿を差し出してくる。フォークを突き刺すのが惜しいくらい愛らしい見た目も確かにかわいいのだけど、思わず漏れた呟きは目の前に座る人物に向けてだ。ひとりでは入りづらいから、と女性人気の高いカフェに誘いを受けて同行した先で嬉しそうに目尻を下げた柔らかな表情をするところなどは。仕事上では厳しい雰囲気を崩さず、普段ですらパッと見怖そうと評されているのを知るだけに、見ている自分の方がなんだか照れてしまう。女性客が大半で残り少ない男性客もほとんどがカップルの連れのような店内を軽く見渡して自分に声が掛かるのも納得する。自分たちの場合は強いて当てはめるなら父娘にでも見えているだろうけれど、と注文が揃うまでの間になんとなく思う。
506「うん、そうだな。撮るか?」
先にテーブルへと置かれたケーキ皿を差し出してくる。フォークを突き刺すのが惜しいくらい愛らしい見た目も確かにかわいいのだけど、思わず漏れた呟きは目の前に座る人物に向けてだ。ひとりでは入りづらいから、と女性人気の高いカフェに誘いを受けて同行した先で嬉しそうに目尻を下げた柔らかな表情をするところなどは。仕事上では厳しい雰囲気を崩さず、普段ですらパッと見怖そうと評されているのを知るだけに、見ている自分の方がなんだか照れてしまう。女性客が大半で残り少ない男性客もほとんどがカップルの連れのような店内を軽く見渡して自分に声が掛かるのも納得する。自分たちの場合は強いて当てはめるなら父娘にでも見えているだろうけれど、と注文が揃うまでの間になんとなく思う。
su7gare
DOODLE※OCクルー擬人化注意※OCクルー(緑色)の【木砂】の擬人化です。
クリスマスツリーのスキンじゃない姿も描こうと想像していた時に急に擬人化イメージが降ってきました。
我が家のOCクルーの擬人化、砂の人の次に描いたのが木砂かぁ~。
105@海自艦擬人化
DOODLE176+117。距離感が初々しいころ護るもの 入港の挨拶をしに顔を見せたすずつきと出入口で出会し、祝いの言葉を掛けるとともに皆が揃うあたりへと足を進める。近況を尋ねたり雑談を交わす中でそういえば、と軽く問いを投げ掛けた。
「大船に乗ったつもりで、とはもう言ってくれないの?」
いつかの造船所の一角で交わした会話は流れこそ忘れてしまったけれど、淡々と紡がれた言葉は喧しいくらいの蝉の鳴き声に混ざってもなおしっかりと耳に残っている。そういう風に造られた、とわかってはいても自分のために向けられた気持ちは嬉しいものだ。少し年甲斐もなく照れてしまうくらいには。
「よりによってそこ覚えてるんですか……。慣用句だといっても自分より大型の艦相手に〝大船〟なんて言ったの、直後に後悔したんで早く忘れてくださいよ」
580「大船に乗ったつもりで、とはもう言ってくれないの?」
いつかの造船所の一角で交わした会話は流れこそ忘れてしまったけれど、淡々と紡がれた言葉は喧しいくらいの蝉の鳴き声に混ざってもなおしっかりと耳に残っている。そういう風に造られた、とわかってはいても自分のために向けられた気持ちは嬉しいものだ。少し年甲斐もなく照れてしまうくらいには。
「よりによってそこ覚えてるんですか……。慣用句だといっても自分より大型の艦相手に〝大船〟なんて言ったの、直後に後悔したんで早く忘れてくださいよ」
105@海自艦擬人化
DOODLE174+①。初入港おめでとうらくがき。色鮮やかな海の端にて「こんごうさんからお話を伺ってました。よろしくお願いいたします」
緊張した面持ちで挨拶をしにやってきたもがみを前に、つい昨日まで隣にいたくまのもはたかぜから話を聞いたと言っていたなと思い起こす。世話役にはもっと適任がいるだろうに何故揃いも揃って俺なんだと思いながらも、こういう時頼りになるむらさめは不在だ。兄から何を聞かされてきたのかは……聞かずにおこう。幼少期のエピソードなどが出てきた時には居たたまれない。
「よろしく。ところで接岸こっちで良かったのか? 二番艦が首を長くして待っていたが」
「まだ少し。どんな顔して会えばいいのかわからないもので」
そうか、と応えつつ視野の端に全力で駆けてくる人影を捉える。当人が気付くのは時間の問題だ
322緊張した面持ちで挨拶をしにやってきたもがみを前に、つい昨日まで隣にいたくまのもはたかぜから話を聞いたと言っていたなと思い起こす。世話役にはもっと適任がいるだろうに何故揃いも揃って俺なんだと思いながらも、こういう時頼りになるむらさめは不在だ。兄から何を聞かされてきたのかは……聞かずにおこう。幼少期のエピソードなどが出てきた時には居たたまれない。
「よろしく。ところで接岸こっちで良かったのか? 二番艦が首を長くして待っていたが」
「まだ少し。どんな顔して会えばいいのかわからないもので」
そうか、と応えつつ視野の端に全力で駆けてくる人影を捉える。当人が気付くのは時間の問題だ
105@海自艦擬人化
DOODLE①の就役。おめでとうございます!駆け足で 暦の上ではまだ春、とはいえ朝から眩しいくらいの日差しでじんわりと汗ばむほどだ。黒の制服は熱を吸収して余計に暑い。自分ではどうにもならないことではあるけど、就役が遅れたことを今だけはすこし悔やんだ。
それでもやっとここまで来たのだと、ゆるやかな海風を受けながら感慨に耽る。先輩方に恥じないように。そして弟妹たちの良い手本になれるように。
「この先会ったら容赦なく指導入れるからな。しっかりやれよー」
慌ただしい中で代表してきりさめさんから今朝贈られた激励の言葉を噛み締る。せっかく整えた髪の毛をわしゃわしゃと掻き回して行ったのはいい迷惑だけれど、と思い出すと同時に苦笑が漏れる。子供扱いの期間はここまでだ。
358それでもやっとここまで来たのだと、ゆるやかな海風を受けながら感慨に耽る。先輩方に恥じないように。そして弟妹たちの良い手本になれるように。
「この先会ったら容赦なく指導入れるからな。しっかりやれよー」
慌ただしい中で代表してきりさめさんから今朝贈られた激励の言葉を噛み締る。せっかく整えた髪の毛をわしゃわしゃと掻き回して行ったのはいい迷惑だけれど、と思い出すと同時に苦笑が漏れる。子供扱いの期間はここまでだ。
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INFO第1巻本日発売です!よろしくお願いします。
kindle https://www.amazon.co.jp/dp/B09XTNY1ZB/ref=cm_sw_r_tw_awdo_NVQF6GEMDWQVKJA9GZR5
ほか各電子書籍ストアにて配信中
105@海自艦擬人化
DOODLE118+175。分かりづらい愛情表現(LOVEではない)ほんの気持ち ここのところ初夏に近い陽気になることも多く冷たいものに手が伸びる。買い置いてあった六個並んだアイスのパッケージからひとつ、スティックを突き刺して頬張ったところで休憩室の扉がガチャリと開かれた。
「おふかれさまです」
顔を見せたみょうこうに掛けた声が多少もごもごとしたのは聞き流してもらいたいけれど。自分は今日、屋内作業だったが外はそんなに暑かっただろうか。うっすらと汗をかき、パタパタと襟元を扇ぎつつペットボトルから水を呷るのを眺める。
「艦内作業に駆り出されて参った」
ソファの隣に腰を落ち着けつつそう苦笑をみせた。いまは揃って整備中であり、当然ながら艦の空調は止まっている。自分の経験を思わず振り返り余計暑さが増した気すらしてくる。二個目に突き刺し、使っていない方のスティックも別のものにくさりと刺して、良かったら食べますかと箱ごと少しテーブルを滑らせた。言うだけ言って自分の分を頬張り舌で転がしていく。
566「おふかれさまです」
顔を見せたみょうこうに掛けた声が多少もごもごとしたのは聞き流してもらいたいけれど。自分は今日、屋内作業だったが外はそんなに暑かっただろうか。うっすらと汗をかき、パタパタと襟元を扇ぎつつペットボトルから水を呷るのを眺める。
「艦内作業に駆り出されて参った」
ソファの隣に腰を落ち着けつつそう苦笑をみせた。いまは揃って整備中であり、当然ながら艦の空調は止まっている。自分の経験を思わず振り返り余計暑さが増した気すらしてくる。二個目に突き刺し、使っていない方のスティックも別のものにくさりと刺して、良かったら食べますかと箱ごと少しテーブルを滑らせた。言うだけ言って自分の分を頬張り舌で転がしていく。
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INFO2022/04/22 (金)にニャートの猫山さん1巻の電子版を配信致します。2022/4/15(金)からkindle(https://www.amazon.co.jp/dp/B09XTNY1ZB/ref=cm_sw_r_tw_awdo_NVQF6GEMDWQVKJA9GZR5)ほか、各ストアで予約できます。
よろしくお願いします。
105@海自艦擬人化
DOODLE②+5003。初めましての話。解像度が怪しいので変わるかも水平線の太陽 太陽みたい。オレンジ色とクリーム色の塗装を施された丸みを帯びた艦体が港の入り口に見えたとき、そんなことを思った。もちろん知識としては頭に入っていたけれど、灰色に染まる視界の中で見るその姿は春の訪れを感じさせる朝の陽光のようでなんだか嬉しくなる。徐々に近付いてくる頃には、自身の艦がすっぽりと影に入るその大きさに目を見張ることになるのだが。
帰港の式典も滞りなく終わり、周囲の面々が自身の仕事に戻っていく中で岸壁の端に少し留まっていた。大方の人が捌けたとことで声を掛ける。
「あの、」
「あー。君がそこの新しい子か。さっき目が合ったからそうかなと。あんましここに居ないけどこれからよろしくな」
「くまのです。よろしくお願いします」
436帰港の式典も滞りなく終わり、周囲の面々が自身の仕事に戻っていく中で岸壁の端に少し留まっていた。大方の人が捌けたとことで声を掛ける。
「あの、」
「あー。君がそこの新しい子か。さっき目が合ったからそうかなと。あんましここに居ないけどこれからよろしくな」
「くまのです。よろしくお願いします」