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    mochi_mika_n

    DONE塵歌壺の邸宅を子育て仕様にしたはずなのに予想外なことが起きる話(全て妄想)

    WEBオンリー展示だったもの


    双子は早く起きたら暇だったから柱をするする登ったらしいので、カーヴェは酔っぱらって判断力の鈍ったエルマイト旅団が住むことを想定して新しい柵を作ったとか作ってないとか。
    柵は思ってる倍は高く作れ テイワットを旅する空の持ち家である塵歌壺は、産まれた双子の子供のためにところどころリフォームされた。
     まず、ありとあらゆる角にぶつかっても大丈夫なように緩衝材が取り付けられた。さらには吹き抜けの柵は登って落ちてしまわないように以前より高くなった。高くなる前は酔っぱらったウェンティやカーヴェがよく落ちていたものだが、これで彼らが落ちてしまうこともそうないと思いたい。普通の子供ならよほどのことがなければ落ちようもないだろう。
     酔っぱらっていないカーヴェにアドバイスを貰って設計した新しい柵は空の胸あたりの高さになったし、足をかけられるような装飾も取っ払った。まあ、安全性を優先するのだから無骨なデザインでもいいかな、と考えていた空と芸術に興味のない魈はそのままでいいと思っていたのだが、建築デザインに余念のないカーヴェは二人を置いてけぼりにして、凹凸のない素朴な柵に美しい絵を描き上げた。璃月風の落ち着いた色合いの幾何学模様に染められた柵に空と魈は感動したものだ。スメールの天才建築家は画家の才能もあるらしい。その礼に空はカーヴェに酒を振舞ったし、魈も仙人秘蔵の酒を注いだ。
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    mochi_mika_n

    DONE抱卵する空くんと、せっせと夕暮れの実を持ってくる魈くんのお話

    WEBオンリー展示だったもの

    満足サラダはフルーツサラダになりました。
    食後のお供は夕暮れベリーティー 人工の陽光が降り注ぐ洞天に魈は夕暮れの実をたくさん抱えて訪れた。
     鮮やかなオレンジ色の木の実はすっかり熟して、甘い香りを放っている。いち、にい、さん、し、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう。合計十個にもなるそれはころころとして今にも魈の腕からこぼれ落ちそうになって、慌てて抱え直すと足早に洞天でひと際存在感を放つ邸宅を目指した。
     その洞天の管理人である仙獣に軽く挨拶をして、さっさと邸宅の中に入る。持ち主に似て澄んだ空気が満ちる室内は、以前まで持ち主の友人がひっきりなしに訪れていたものだが、最近は家主の容態に遠慮してか来客は少なくなった。家主の唯一無二の相棒も、気配に敏感な彼に気を使ってか、洞天にいるよりも璃月の街に繰り出していることのほうが多い。夜にはたくさんの食材を抱えて帰ってくる。だから、静かな邸内には魈以外に家主ひとりぶんの気配しかない。真っ直ぐに家主の――――――空の部屋に入れば、置かれたベッドの中心が丸く膨らんでいる。
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