John
SPUR MEサチマル続きました。薔薇の蕾は、実らない恋、叶わない恋、咲かなかった恋。誰も同じで微妙に違う気がしてます。
Funeral Shellpinkシェルピンクの葬列
桜吹雪に拐われてしまいそうだなんて言葉は、似合わない。
むしろ、全ての花をその怒気で散らしてしまうのではないか。
覆い被さるマルコの、金の髪に触れて滑って風に遊ばれ落ちて行く花弁が一枚、一枚、金の月に照らされ、五年の月日を思い知る。
あどけなさの失われた頬
きっと寄せられる事がずっと多くなった眉頭。
顎髭が似合っているというのは、決して茶化したのではなく本音だった。
アルコールが入っていなかったら、怒りに震える肩を考えなしに抱き締めて再会を祝ってしまったかもしれなかった。急激に取り込んだアルコールが、普通の人体に対して真逆の作用で働くのはサッチの体質と言って良かった。
11117桜吹雪に拐われてしまいそうだなんて言葉は、似合わない。
むしろ、全ての花をその怒気で散らしてしまうのではないか。
覆い被さるマルコの、金の髪に触れて滑って風に遊ばれ落ちて行く花弁が一枚、一枚、金の月に照らされ、五年の月日を思い知る。
あどけなさの失われた頬
きっと寄せられる事がずっと多くなった眉頭。
顎髭が似合っているというのは、決して茶化したのではなく本音だった。
アルコールが入っていなかったら、怒りに震える肩を考えなしに抱き締めて再会を祝ってしまったかもしれなかった。急激に取り込んだアルコールが、普通の人体に対して真逆の作用で働くのはサッチの体質と言って良かった。
John
SPUR MEサチマル続きました。Q.サチマルの話のはずなのに、何故こんなにハルタの過去回想が多いんですか。
A.サチマルを取り巻く環境全てが大好きだからです。
Triumph of Cherry Blossom 桜の凱旋
桜が咲いて散って、はらりはらりと舞い降りる。
咲くが盛りか、散るが極みか。侍の心を持った男が深々と下げた頭を扇片手に身を起こす様は、喧騒を好む海の荒くれ者達でさえ息飲む美しさである。
父は白ひげ唯一人、主君は光月おでん唯一人。だからこそ黒地絹の紋服の左胸には光月紋、本来の利腕側である右胸には白ひげの証を染め抜いて。
白足袋、右手に翳す舞扇。
左手の袖口を小指から中指まで揃えて抑えては、三味線がチントンシャン。太鼓が追いかけ鼓を拾い、鮮やかに色を付けていく。ワノ国花柳流の祝いの時にだけ特別に舞われる"素踊り"を見られる機会は、そうはない。大金を出してでも同席出来るならばと願い出る輩は大勢居ても、金で首を振る者が生憎一人もいないのだ。
10887桜が咲いて散って、はらりはらりと舞い降りる。
咲くが盛りか、散るが極みか。侍の心を持った男が深々と下げた頭を扇片手に身を起こす様は、喧騒を好む海の荒くれ者達でさえ息飲む美しさである。
父は白ひげ唯一人、主君は光月おでん唯一人。だからこそ黒地絹の紋服の左胸には光月紋、本来の利腕側である右胸には白ひげの証を染め抜いて。
白足袋、右手に翳す舞扇。
左手の袖口を小指から中指まで揃えて抑えては、三味線がチントンシャン。太鼓が追いかけ鼓を拾い、鮮やかに色を付けていく。ワノ国花柳流の祝いの時にだけ特別に舞われる"素踊り"を見られる機会は、そうはない。大金を出してでも同席出来るならばと願い出る輩は大勢居ても、金で首を振る者が生憎一人もいないのだ。
あかぎ(利便事屋のすがた)
DONE「真夜中なのにおっはよー、そして10月なのにメリクリーっ!」てなわけでP.A.WORKSお便り企画用に描いた真夜中ぱんチのりぶちゃん。今回はクリスマス便りなのでちょいサンタ仕様です(2枚目は下絵)
https://www.pa-works.jp/information/14482/ 2
John
SPUR MEサチマル続きました最後にちらっとですが、マルコが男娼を買ってる(抱いていると思わせる)シーンがあります。苦手な方は注意お願いします。モロなシーンは入ってないので全年齢対象です。
Crossing Magenta 赤い果実は、掌に心地良い大きさだ。
大振りのを一つ選んで、美味いかどうかは果実自体が教えてくれる。赤くて、ツヤがあって、自分は美味いと全身で主張している様なのが良い。見栄えなんてものは味には関係ないと思うのは大いに違う。味は、舌で感じなるものだけではない。嗅覚と視覚とが大きく働いている。
舌を誘う甘酸っぱい香りはするか?
シルエットは?
ついでに聴覚も働かせて、指先で丁寧にノックすれば色良い返事をしてくれる。
林檎よ、林檎。
この店の中で一番美味い林檎は、君で合ってるかい?
一口齧れば、目覚めるような甘さは持っているかい?
コンコン、と高い澄んだ音がすれば、まず歯触りの良い林檎であることに間違いない。目深に帽子を被った男の口元が笑みを浮かべる。顎には整えられた髭が、彼は成熟した男であることを伝えていた。
11171大振りのを一つ選んで、美味いかどうかは果実自体が教えてくれる。赤くて、ツヤがあって、自分は美味いと全身で主張している様なのが良い。見栄えなんてものは味には関係ないと思うのは大いに違う。味は、舌で感じなるものだけではない。嗅覚と視覚とが大きく働いている。
舌を誘う甘酸っぱい香りはするか?
シルエットは?
ついでに聴覚も働かせて、指先で丁寧にノックすれば色良い返事をしてくれる。
林檎よ、林檎。
この店の中で一番美味い林檎は、君で合ってるかい?
一口齧れば、目覚めるような甘さは持っているかい?
コンコン、と高い澄んだ音がすれば、まず歯触りの良い林檎であることに間違いない。目深に帽子を被った男の口元が笑みを浮かべる。顎には整えられた髭が、彼は成熟した男であることを伝えていた。
RANDER_gorilla
DONE【クァクァウティンの夜⑩】一応の決着です!
ハートキャッチと流血描写があります🫀
次回エピローグで完結予定です〜!
エピローグは12月末あたりに更新したい気持ちです! 10
みずたわに
PASTロマンシングサガ3よりタチアナ。タチアナ好きなんですよ。毎回連れて歩きたいぐらいに大好きだ!!
主人公キャラだとモニカ様が最推しです(分かりやすい)
個人的にタチアナは武器持たせるより術師として育てた方が戦力として便利でしたね。王冠付けやすいし。
装備で魔力底上げ+玄武+太陽でとことんサポートに徹してもらってました。初心者プレー向きの育て方ですが。
はるたま
DONE女神がもたらした二人で一着のセーターという奇跡を自分でも堪能したくて錬成したやつ。無駄に差分が4枚もありますが、変わってるのは目のとこだけ。
キスしてるのでワンクッション置きました。 4
はるたま
DONE綿矢湊くんお誕生日おめでとう!!!生まれてきてくれてありがとう!!!
私を幸せにしてくれてありがとう!!!
柘植先生と幸せになるところを見るの楽しみに待ってるよ!!!
詳しい設定は↓
https://xfolio.jp/portfolio/harutama/works/1166213 2
はるたま
DONE黒沢くんはぴばすで!初恋を捧げた貴方と、初恋以外の全てを捧げた安達くんが結ばれた奇跡に出会えた幸せに胸が打ち震えます……
もう……一生! 推す!!!
末永くお幸せに……🍒
細かい設定は↓に説明があります(*^ω^*)
https://xfolio.jp/portfolio/harutama/works/1045412 2
はるたま
DONE横浜みなとみらいボイスラリーの時にマリンベーカリーさんに置かれていた豊田先生へのメッセージノートに貼り付けてきた絵です。正真正銘初描きくろあだちゃん。
簡単に見えるものでも数日掛ける私にしては珍しい一晩クオリティ。
マリンベーカリーさんでデートしてるくろあだちゃんが見たい一心で描きました!
John
SPUR MEサチマル続きました。ハッピーバースデーマルコ。間に合ってよかったです。
今は優しい眠りに、おやすみなさい。
Good-bye Snow Whiteさよなら、スノウホワイト
まったく、恋する女ってのは綺麗なもんだ───。
白魚の様な指先が、天に向かって伸ばされて。
温かく柔らかで、無防備な雛の子でも包む様にしてその掌に載せるのは、真逆の無機質な冷たさなのだから、マルコは鼻を啜って自分の愛用のブランケットを肩に羽織直すのだった。
「トキよい、雪にはしゃぐ気持ちは分からないでもないけどさ、風邪引いちまうよ?」
「あら、マルコ。ごめんなさい、起こしてしまったかしら」
「見習いの朝は早いんだ、気にすんな」
まだ、光月おでんがトキと共に船に乗っていた頃の話だ。
空には月がまだ冴えざえと残っていたが、青みがかった銀の皿の下では昨日の夜から雪が止むことなく降り続けていた。さくり、とブーツを踏み出せば甲板に跡がくっきりと付く。そのまま歩み寄って、華奢な掌に自分の手袋を外して付けてやれば鼻の先を仄かに赤くした女が瞳を瞬かせた後、少女の様に屈託なく笑う。
10861まったく、恋する女ってのは綺麗なもんだ───。
白魚の様な指先が、天に向かって伸ばされて。
温かく柔らかで、無防備な雛の子でも包む様にしてその掌に載せるのは、真逆の無機質な冷たさなのだから、マルコは鼻を啜って自分の愛用のブランケットを肩に羽織直すのだった。
「トキよい、雪にはしゃぐ気持ちは分からないでもないけどさ、風邪引いちまうよ?」
「あら、マルコ。ごめんなさい、起こしてしまったかしら」
「見習いの朝は早いんだ、気にすんな」
まだ、光月おでんがトキと共に船に乗っていた頃の話だ。
空には月がまだ冴えざえと残っていたが、青みがかった銀の皿の下では昨日の夜から雪が止むことなく降り続けていた。さくり、とブーツを踏み出せば甲板に跡がくっきりと付く。そのまま歩み寄って、華奢な掌に自分の手袋を外して付けてやれば鼻の先を仄かに赤くした女が瞳を瞬かせた後、少女の様に屈託なく笑う。
つむじまめ
DONE題名:アーリマンファイナルファンタジーⅢに出てくるアーリマンを参考に描きました。設定としては、人心を惑わす悪神であるアーリマンが、自ら創造する宝石を人々に与え、その宝石から生命力を奪い取るという感じです。配色のほうは、「妖しさ・禍々しさ・神々しさ」をイメージして描いたつもりです。
使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT(線画:粗い鉛筆 着彩:粗い水彩)
作業時間:約80時間 2
ほるもと
PAST前書いてたパイラダ小説。書きたい事が多すぎてめちゃめちゃ削ったけどグダグダに終わっている。よかったら読んでね…
一期OPでマグマとハンターが戦うシーン、本編でいつやるのかな♡稽古かな♡対立かな♡はーどきどき♡と思ってたらやらないまま終わった。
そんな無念の詰まったものです。
約束『約束しようぜ、マグマ!いつかスパイダーライダーズとして一緒に戦うって』
『ああ。…約束するよ、ハンター・スティール』
男同士の約束。…そう言ったのはほんの数日前だったのに。
「…マグマ…なんで…」
…どうして彼は今、インセクター達と一緒に居るのだろう?
呆然と立ち尽くすハンターとは対照的に、マグマは酷薄にすら感じる笑みをその口元に湛えている。
「悪いな、ハンター。これも仕事なんでね。…恨むなよ」
言うと、マグマは左手を天に掲げた。
××××××
───数刻前、アラクナ城内執務室にて。
室内には兵士からの報告を伝えに来たイグナスと、アラクナの王子であるルメンの二人がいた。
「王子、南方の偵察隊から通信が入りました。インセクター達が不穏な動きを見せているとの事です」
10520『ああ。…約束するよ、ハンター・スティール』
男同士の約束。…そう言ったのはほんの数日前だったのに。
「…マグマ…なんで…」
…どうして彼は今、インセクター達と一緒に居るのだろう?
呆然と立ち尽くすハンターとは対照的に、マグマは酷薄にすら感じる笑みをその口元に湛えている。
「悪いな、ハンター。これも仕事なんでね。…恨むなよ」
言うと、マグマは左手を天に掲げた。
××××××
───数刻前、アラクナ城内執務室にて。
室内には兵士からの報告を伝えに来たイグナスと、アラクナの王子であるルメンの二人がいた。
「王子、南方の偵察隊から通信が入りました。インセクター達が不穏な動きを見せているとの事です」
ほるもと
DOODLEレジェマナ小説。エスカデの過去見る話あたりで色々気になったので、私なりの解釈や妄想などをつらつらと。
気にならない範囲だと思うけど、女主人公と微妙にCPっぽいかも?平気な方はどうぞ。
鉱山の一幕「また寄ってきたか。鬱陶しい…」
吐き捨てるように言いながら、エスカデは魔物の群れに切り掛かり、蹴散らしてその場に座り込んだ。
背後にはすやすやと寝息を立てて眠る女が1人。
突然連れて来られ、彼女を守ってやってくれと言われてもう半刻になる。
賢人の命令を無視する訳にも行かず、彼はこうして、寄ってくる魔物達を蹴散らし続けている。ただ…ここにはあまりいい思い出がない。
(さっさと起きて貰って帰りたい所だが)
平和そのものといった様子で眠り続けている彼女は、恐らく何かの魔法で眠らされていて、近くで戦っていても起きそうな気配すらない。
…コイツは今何を見させられているんだろう?思うが、考えた所で自分にわかる筈もなく、意識を目の前に切り替える。
1844吐き捨てるように言いながら、エスカデは魔物の群れに切り掛かり、蹴散らしてその場に座り込んだ。
背後にはすやすやと寝息を立てて眠る女が1人。
突然連れて来られ、彼女を守ってやってくれと言われてもう半刻になる。
賢人の命令を無視する訳にも行かず、彼はこうして、寄ってくる魔物達を蹴散らし続けている。ただ…ここにはあまりいい思い出がない。
(さっさと起きて貰って帰りたい所だが)
平和そのものといった様子で眠り続けている彼女は、恐らく何かの魔法で眠らされていて、近くで戦っていても起きそうな気配すらない。
…コイツは今何を見させられているんだろう?思うが、考えた所で自分にわかる筈もなく、意識を目の前に切り替える。
John
SPUR MEサチマル続きました。サッチは見聞色の覇気がありますが、意識して他人のそういう自分に向ける感情の機微とか遮断してる気がします。
Perplex Paraiba Tourmalineパライバトルマリンの困惑
通信部に最近入ったばかりの若者は壁にピンボールの様に何度か衝突しながらも、若さから来る体力と根性が備わっていた。
天候は[[rb:時化 > シケ]]。横殴りに吹き付ける暴雨にどうにか抗おうと甲板に括り付ける荷やら、マスト登りの達人達が指示役の号令に合わせ一斉に引かれるロープ。揺れに揺れる船の通路は、クルー達が駆り出されているせいで走りやすくはあったが、それが逆に肌を粟立たせる様な、静かな不気味さを併せ持っている。
「船長!!電伝虫からの連絡が…!!」
半ば体当たりに近い形で開いた扉の向こう、船長室に転がり込んだ若者は部屋の主の圧倒的な品位に顔を挙げた瞬間に蹲って頭を垂れるのだ。そのズボンの丈が膝下から足りていなかろうと全くの問題はない。自分が憧れ仰ぐ船長の、僅かな憩いの時間を潰してしまったのだ。申し訳なさで自然と身体が赤い絨毯の上で丸まり床を這う。
11604通信部に最近入ったばかりの若者は壁にピンボールの様に何度か衝突しながらも、若さから来る体力と根性が備わっていた。
天候は[[rb:時化 > シケ]]。横殴りに吹き付ける暴雨にどうにか抗おうと甲板に括り付ける荷やら、マスト登りの達人達が指示役の号令に合わせ一斉に引かれるロープ。揺れに揺れる船の通路は、クルー達が駆り出されているせいで走りやすくはあったが、それが逆に肌を粟立たせる様な、静かな不気味さを併せ持っている。
「船長!!電伝虫からの連絡が…!!」
半ば体当たりに近い形で開いた扉の向こう、船長室に転がり込んだ若者は部屋の主の圧倒的な品位に顔を挙げた瞬間に蹲って頭を垂れるのだ。そのズボンの丈が膝下から足りていなかろうと全くの問題はない。自分が憧れ仰ぐ船長の、僅かな憩いの時間を潰してしまったのだ。申し訳なさで自然と身体が赤い絨毯の上で丸まり床を這う。