ざくろ
DOODLE乾き誰かに本気で怒ったのはあれが初めてだった。
スラムにいたときでさえも、あんなに怒ったことはなかった。
サバナクローの寮長が夕焼け草原の第二王子だと初めて知ったとき、できるだけ関わらないようにしようと思った。
忌み嫌われ者の第二王子。まだ小さかった頃近所の噂で聞いた。第二王子は全てを砂に変える魔法を持っている。そして、気に入らない者は全て砂に変えてしまう、と。
とにかく問題を起こさないように、穏便に学園生活を過ごしたかった。ばあちゃんへの仕送りをしながら、普通に過ごせればそれでよかった。
あの日から俺の中の何かが変わった。
部活が終わった後、寮長が
「あとで俺の部屋に来い」
と言ってきた。
もしかして昨日、他寮のやつを殴ったところをみられてたのかそんな考えが頭の中を渦巻いていた。、
2815スラムにいたときでさえも、あんなに怒ったことはなかった。
サバナクローの寮長が夕焼け草原の第二王子だと初めて知ったとき、できるだけ関わらないようにしようと思った。
忌み嫌われ者の第二王子。まだ小さかった頃近所の噂で聞いた。第二王子は全てを砂に変える魔法を持っている。そして、気に入らない者は全て砂に変えてしまう、と。
とにかく問題を起こさないように、穏便に学園生活を過ごしたかった。ばあちゃんへの仕送りをしながら、普通に過ごせればそれでよかった。
あの日から俺の中の何かが変わった。
部活が終わった後、寮長が
「あとで俺の部屋に来い」
と言ってきた。
もしかして昨日、他寮のやつを殴ったところをみられてたのかそんな考えが頭の中を渦巻いていた。、
ざくろ
DOODLE適当に書いただけです。飢え最初にあいつを見たときは、なんとも思わなかった。上っ面だけの笑顔、たまに見せる暗く、淀み、誰も信じていない目、よくあることだ。そいつは、スラム育ちだという。制服を買う金がないのかいつもシャツを一枚着ているだけだった。周りにいるやつは笑うか、哀れみの目を向けるだけだった。同じだ。誰も信じられず、相手の顔色をうかがいながら会話をする。昔の俺と同じだった。周りを見ながら、王の弟として振る舞わなければいけないあの時と。ある日、あいつが他の寮の奴らに絡まれていた。なんで、スラム出身の奴がいるんだ、ゴミ溜めに帰れ。そんな内容だったと思う。だが、俺はそんな内容より、あいつのほうが気になった。まるで勝ちを確信したような目。薄っすらと笑っている口元。本来ならば危機的状況のはずだが、あいつはそれを楽しんでいた。少し目を離しただけだった。しかし、あいつにはそれで十分だった。次に見たときには、全員が地面でのたうち回っていた。もう、あいつはいなかった。ただ単に、興味が湧いた。これからあいつがどんな動きをするのか、と。次の日、あいつを俺の部屋に呼んだ。うわべだけはにこにこしているが、内心怯えているのがわかった。名前はラギーというらしい。使えなさそうだったたら捨てよう。そう思ってた。そう思っていた…はずだった。あいつは、優秀だった。勉強は苦手だが、家事はすべてあいつが…ラギーがこなしていた。ラギーはいつも、笑顔でこちらの様子を伺いながら生活していた。俺に対して本気で怒ったことはなかった。あの時までは。俺がオーバーブロットしたとき、あいつが初めて本気で怒ったのを見た。その姿を見た瞬間、できないことを夢見て本気になろうとするあいつにむかついた。必死になっているラギーにむかついた。小さい頃、努力すれば王になれる。兄貴を超えられると勘違いしてた俺に似ていたから。だから…。
1985